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【2020松本山雅】vs琉球 (10/17)A

▷琉球戦レビュー

中2日で6人を入れ替えて臨んだ山雅。

この試合のポイントは、選手を入れ替えてもチームとして同じコンセプトを保てるかということ。

チョイスした選手に合わせたマイナーチェンジと共に、今後どのように進んでいくかを考えていきたい。


▷マイナーチェンジ

今節のメンバーのポイントとして、3バックの場合にWBとFWの一角が足りないということがある。
結果的に久保田を左WBからスタートさせ、3-4-2-1のフォーメーションを組んだ。

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撤退時はシンプルに5-4-1だが、前からプレスをかけるタイミングでは、下記の図のように、ボールサイドのシャドーが前目に位置し、WBも合わせて高めのポジションを取るようになっていた。

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基本的に両サイドがこのシステムを取る予定だったように見えたが、久保田は本職WBではなく、スピード的にも早いとは言えないため、右サイドで多く見えた事象となった。

このマイナーチェンジは前半だけとなったが、柴田監督のコメントにもあるように体力的な面を持たせる意味合いでは有効だったと考えられる。
試合から遠ざかっている選手が多かったのにも関わらず、戦えていたのもひとえにその工夫があったからに違いない。


▷シュートが打てない理由

・前提条件

山雅は柴田監督になってから、点を取る事に苦労している。
この部分に関しては、監督交代の即効性が見えずらい部分で、ある程度苦しむことは予想出来たはず。

また前提として、布監督が選手に自由を与え、連携を重視した攻撃を展開していたことを忘れてはいけない。

そんな中で、連携だけでなく組織的に組み立てる攻撃に着手し、メンバーを約半数入れ替えながら、ビルドアップをしたことで、チームとしてポゼッションに取り組んでいく姿勢が共有できていることをまず評価するべきだろう。

そこで柴田監督や中美のコメントにもあるように「怖がって隠れてしまう」という回数を減らす必要がある。
このクセは布前監督の指揮下でも起こったことだが、そこら辺は試合勘的要素も強いように見えた。

琉球はそこそこプレッシャーが早いチームのため、前半は苦し紛れにボールを前線に送ってしまうことが多かったが、無理してボールを繋いでロストするよりはマシなため、9人が引いた時のカウンターはまた課題とすればいい。


・Att3rd侵入

シュートがそもそも打てない原因としては、アタッキングサード侵入の整備がまだ手付かずという部分が大きい。

特に、上記で述べた試合勘的な要素(隠れてしまうことも含め)によって、ビルドアップから前進し、Att3rd侵入の1歩手前という所にパスが出ないことが多く、大外回りの展開が続いてしまった。
→ちなみに、この辺りを修正したのは塚川で、中央で積極的に受ける姿勢を見せたのは素晴らしかった。

また、前節のようにある程度連携が出来ている選手達が、ビルドアップ・前進の先を自由に剥がしていくというのは、ある程度可能である。

ただ、連携を深めていく今季前半の方針の弱点として『試合に出ていない人間は、連携を構築できない』ということがある。

つまり、その連携が無い中、いきなり共通認識を持つことは難しい。

それが今節のシュート6本という結果に繋がったのだろう。

これから連携が深まった選手たちを中心に、どう侵入していくかを整備していくことになるだろう。
そこにチーム全体で乗っかって、ベースアップを図って欲しい。

決して悲観する内容ではなかったはずだ。