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覚え書き

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感傷的なアレコレ  宇宙と闇を設定としないババアの中2病
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覚え書き  親愛なるMちゃんへ 30

 コロナ前

 Mちゃんから聞くお母様の痴呆がどんどん進行している逸話に心を痛めてました。

 あんなに華やかで社交的で快活だったお母様だったのに。

 Mちゃんに会いに札幌に戻ろう、と、その時思ったんだよ。

 ですが、おり悪しく猛威を奮うコロナの前に頓挫。

 まさかの3年が過ぎ、その途中で愛犬を置いてどこにも行けない行かないと決意する出来事があり、更にその愛犬が儚くなってしまったこの夏。

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覚え書き 29 また会いましょう

 本当にすごく時間が経ってしまった。

 ようやく会えるね、って思ったら、病気で入院とか。

 お互いに残念でした。

 退院予定が長びいたとか。
 いよいよ会えないことがわかるまで、内緒で闘病、入院してたのね。

 もしかしたら、もし、会えてても、そのことを内緒にしたまま、あなたは私の暴飲暴食に付き合ってくれる覚悟だったのかな。
 ありがとね。

 しかも、会えないことにすごく責任を感じてもらっ

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覚え書き 28  今年二度目の雪

覚え書き 28 今年二度目の雪

 亡くなった愛犬が好きだった雪が降る。

 雪だよ。

 愛犬の眠る場所に置いた置物を春まで移動しなければ。

 雪だよ。
 愛犬にも声をかけて。

 大好きだね。雪だよ。

 安らかかな。雪だよ。

 置物はどこに保管しよう。
 軒下か、ガレージか。
 悩んだが、結局車の中にした。
 愛犬がよく乗っていた車で春を待つのがちょうどいい。

 愛犬がいなくなって、雪が降っても少し嬉しく思える理由が、

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覚え書き 27 金木犀

 どこかから金木犀が香る 10月

 今はわからないけど。
 当時北の街では金木犀の香りを嗅いだことがなくて。
 初めて嗅いだのはトイレの芳香剤だった。今も金木犀の香り、ってあるのかな。すごくブームだった。

 初めて東京のキャンパスで金木犀の香りを嗅いだとき、何処かにトイレの芳香剤がある?って思ってしまったのもそう言う事情。
 すぐそばにオレンジの花を咲かせた金木犀の木があったのに、全くわからな

