【2020松本山雅】vs山形(9/6)H 簡易レビュー 『理想形はどこだ』

▷山形戦レビュー

何とか勝ちを取ったこの試合。

布監督のインタビューからやりたいことが少しづつ浮き出て来るようになった他、今後どのように転換していくかが見えてきた。

だからといって依然苦しい状況に居るのは変わりなく、まだまだ工夫が必要なのは事実であるため、その辺も整理していきたい。


▷攻撃の形

布監督のインタビューでもある通り、ロースコアゲームに持ち込んで、体力勝負を挑んだ。
結果的に見ても狙いは大当たりだったと言っていい。

・ロングボール

攻撃においては、ほとんどの攻撃機会でロングボールを前線に供給。

ラフな攻撃でもロースコアになれば良いというゲームプランであったため、試合全体の流れとしては布監督の思惑通りと言ったところになる。

ただし、ロングボール1つを収めるにしても、収めやすい工夫が必要である。

何度も述べているが、ただ単に真ん中に縦方向からロングボールを蹴ったところで、FWの選手が競り勝って収めるのは難しい。

前半シュート0という事実も含めて、ロングボール攻撃を改善しなければ、劣勢を押し返す起爆剤には到底なりえない。

・ポゼッション

米原が降りることもあったが、SBが高い位置を取るなど効果的なビルドアップが出来ず。
即修正は不可能なため、ある程度仕方ないだろう。

その中で、1点取れたあとからパス回りが急激に良くなり、テンポが上がった点について触れたい。

元々持っているポテンシャルとしては、やはりボール保持に向いている選手が揃っていると言える。

であれば、選手のメンタルを、ボールを持つことを怖がらないように変えていく他ない。
前半はともかく、後半も所々クリアやロングボールの判断を焦るシーンがあったため、周りの声がけや冷静に周りを確認する技術を徐々に身につけていくべきだろう。


▷守備

簡単に言うと、山形の決定力に助けられたと言っても過言ではない。

村山が好セーブしたシーンはもちろんあるが、他にもコースがある中正面に飛んだシュートが2.3本ある。

今回のクリーンシートは、最終局面で粘り強く守った個々の選手に対しての評価はほぼ満点だが、組織としてシュートまで行かせない守備はできていない。

布監督のインタビューでもあるように、ミドルゾーンでボールを奪いたいという狙いがある山雅は、プレスにはあまり行かないものの、高いラインを保っていた。

高いラインを保つ弊害として、裏のスペースを使われることや、後ろ向きでプレーする守備が増えてしまうこと。

今節もシュートを大量に浴びていることからも、長時間高いラインを保ちながらクリーンシートを目指すのは難易度が高い。
この点をどのように考えるかが今後の注目ポイントか。


▷理想形はどこだ

今節はラフな攻撃でもいいという割り切って勝ち点を取りに行く戦術で勝利を収めた。
もちろん、このスタイルが完成した山雅の戦術として定着することは考えづらい。

そこで、よりミドルゾーンでボールを取りやすく、より攻撃的である戦術へのシフトが適切ではないかと考える。

山雅が主体的にボールを持ち、ポゼッションをすれば、全体で押し込むことが出来るため、即時回収やミドルゾーンでのボール奪取は容易になる。
体力消費を抑えてショートカウンターに出ることも可能なため、得点の可能性も高まる。

守備としても、同じように裏にスペースがあるものの、裏に攻め込まれる危険を常に感じる訳では無いため、心理的にも楽になる。

あくまでこれは一意見だが、何かしらの理想形を早めに探しておきたい。