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【symposium3】「クバへ/クバから」第3回座談会(シンポジウム)上演記録「『沖縄の風景』をめぐる7つの夜話」第7夜(12/27)「写真集制作に向けた公開編集会議の上演」(Part.4)

(Part.3はこちら

どのレイヤーに置くべきフィクションか

三野 最初に山本くんたちに(写真集を出したい、と)話した時にも、ペドロ・コスタ『Casa de Lava-『溶岩の家』スクラップブック』にすごく影響を受けてるんだよね、と話していたんです。この形式は、ペドロ・コスタ本人はもう二度とやらないと言ってるんだけど(*1)。1回やったらもうおしまいだと。

 ペドロ・コスタは脚本嫌いで有名で、脚本を書くのは、金集めの方法でしかなくて、本当は脚本なんて要らないみたいなこと言っている(*2)。だからこういう「ノートブック」を作っていて、本人はあんまりしっくりこなかったと言っているのに、この完成度で。おいおい、みたいな感じ。

*1:2011年12月1日(木)に行われた「ペドロ・コスタ×秋山伸トークショー【第22回ビブリオテック文明講座】」での発言(大意)を、三野が回想したもの。(執筆:三野 )
*2:2008年にペドロ・コスタが来日した際に、映画美学校で行われた短期講座の質疑応答で、「あなたにとって脚本の重要性は?」という質問に、そう回答していた記憶があります。美学校に在籍していた当時は20歳で、「映画って脚本なくても撮れるんだ!」と素朴に感じたのを覚えています。(執筆:三野)

三野 さっき話を聞いて僕が思ったのは、夜話でもちょっと話したんですけど、この写真集自体を、現実のレイヤーの中でどこに置くのかという話をしたんですよ。

山本 現実?

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写真家・舞台作家の三野新と、いぬのせなか座による、沖縄の風景のイメージをモチーフとした写真集を共同制作するプロジェクト「クバへ/クバから」…

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