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覚え書き 26 9月1日

眠れない9月1日

朝夕は少し空気が涼しくなって

ススキは存在感を増して尻尾が金色になろうとする

昼の暑さは残暑と言われ、まだ秋を引き寄せるまでにはいかないけれど、季節は移ろう。

嫌いではないけれど、雪が本当に生活の障害となるので、いつもはあんまり歓迎ではない冬を今年暑くなり初めの頃から待っていた。

愛犬が暑さに弱いから。

いつも雪を喜んでいたから。

夏を乗り越えて大好きな冬を過ごそう

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覚え書き 25 miss you

 日本語が、日本の言葉が大好きなのだけれど、本当に短い言葉で、いなくなってしまった愛犬を思う言葉がぴったりすとんと収まった英語 miss you。

 いなくなって、胸が虚だよ。

 いい子だったと言って褒め、いなくなって悲しませて悪い子だと怒り、

 7月の最後の日曜にワンコが半分食べれたと言って喜んだコンビニにシュークリームを、7月の最後の月曜に、残りの半分をもう食べることができなかったと泣い

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覚え書き 24 齟齬

愛犬がいなくてうまくいかない。

ツレアイと不穏な時間を過ごす。

言い方の問題の話。

犬がいないから、エアコンを付けずに暑い部屋。

帰って来たツレアイがエアコンつけていい?と聞くから付けなくていいよ、と応える。
そんなやりとりを二度ほど繰り返したら、ツレアイが切れた。

犬がいるからエアコンを付けてたというのはわかる。
でも、自分だって涼しい所にいたい。オレがいる時はエアコンつけちゃダメなの

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覚え書き 23 でぶる

ちょっとした距離でもスクーターに乗るよ。

ババアは痩せたいの。
デブだからね。
だから、億劫がらずになるべく歩く方がいい。
そんなのわかっている。

でも、近所を歩けば、誰かに犬のことを聞かれるかもしれない。
最近見ないね、とか。

愛犬は逝ってしまった。

そんな話をしたくないの。

だからババアはスクーターに乗る。
現実から逃げるように。

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覚え書き 22 奇跡

 それまでヨチヨチながら歩いていた愛犬が、全く起き上がれなくなった土曜日
 ワタシは自分の欲を捨てきれずに、元々の予定をキャンセルせずに出掛けてしまう。
 待っててね、とお願いした愛犬はワタシの帰りを待っててくれた。

 日曜日 この日は珍しく家業が休みで、ツレアイが夜も家にいる。二人で夕食をとっている際中、そばで寝ていた愛犬が発作を起こしたように痙攣を始める。
 二人で愛犬の名前を呼びながら身体

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覚え書き 21情緒不安定

 愛犬を失う前から、すでに情緒不安定。

 食べる気もない。自力で水を飲む様子が見られない。
 もう数えるばかりしか生きられないとわかる。
 わかっていても持ち直して欲しい。
 犬はぐったりしたまま。

 いきなり凶暴な思いに駆られて、うちの犬が亡くなってしまうなら、この世の全ての犬も一緒に亡くなってしまえ、って思う。
 1秒後、そんな不遜で不吉なことを考えた自分に嫌気がさして、ごめんなさい、ごめ

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覚え書き 20 スタンプ

 離れて暮らす娘が宅配便を送ってという。

 だから、発送の朝、ちょっと口寂しい時にあるといいよね、って思っているミックスナッツを買いに片道1時間30往復3時間、車に乗って犬(超愛犬)と二人連れで買い物の旅に出る。
 近くのスーパーにもナッツは売っていないわけではないのだけど、車で1時間30かかる先にあるスーパーのミックスナッツはかなりいい。
 ピスタチオとクランベリーが入ってるのがいい。ピーナッ

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覚え書き 19 走馬灯

 走馬灯のように頭に記憶が流れ出す。
 死ぬわけじゃないけど。

 すごく素敵なお友達がいるわけですよ。
 その方に、パンツもらいました。
 ありがたや。ありがたや。
 下着のパンツ。新品しまむらパンツ。
 わーい。
 すごく気遣ってくれて、嫌いな柄じゃない?とか、好みとかあるなら、って、もし嫌なら無理にもらわなくても、みたいなこと言って下さって。
 ぜーんぜん、ないです。
 と、ありがたうれしく

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覚え書き(18)ジンクス

 丸くなろうとしている月が、まだ淡い蒼天に掛かり、4月1日(わたぬき)のワ綿を丸めて投げてみたかのよう。

 満月の日は菜の花畑が身近な方は蕪村体験ができるか。

 雪国もようやく桜が満開。
 そして待ち受けたように雨。
 春の嵐。と、まではいかないか。それなりの雨風。

 その年に初めて見る蝶は白い蝶がいいというのは誰から聞いたのだろうか。
 多分、自然や天候は大きな変化がない方がいいという災害

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覚え書き(17)魔

好事魔多し。
不運時には魔だらけ。

 うっかり忘れ物をして、慌てて取りに戻る。自分で慌てているのがわかるから、こんな時は落ち着いて、落ち着いて、って自分に言い聞かせる。
 歩きではなく、スクータを足にして、忘れ物を取りに行こうとしてる。
 こんな時に何かが起きるのは馬鹿らしいから、落ち着いて、ゆっくり、と、そろそろスクーターを発進させようとしたら、そんなに車通りのない道のギリギリのところを通って

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