2022/12/10 週間マーケットレポート
週間の値動きと概況
アメリカ長期金利(10年):3.584%
アメリカ10年BEI:2.26%
実質金利:1.324%
ニューヨーク市場は前週比で下落しています。中国政府は、ゼロコロナ政策の大幅緩和を発表しました。また、アメリカ生産者物価指数(PPI)は予想を上回りました。
ジョージア州上院選決選投票では民主党が勝ち、民主党は上院100議席中51議席を占めました。その後、シネマ上院議員が民主党を離党して無所属になる意向を表明し、上院は50:50の議席数となりました。
セクターは全体的に下落しています。公益セクターはほぼ変わらずでした。
(考察・感想)
FOMCとCPI待ちで、あまり材料のない週でした。PPIは予想を上回りましたが、減速傾向が継続していると思います。インフレのピークアウトと利上げペースの減速予想を受けて、アメリカ長期金利(10年)も11月上旬の4.2%近辺から3.6%近辺に下がってきています。今後中国がゼロコロナ政策を順調に緩和していければ、需要回復がインフレ要因になりそうです。
12月FOMCについて
12月13~14日の日程でFOMCが開催されます。利上げについてFOMCメンバーは以下のように発言しています。
ウィリアムズ総裁「インフレ率をFRBの目標に戻すため、一段の措置が必要」
バーキン総裁「これまでの積極的な利上げを踏まえ、引き締めペースを緩めることを支持する」
デイリー総裁「金利の誘導目標は5%程度まで引き上げられる可能性が高い」
ボウマン理事「金融当局は近く利上げのペースを落とす可能性がある」
FedWatch Toolによると、現在の市場予想では0.5%利上げされる確率が77%、0.75%利上げされる確率が23%となっています。また、今回のFOMCではドットチャートが示されます。以下は9月FOMCでのドットチャートです。
(考察・感想)
FOMCメンバーから利上げペースの減速に関する発言が見られるようになりました。FOMCメンバーの発言や市場予想からすると、12月FOMCでは0.5%の利上げが行われる可能性が高そうです。9月FOMCの時点では2023年に4%後半で利上げが止まる想定でしたが、この想定に変化がないかドットチャートを確認しておきたいところです。また、景気減速が懸念される中、失業率・GDP予想の変化にも注目です。
来週のポイントと見通し
1.FOMCとCPI
12月13~14日のFOMCではドットチャートに注目です。また、12月13日にはアメリカ消費者物価指数(CPI)が発表されます。
2.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。
3.ウクライナ情勢とエネルギー関連の制裁
戦況は膠着しています。ウクライナ東部ハリコフ方面でウクライナが攻勢を維持し、ドネツク州バフムート周辺でも戦闘が続いています。
見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。
長期では、アメリカのインフレにピークアウトが見られ、利上げペースの緩和とともに株価が上がっていく可能性が出てきたように思います。先進国インデックスで60%の投資比率としています。
来週の主な予定
12/13(火)アメリカ消費者物価指数(CPI)
12/13~14 FOMC
12/15(木)ECB理事会、イギリス政策金利発表
12/15(木)アメリカ小売売上高
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