「尊敬できる相手」「成長できる相手」とか言わない、もういい加減。(シン・時事恋愛)
「上方婚」という言葉があります。
年収が上、身長が上、キャリアが上、学歴が上。そういう「自分より上の人と結婚したい」という志向のことを指します。
厳密にはもちろん、男女どちらにも使える言葉ですが、やはり女性が男性に上のスペックを求める傾向が、少なくともこれまでの日本にはありました。
で、これは結婚に限ったことではなく、自分より秀でているところがないと尊敬できない、つきあうなら、自分のことを高みに引っ張り上げてほしい、バージョンアップしてほしい、という気持ちを持つ女性は少なくありません。
で、そういうのって、あまり幸福じゃないよ、と約10年前、口を酸っぱくして言っていたわけです。
なぜなら、その方程式に則ると、自分ががんばってがんばって上に行けば行くほどに、恋愛対象となる人は少なくなっていくのは当たり前だから。
上方とか下方とかじゃなくて、気の合う人とつきあおうよ、結婚しようよ、ということを、力説していたわけですが、時代はいま、どうなんでしょうね。
少しずつ状況は変わってきているような、変わらないような。少なくとも、「成長しなくては」「もっと上の自分にならなくては」という力みのようなものはだいぶ減ったように感じます。
「自分磨き」という言葉も死語になったし。
というわけで、今回の「シン・時事恋愛」は、「ラクな人とつきあおうよ」というメッセージです。
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みなさん、こんにちは! 働き女子の”恋愛金メダル獲得”を狙う「時事恋愛」、今回のテーマは「成長と向上心」です。
「恋と仕事のキャリアカフェ」には、キャリアアップに関する相談も多く寄せられますが、「常に自分が成長できる環境に身を置きたい」「スキルアップのための仕組みが整っているところで働きたい」という声を聞くことがあります。
メディアやビジネス書も、「能力開発」「スキルアップ」「5年後・10年後の自分」などのタイトルで、継続的な成長を訴えますし、逆に「成長が止まった瞬間負け組になる」と、不安をあおるメッセージも少なくありません。
こうして、前と上を向き続け、昨日の自分よりも"デキる”自分になってなければいけないという風潮が、現代のビジネス社会には蔓延しているような気がしてなりません。
同じように「自分が成長できる相手と恋愛したい」「仕事面・人格面で尊敬できる相手とつきあいたい」と、恋愛に成長を求める女性は数多くいます。
自分よりも人間的・経済的・社会的に”上”の男性とだけ仲良くしたい女性たち。中には、同じ業界で活躍しているスターと交際することで、仕事と恋愛の両面で刺激を受けようとする人も。
もちろんこれ自体は悪いことではないのですが、「何かを得たい・成長したい」という思いが、現在の幸せやなにげない日常を過小評価することにつながり、結果として「もっといい人とつきあわないと」という、疲れや焦りを招くのであれば少々考えものです。
だいたい、20代前半のころならいざ知らず、これだけしっかりと生きてきたオトナ女子にとって、さらなる高みに引き上げてくれる男性なんてそうそういないのが、現実。同年代の独身男性となると、さらに状況は厳しくなります。
さらに厳しいことを言うならば、仕事にしても恋愛にしても、「誰かに引っ張ってもらって、自分のステージを上げる」という姿勢は、年次的にそろそろ卒業すべきなのかもしれませんよね。これからは、日々の仕事や交友関係を通じて、自ら成長していくのであって、少なくとも、会社や一人の男性に自分の成長を依存しすぎるのは危険なことと言えます。
仕事で無意識のうちに「前へ、上へ」というクセがついてしまい、会社に対して常に環境とチャンスを要求、それと同じ感覚で男性にも「尊敬・憧れの対象でいること」を求めてしまう。現状に満足せず、なにかに駆り立てられるように上を向き続け、結果としてちょっと首が疲れてしまっている。
そんな状態になったときには、目線を下げて辺りの風景を見渡し、凝りをほぐすことが必要。アスリート的に言えば、目標となるあこがれの選手や常にハードワークを課すコーチも重要ですが、適度にリフレッシュさせてくれるトレーナーも、長い競技人生を考えると大切ということです。
具体的には、全然仕事と関係のないフィールドの男性や、住む世界のまったく違う男性に目を向けてみること(参考記事:30過ぎたら“異文化恋愛”)。
「努力」「成長」とおおげさに口に出すことのない、静かな自信家タイプの男性もいいですし、いつもニコニコ笑って毎日が楽しくて仕方ないという天然系の男性もオススメです。
いっそのこと、「手がかかるんだけれど、かわいくて仕方ない」相手とつきあって、バーチャル子育てを先取りしてたしなむのもアリでしょう。
自立したオトナ女子の新常識=「尊敬できる相手」よりも「リフレッシュできる相手」
みなさんは、どう思いますか?
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【6月2日(火)に、エッセイの書き方ワークショップを行います!】
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