2023/1/28 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):3.505%
アメリカ10年BEI:2.33%
実質金利:1.175%

ニューヨーク市場は前週比で上昇しています。S&P500のうち143社が決算発表を終え、67.8%が予想を上回っているものの、前の四半期の76%という数字は下回っています。また、アメリカPCEデフレータは総合・コアとも鈍化し、過去1年余りで最も低い伸びとなりました。

PCEデフレータ[前年比] 前回5.5% 予想5.3% 結果5%
PCEコアデフレータ[前年比] 前回4.7% 予想4.4% 結果4.4%

NASDAQが上昇し、一般消費財・コミュニケーション・テクノロジーセクターが堅調でした。

(考察・感想)
指標でさらにインフレ鈍化が確認されたため、2月と3月のFOMCでそれぞれ0.25%利上げが行われ、その後は利上げを停止する可能性が高まったと思います。決算はやや低調ですが、FRBによる利上げの打ち止めや年後半の利下げの可能性から株価は堅調に推移しています。来週はFOMCの他、アメリカ雇用統計、ハイテク大手の決算と様々なイベントが控えています。

1月FOMCについて

1月31~2月1日の日程でFOMCが開催されます。今回の利上げについて、FOMCメンバーは以下のように発言しています。

ハーカー総裁「この先は0.25%の利上げが適切になる」
コリンズ総裁「0.25%の利上げを支持する方向に傾いている」
ボウマン理事「さらなる利上げが必要であり、価格安定に向けて当局者らは金利を景気抑制的な水準でしばらく据え置くべき」
バーキン総裁「利上げペースは減速するが、より長期にわたって引き上げ、水準はより高くなる可能性がある」
ウォラー理事「次回のFOMCでは0.25%の利上げを希望する」
ブレイナード副議長「十分に抑制的な金融政策をしばらく続ける必要がある」

FedWatch Toolによると、現在の市場予想では0.25%利上げされる確率が98.1%となっています。下記のように、Fedwatch Toolの予想では2023年の後半に利下げされる確率もある程度見込まれています。

(考察・感想)
今回のFOMCでは0.25%利上げが確実視され、今後の利上げ停止について手掛かりが示されるどうがが注目されています。FOMC声明については、抑制的な金融政策を続けていく姿勢から、大きな変更はなさそうです。また、パウエル議長の記者会見も、市場の期待が高まっているため、気を引き締めるようなややタカ派的なトーンになりそうだと思います。

来週のポイントと見通し

1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

2.FOMC
FOMC後のパウエル議長記者会見に注目です。

3.決算発表
主要企業の決算発表予定は以下となります。
1/31(火)エクソンモービル、キャタピラー
2/2(木)Amazon、Alphabet、Apple

4.ウクライナ情勢とエネルギー関連の制裁
戦況は膠着しています。ドネツク州バフムート周辺で少しずつウクライナ軍が押されている中、欧米からの戦車の供与が決定されました。

見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が市場の想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。

長期では、利上げと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。

先進国インデックス 20%
現金(円・ドル)80%

来週の主な予定

1/31~2/1 FOMC
2/2(木)ECB理事会
2/2(木)アメリカISM製造業景況指数
2/3(金)アメリカ雇用統計、ISM非製造業景況指数

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