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川原圭博(東京大学教授/mercari R4D, Head of Research) 研究者なら一度は「あなたの研究は何の役に立つのですか」と聞かれた経験があるに違いない.文脈によっては,自分の仕事が何の役にも立たないと言われたような気がして,後ろめたい気持ちになってしまう.基礎研究に近い場合,こうした言葉に強く反発する人もいるだろう.とはいえ,研究活動は多かれ少なかれ,社会に支えられて可能になっている.用途を考えず取り組んだ研究であっても,何かの役に立てば嬉しいもので