見出し画像

①再生医療のための生物保存ツールプロバイダー $BLFS

はじめに

再生医療や遺伝子・細胞治療のインフラとも呼べる低温保存ツール・サービスを提供するBLFS(Biolife Solutions)を紹介します。
シリーズにして執筆予定です。書きたいことが増えたら公開済みの記事も書き足したりするかもしれませんがご了承ください。(お辞儀)

BLFSの4ポイント

まずBLFSのポイントを4つにまとめます。詳細は次章以降をご参照ください。

1:再生医療などに使われる細胞等の低温保存ツールとサービスを提供
2:Biopreservation(細胞等の保存)市場はCAGRで約9%
3:Sales past 5Y 34.60%、Sales Q/Q 71.20%という驚異的成長速度
4:Novartisなどの有力な企業が取引先

概要

細胞等の低温保存を行う企業です。ツールおよびサービスの開発からマーケティングまでを行なっています。

臨床グレードの細胞及び組織の低体温貯蔵及び凍結保存、凍結培地、関連するクラウドでホストされる生物製剤、並びに配送業者向けのチェーン管理等の細胞、組織及び器官の生物保存ツール及びサービスのポートフォリオの開発、製造、マーケティングを行う。
引用:ロイター

事業内容

遺伝子・細胞治療の物流の大半をカバーするような事業を展開しています。

画像1

以下にロイター記載の事業内容を引用

製品には、細胞、組織及び臓器用の低体温貯蔵及び凍結保存用凍結培地製品、一般的な血液幹細胞凍結及び細胞融解培地製品、カスタム製品の処方及びカスタム包装サービス、並びに精密サーマルパッケージ製品とクラウドホスト型ウェブ(WEB)アプリケーションを含むコールドチェーンロジスティクスサービス、液体製品の無菌製造契約、充填及び仕上げサービス等が含まれる。

製品

冷凍保存には各種用途に合わせた製品が存在しています。以下にそれら製品の一部を紹介します。

・CryoStor
細胞や組織のための最適化
された凍結媒体です。-70~-196℃での凍結保存を可能にします。
CryoStor製品は、保存後の壊死やアポトーシスを減少させるのに、市販のものや自家製のアイソトニック製剤や細胞外製剤と比較してはるかに効果的であることが証明されているようです。これにより、保存後の細胞の生存率、回復等を大幅に改善することができます。

・HypoThermosol
低温保存・輸送
媒体です。2~8℃で生物学的製剤の保存と出荷の安定性を最大限に高めるように設計されています。この独自の最適化された製剤は、研究や臨床応用を目的とした生物学的製剤、中間体、最終細胞製品の冷却や再加温時に発生する温度誘導性の分子細胞ストレス反応を緩和します。

画像2

出典:IR

市場規模

Dr.医療株から市場規模を引用します。なおBLFSの2019年の売上は2,700万ドルです。

特別試薬:2024年までに13億ドル(約1400億円)
自動解凍:2024年までに1億5,000万ドル(約165億円)
医療向けのコールドチェーン:2022年までに186億ドル(約2兆500億円)

また、別のデータではBiopreservation(細胞等の保存)市場はCAGRで約9%です。
参照:Martkets and Markets

再生医療周辺産業としてみると、市場は2020年からは10年間で4倍以上の市場となると予測されています。さらに下図のように再生医療周辺産業の成長の加速は2020年の今からです。

スクリーンショット 2020-12-26 0.48.16

出典:経済産業省

取引先

取引先にはNOVARTIS、SanBioなどがあります。

画像3

出典:IR

各種経営データ分析

売上は素晴らしい右肩上がりで減速感はありません。

画像4

出典

株価はコロナ以降うなぎのぼりです。

画像5

出典

非常に財務がよく、売上も成長しています。割安とは言えませんがSales Q/Q 71.20%に対しPSRは30台であり、Perf Month 35.27%、Perf Year 163.21%なので比較的に過熱感も無いように思われます。

Market Cap 1.42B
Sales 41.70M
Employees 151
P/S 34.06
Quick Ratio 14.00
Current Ratio 15.30
Debt/Eq 0.00
Sales past 5Y 34.60%
Sales Q/Q 71.20%
Perf Month 35.27%
Perf Year 163.21%

所感

再生医療、遺伝子編集などのホットな領域で、インフラ的役割を果たすBLFSは非常に魅力的かと思います。財務はよく、売上は非常に成長しており、かつ株価に過熱感は無いように思われます。
次記事②では市場全体や、将来性、競合などについての説明を予定しています。
(お辞儀)

サポート大変感謝しております! 書籍の購入等、記事を書く際に利用させていただきます。