覚え書き ⑧ 昼食

 そうだ、お茶を淹れよう、と、昼食のいただきます、の後で立ち上がる。
 弾みでちゃぶ台の小皿の上に置いていた箸が転がる。 
 「箸が転がったよ。」というツレアイに、
 私はお茶を淹れながら、「誰にも言わないでね。」と頼んで、お茶を淹れた湯呑みを差し出す。
 「もう、箸が転げても、くそおもしくもないの。微塵も笑えねえ。」 
   ツレアイがこくこくとうなづいて
 「二人だけの秘密にしてあげる。」と、お茶を飲む。

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