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サッカー観戦の魅力を知る

昨日はキリンチャレンジカップ2019、日本vsコロンビアの試合を観に日産スタジアムまで足を運んできました。

香川選手がドルトムントで活躍をするようになった頃から、欧州サッカーの状況をちょくちょく追い続けている自分。大学受験(2度目)の準備をしていた頃は、当時ACミランの10番を背負っていた本田選手、ドルトムントでファンタスティック・フォーの一角を形成していた香川選手、そして奇跡のプレミアリーグ優勝を成し遂げたレスター岡崎選手など、日本人選手の活躍を知ることだけが毎日の楽しみだった。

けれど日本代表戦はおろか、プロサッカーの試合を会場で観ることが初めてだった僕は、試合中の想像を超えたおもしろさに圧倒されっ放しでした。野球観戦と同じようにビールの売り子さんはやってくるのだけど、常時ゲームが動いているから声をかける余裕もなければ、ましてやトイレに行く暇なんてどこにもなかった(後ろにいた人はトイレへ席を立っているあいだにPKを取られてしまってた)。息つく間もなく、目の前で繰り広げられる攻防に一喜一憂しながら、あっというまに90分は過ぎていきました。

会場まで足を運んでよかったな、と感じたことが明確にあります。それは、実際に試合会場で観るサッカーというのは、テレビで観るそれとはかなり異質な楽しみ方ができるものなんだなということを身を以て体験できたことです。

これまで欧州サッカーをテレビやニュースで追うようになってから、何となく知っている選手の名前も増えてきた。また海外で活躍する日本選手達に関しては、これも何となくそれぞれの特長だったりが頭に入っている状態にはなっています(おそらく多くのサッカーファンの人と同じように)。そしてこれまでは試合を観終える度に、「あの選手はよかった、あの選手は悪かった」なんて、自分もすっかりアマチュア評論家さながら、自身の内で評価じみたことをしていた訳です。

けれど実際の会場に選手たちが現れて、ガシガシと南米の雄に対し奮闘する様子を見ていると、何というのか目の前で必死になっている生身の人間に対し「あーだこーだ」と物知り顔で評価を下す気持ちにはとてもなれなくなる。実際、日本に得点シーンは生まれなかったものの、ひとつひとつのドリブルやパス、シュートへのトライに対して観客席からは大きな歓声と拍手が起こっていた(自分も含めて)。この「目の前の人たちへの“がんばれ”という思い」は、まるでビデオゲームのように全体を俯瞰しながら展開されていく解説付きのテレビ観戦では、なかなか起こりづらいものではないかと感じました。

その感覚の延長ということになるのでしょうが、敗戦という結果に対しても、会場にいるとテレビでの観戦に比べて後味が悪くないと感じました。「もちろん残念だったけど、いい勝負をしていたし、いいプレーも見せてもらったから...ありがとう!」というような(笑)。スポーツや試合そのものの楽しさ、興奮や緊迫を間近で味わうことができた分、僕の満足度に占める試合結果の割合が、相対的に低くなったのかもしれませんね。

傍観者、評論家としてでなく、いちファンとしてより純粋にスポーツを楽しむことができる。まったく想定していなかったサッカー観戦の魅力に出会うことができ、とてもよかったなぁと会場を後にしたのでした。

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