2023/1/21 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):3.484%
アメリカ10年BEI:2.23%
実質金利:1.254%

ニューヨーク市場は前週比でまちまちでした。決算発表後下落し、FRBが消費者事業を調査との報道でも下落したゴールドマン・サックスがダウを押し下げました。アメリカの連邦債務が上限に到達したため、特別措置の活用が開始されています。アメリカPPIは、前回より下がりつつ予想に対してはまちまちな結果となりました。

アメリカ生産者物価指数(PPI)[前年比] 前回7.3% 予想6.8% 結果6.2%
アメリカ生産者物価指数(PPIコア)[前年比] 前回6.2% 予想5.4% 結果5.5%

金融・公益・資本財・生活必需品セクターが下落しています。

(考察・感想)
経済が減速し始め景気後退の可能性が高まる中、決算発表に注目が集まっています。来週から始まるハイテク大手の決算次第で株価が上下する展開になりそうです。

アメリカの連邦債務残高が上限に達しましたが、民主党と共和党は協議入りもできていません。連邦政府の資金枯渇まではまだ数ヶ月あるようなので、いつも通り期限ぎりぎりになって交渉となると思います。

小売売上高とクレジットカード利率

アメリカ小売売上高は前月比-1.1%(予想-0.9%)と予想を下回り、2か月連続の下落となりました。前年同月比では+5.2%の増加ですが、インフレ調整後の数値で見ると、前年比で-1.2%程度の落ち込みになります。

また、クレジットカードの債務残高は9,250億ドルで過去最高に近くなっています。下記のように、クレジットカードの平均利率が急上昇し、延滞率はやや増加し始めています

https://www.lendingtree.com/credit-cards/average-credit-card-interest-rate-in-america/

(考察・感想)
小売売上高は前年比で増えているものの、インフレで実質的には生活が苦しくなっていると思います。延滞率の増加からは給付で過剰だった現金の使い果たしが示唆されるとともに、クレジットカード金利の急騰によって支出に制限がかかってきそうです。各種指標が経済減速の動きを示す中、来週以降の主要企業決算後にforward EPSのさらなる下方修正が見られるかに注目です。

来週のポイントと見通し

1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

2.決算発表
主要企業の決算発表予定は以下となります。
1/24(火)Microsoft
1/25(水)Tesla
1/26(木)Mastercard VISA
1/27(金)アメリカン・エキスプレス

3.ウクライナ情勢とエネルギー関連の制裁
戦況は膠着しています。ドネツク州バフムート周辺で少しずつウクライナ軍が押されている中、欧米からの戦車の供与について交渉が続いています。

見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が市場の想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。

長期では、利上げと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。

先進国インデックス 20%
現金(円・ドル)80%

来週の主な予定

1/24(火)ECBラガルド総裁発言

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