【2020松本山雅】vs徳島(8/29)H プレビュー 『5連戦の運命はここに』
▷徳島戦プレビュー
今回の5連戦は、徳島・岡山・山形・山口・栃木という連戦。
変革のタイミングとしてはこの徳島戦の他ないのだが、その可能性は低い。
現場の思考を客観的に読む形のプレビューになるが、お付き合い頂きたい。
▷徳島ヴォルティス予想スタメン
フォーメーションは便宜上4-4-2としておくが、攻撃と守備でフォーメーションが大きく変わる可変システムを採用している。
軸になるのはキャプテンの岩尾がいるボランチ。
基本的にボールを動かすサッカーを志向しているため、彼らの働きが結果に大きく影響を与えるといえよう。
またGKもビルドアップに参加することから、足元の上手い上福元が起用されている。
▷データで見るヴォルティス
総得点24(2位)
総失点12(3位タイ)
双方とも半数以上がセットプレーないしクロスから
1試合平均データ
枠内シュート 4.7回(2位)
パス数 528.2回(8位)
ショートパス総数 265回
ショートパス成功 231回(87.2%)
ドリブル 12.8回(4位)
クロス 10.7回(20位)
攻撃回数 99.9回(22位)
ボール支配率 55.1%(6位)
タックル 14.8回(20位)
クリア 17.5回(21位)
インターセプト 2.4回(2位)
パス数や支配率から見るとそれほど圧倒的なポゼッションサッカーでは無いことが分かるが、パス成功率を見ると87%と脅威的な数字だ。
ドリブル数の多さは運ぶドリブルをよく使うことに起因しているか。
ドリブルで突破を試みても、そこまでリスクをかけず、他の選手に預けることが多い。
あと特徴的なのが攻撃回数の少なさ。
1度ボールを持ったらある程度長く繋ぐということが分かる。
タックル・クリアが少ないことから守備はそこまでガツガツ行くタイプではないと見れる。
▷徳島の攻撃
・ビルドアップ
ビルドアップ時には3-4-2-1のような形に変形。
右SBが上がる右肩上がりの変形で、SHが中に絞るなどしてポジションをとる。
そして、ショートパスを繋ぎ相手の綻びを探す。
また、左のSBも上がることがあり、そのタイミングではボランチが降りていくことが多い。
基本的には3-4-2-1か3-1-4-2を維持することが多いが、ボランチの降りるタイミング等によって4-1-2-3のように見えることもあるため、かなり流動的。
GKも含めてビルドアップしてくるため、プレスから奪い切るのはなかなか難しい。
・前進からフィニッシュ
パターンとしては3つ
①中央でのコンビネーション
②サイドでのコンビネーション
③ワイドに流れる垣田へのボール
徳島の中で一番多いのは②のサイド攻撃。
ただ、隙を狙っているのは①で、守備の優先順位としては当然①、②となるだろう。
③については山雅のロングボールとは趣旨が違い、ビルドアップで引き込んだ裏へのボールで高い位置を取る目的がある。
直線的に当てるのではなく斜めに走らせることで、消耗を減らし、キープしやすくする。さらに、フォローも行きやすいことからマイボールにする確率は高まる。
▷徳島の守備
・切り替え
徳島の守備で一番大事なのが切りかえ。
攻撃時と大きくフォーメーションが異なることから、急いで復帰する必要がある。
徳島が唯一パワーを使ってプレーするシーンと言っても過言ではなく、急いで攻めようものなら囲まれて奪い取られてしまう。
山雅としては奪ったタイミングで可能性が低い選択肢を取らないこと、無理にせめて奪われてカウンター返しを食らわないことが重要になってくるか。
・ブロック
ブロック守備は4-4-2
プレスはそこまで強くないが、プレスに弱い山雅の最終ラインを見て、奪いに来る可能性はある。
弱いのはクロス対応で、前節も外から内に入ってきた船山にヘディングでのゴールを許している。
基本的に球際に激しく行くようなチームではないが、中央はある程度固く閉めるため、京都戦のようにパスが繋がることは無いと考えた方がいいだろう。
▷山雅のプラン
常時プレス、ロングボールを続行するという前提に立ってこの章では説明する。
個人的には、このスタイルを継続する限り徳島には勝てないと踏んでいる。
あまりにも相性が悪く、自らの首を絞めることになるからだ。
その中でも、あくまで予想ということでより現実的に考えうるものを、提案と同時に考えていきたい。
・スタメン
ロングボールを蹴るなら阪野は外せない。
フォローに行くことやサイド攻撃における守備の観点からセルジーニョと吉田の起用。
CBは垣田と単純に高さ勝負では劣るが、橋内が居ない今、現時点でのベストメンバーだろう。
ここに関しては個人の評価が色濃く出てしまっているが、常田・乾に任せるのはそろそろ限界に来ている。
・クロス対応
クロスフェーズの対応だけは確実に修正が必要。
千葉もマークを外してウォッチャーになり失点していたことから、部分的にマンマークの導入が妥当か。
ボールサイドの大外にはSBが出ていき、SHがスペースを埋める。
中では3対3の状況が生まれるため、そこでマークマン確定。
ボランチからの飛び出しがあればボランチが対応する。
クロスが流れた場合、逆サイドの大外にはSHが対応。
このようにすればマークが外れずに、ウォッチャーになることは無い。
ただ、1vs1が生まれるため、球際勝負には負けてはならない。
大回りのサイドチェンジ時にはマンマークを解除したいので、そこではしっかりプレスをかけてある程度時間をかける必要がある。
ボランチ経由で高い位置でのサイドチェンジを食らうことだけは避けたい。
・プレス
ビルドアップにGKが参加していることをしっかりと認識することが大事。
引きどころを判断できず、プレスバックも間に合わないとなると、大返しをくらう。
同じことを繰り返さないことは重要か。
▷個人的なプラン
私としてはという考えを一応述べておきたい。
フォーメーションは3-4-2-1
CB中央に塚川を入れ、ビルドアップ時に3枚にも2枚にもなる可変。(簡単に言うと甲府の新井システムのパクリ)
・攻撃
トランジションに相手がこだわるなら、同じくトランジションにこだわり、ボールを奪ってから奪い返されないことを第一に考える。
パワーを使って奪えず撤退させ、左右に動かすことで徳島の攻撃時間を削る。
前進は降りてきた選手を使ってレイオフを繰り返す。
中央から崩し切りたいが、無理せず大外深い位置を取ることも考えながらプレー。クロスはマイナスへ。
・守備
いつもより攻撃回数・時間が少ない徳島の焦りを利用。
縦パスに対してアタックし確実に処理すること。
サイドの1vs1に負けないことにこだわる。
プレスはGKに戻させる程度で、相当パスコースを消さない限りギアはあげない。
▷展望
徳島は今季好調のチームであり、山雅のチーム状況を考えると、なかなかに厳しい相手である。
この試合の内容が今後の4試合に確実に影響を与えるため、布監督がどのような策を用意してくるかが注目か。
負けたとしてもグッドルーザーになる。
最低でも価値ある勝ち点0を手にするためにはどうするべきか。
その答え合わせが土曜日に迫っている。