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久しぶりの練習に参加して

 私は中学硬式野球のクラブチームで指導を行っています。練習がようやく再開し、私自身も久しぶりに参加をすることができたのでそこで感じたことや選手に伝えたことを本日は記していこうと思います。

はじめに感じた中学生の凄さ

 まず初めに「中学生ってすごいな」と感じたことについて話していきます。約3か月もの間チーム練習ができずに満足に野球ができていない状況が続いていたわけでありますが、久しぶりに見た選手の皆は決して目標を見失っていませんでした。大会が行われるのか分からず、プレーもできない中で目標を見つけて過ごすことを無理だろうと私は思っていました。しかし彼らはしっかりと自身の中で目標を定めノートに記し確実に成長していました。もちろん数名ぽっちゃりしすぎちゃったなと思う子もいましたが(笑)この状況の中でしっかりと自分と向き合い自主練習を行ってこれた選手を本当に誇りに思い、私自身ももう一度気を引き締めていかないといけないと思いました。彼らが本当に野球を愛していること、多くの誘惑の中で負けずに野球に向かい合っていることは絶対に将来にも生きるはずです。その気持ちを高校大学でも見失わないでほしいと思いました。

1年生について

 新1年生についても感心したことがあります。つい数か月前までは小学生だった彼らはどのくらい野球と向き合えているのか。また2、3年生に比べ力もないので基礎的な練習が大半を占めます。家でもできると思ってしまう事を全体練習で行うのです。これは体づくりの意味も込めてとても重要なことではありますが、一番きつい事でもあると私は思います。1年生には地味な練習だと感じるかもしれないけど、「ここで頑張ったら驚くくらいボールが飛ぶようになるし球も速くなるから。必死になって頑張れ」こんな言葉を伝えるつもりでいました。しかし、その必要はありませんでした。手にマメを作りながら、ヘトヘトになり先輩のバッティング・ピッチングに圧倒されながらでも必死になって食らいつく姿がありました。何を私は不安に思っていたんだと感じさせてくれる嬉しい光景でした。ここから体力的にも精神的にもきつくなってくると思いますが彼らなら乗り越えてくれるでしょう。そんな風に思わせてくれる1年生の成長がこれから楽しみです。

3年生に伝えたこと

 最後に3年生に伝えたことについて記させていただきます。あくまでも私の考えでありますが監督にもお伝えした私なりに作っていきたいチームの在り方が存在します。それは監督、コーチが極力チーム作りに介入しないことです。このことを選手にお話しした経緯ですが私のチームの監督は本当に愛情に溢れた方です。私の本当に尊敬する方である一方選手に対しては常に厳しく接し、理解ができない選手もいるのではないかと思う事もあります。またまっすぐな方なので、一度こうすると決めたら曲げない方です。そこも監督さんの素晴らしい所でありますがその日に関しては何か選手に声をかけてあげないといけない、そんな状況でした。選手の練習の態度が求めていたレベルにあまりに達していなかったらしく、進路面談を終えたところだったこともあり、「もう進路に関しては自分たちでやってくれ」それだけ言い残しスタッフの車に乗ってしまいました。スタッフの方々も息子が選手にいる方も多いので何とも声を掛けにいきづらい雰囲気であったため、スタッフ車の中も沈黙状態でした。3年生全員で車まで話をしに来ましたが監督は「車を出そう」という言葉を続けていました。監督の中でもモチベーションを大会に合わせてあげるために考えがあります。あの時の監督の行動を悪いとは全く思いません。しかし、あの場面は誰かが声を掛けないと3年生が何をすれば良いのか分からなくなってしまいます。そこで少しだけ自分から話してきて良いですかと確認をとり、監督から頼んだと言われたので車を降りてこんなことを話しました。気持ちをぶつけた感じで鮮明には覚えてないのですが覚えているところだけ抜粋します(笑)

「みんなが必死にやろうとしてるのはよく分かる。そんなの皆分かってる。だからこそもっとやれるだろって監督は思っているんだ。今のチームは監督のチームになってる。チームを作るのはお前たちだよ。誰かがミスしたとき、なんで周りは言わない。監督が外さないとなんで誰も外さない。選手の間で外すってことをしても良いんじゃないか。監督が求めているのはそのレベルなんだ。グラウンドの外では仲良くてもグラウンドに入ったらライバルなんだ。馴れ合いはやめよう。もう一度選手でチームを作るってことを本気で考えてくれ。意識は今この瞬間からでも変えられるよ。」

こんなことを話しました。これが本当に難しいことだというのは私も良く分かっています。選手の皆は言ったことは本当によくやってくれますし、頑張っているのも分かっています。しかし高いレベルを目指す以上、言わなければいけません。選手から選手に厳しい声をかけ、時には練習から外す。なかなかできることではありません。しかし彼らならできると信じています。そしてその雰囲気が選手の士気を高めるのにも最適なものであるとも思っています。周りに言ったからには自分もしっかりやらなければいけません。そんな自身に対する戒めにも繋がります。車に戻り監督に何を伝えたのか話したところその通りだと共感してくださり少しほっとしました(笑)現役のころから監督の考えや作りたいチームは常に理解しようとしながら過ごしていたのでそれが生きたとも思います。3年生はもう中学での現役生活は長くありません。その中で後悔をしてほしくありません。たとえ負けてしまったとしても、俺らはここまでやり抜いた。ここまでやってだめなら、、そんなことを思えるようにサポートしていきたいと思います。まだまだ3流にもなれていない自分ですが技術指導とともに少しでも選手が前を向けるような言葉をかけていければよいと思っています。

最後に

ここまで読んでくださり有難うございます。本当に中学生の野球に向き合う姿勢には驚かされることばかりです。私もそれに応えなければいけません。また私が行かせていただいているチームの素晴らしいところはコーチの方々がしっかりと監督の考えを理解しているところです。監督の考えを理解しないでチームを作るのは不可能です。それを選手も巻き込んでいけるように助言していくのが若い私の仕事でもあります。未来のある中学生が少しでも良い経験だったと思えるよな指導を今後も目指していこうと思います。また、車での帰り道でコーチの方から「あそこで声を掛けに言ってくれて本当にありがとう。僕は行きづらい立場でもあるから助かったよ」と言われたときに自分の役割や、やりがいを感じました。指導者の道に誘ってくれた親友には本当に感謝です。また本日もフィードバックや感想等頂けると有難いです。宜しくお願いいたします。

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