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【2021松本山雅】vs磐田(4/10)A レビュー 『最重要課題』

・磐田戦レビュー

前半攻め立てたものの、不運な判定でPK献上。
その後攻守に要所での詰めの甘さが見え、完敗。
きっかけが不運なものとはいえ、ビハインドの試合運びに不安が残る試合となった。
局所的なシーン紹介はせず、大局的なマインド・プランニングに焦点を当てたい。


・両チームメンバー

レビュー

大津起用も前節と同じではなく3-4-2-1で組んできた磐田。
中川が初スタメンで鈴木を右に起用。
山雅は橋内・前がスタメン復帰。


・いい内容なのか

結果的に言うと、磐田の策略にまんまとハマった形だった。

磐田がプレスにそこまで来ないのは想定内。じっくり持とうと思えば持てる展開だったため、そこまで焦って縦につける必要が無い展開だった。

その中でオープンになっているサイドへ篠原からフィードが出るシーンもあり、30mライン侵入の形はある程度できていたと感じた。
しかし、磐田がサイド圧縮で中央を締めたことに対して打開策を見いだせず。
FWの入る位置や、クロスの単調さが目立ってしまった。

深刻なのは守備。

磐田は決まった形こそ無いものの、選手が中央で入れ替わりながら相手を引き出し、空いたスペースにボールをデリバリーする。

どの程度スカウティングができているのか、把握しているのかは分からないが、守備時に能動的にプレスをかけすぎているように感じた。
PKに繋がったシーンはいつも通り前半30分を越えて運動量が落ちたタイミング。
サイドでの寄せが甘くなり、中央にデリバリー。背負われてボールにアタックできずシュートを許した形に。
重要な局面で寄せが甘くなるクセは早急に治したい。

そのためにもプレスのオンオフというところはチームのアプローチとして変えていきたいところ。
今節も押し込んでいたと言いながら51パーセントの保持率で、49パーセントは非保持の時間。
その時間の大半で動き回っていると考えれば体力的に厳しいのは目に見えている。
結論、前節の秋田が先に疲れて自滅したことで隠れていた問題が表面化したに過ぎない。

この問題が一向に解決しない場合、進退問題に発展するとまで言えるだろう。
それぐらいの最重要課題であると考えられる。

相手のサッカーに対するアジャスト(対応・調整)が足りていないことも含め、この問題に対するとらえ方次第では、見ている私たちの考えも「我々のスタイル追及」へとかじを切る必要があるか。

我々のサッカーで現実問題昇格が達成可能なのか。
どちらを捨て、どちらを追うのかは現時点で不明だが、どちらにせよ修正が効くタイムリミットはそう遠くない。


・2度目の過ち

失点の後の焦りは結果が出てないことへの焦りだろう。
しかし、その焦りが自分達の首を絞めるという展開は過去にも経験してきたではないか。

水戸戦と同じように自分たちがプレーを変え、相手にとってやりやすい試合へと変えてしまったことがこの試合の一番の反省点である。
フィールドの選手が修正出来なければベンチから声をかけるなど、チームとしてこの課題修正に注力しなければならない。

確かにショッキングな失点ではあったが、1試合2点を目指すチームであれば想定内。
次回以降は落ち着いてやるべきことをやる姿勢を貫いて欲しい。


・交代策

阪野交代後の国友負傷は誤算だったか。
クロスの的となる選手がいなくなったことで万事休す。
阪野→横山の交代はもう少し早い段階で行われても良かったと感じた。
結果的に長身の前線が不在となったとはいえ、ベンチ入りメンバーの妥当性は感じた。
横山をシャドーで使う算段が着いた場合は長身のFWを1枚入れる猶予も出来るので、少し我慢が必要な部分か。


・PKのプロセスについて

PKの判定自体は、橋内の体の向け方として、手に当たってもおかしくない状態であったことは間違いない。

主審の向きからは、橋内の背中が見える形にはなっており、ボールが当たった面が見える角度ないし、腕が胴体に隠れて腕に当たったか判別しづらい角度であった。
前者であれば、ボールが橋内にあたって勢いが吸収されることなく跳ね返るし、後者であれば橋内の胴体にボールが隠れることで判別可能か。
しかし、前が被っている可能性があり主審が見えていない可能性も残される。

そこで、副審の位置から見ると、篠原や野々村が被っていて、オフサイドラインもその両名の位置にあるため、おそらく副審からは見えていない。

そして、橋内にボールが当たって以降、3秒の間を置いて笛を吹き、PKの判定。

ベンチから村山が「抗議を受けて吹いたのでは」と言うのも分かるタイミングではあった。

残念ながら審判へインタビューすることは叶わないため、どのようなプロセスでハンド判定が行われたのかを知ることは出来ない。

難しい判定であることを理解した上で、前を向くべきか。

61分の松本がスライディングで外山からボールを奪ったシーン。

こちらはスライディングしながら顔の前に向かって手を振るような形で動かしている。
最終的に当たったタイミングでは顔の前のように見えるが、支え手でないことは明らか。
次に体を大きく見せたかどうかという判断基準がポイントになるが、そこで大きく見せたとは言えないという判断になったと思われる。
外山が1タイミング前で蹴っていれば、手を振りかぶっているタイミングと重なり、ハンド判定になる可能性があったが、この事象は(手には当たっているが)ハンドではない事象であると考えていいだろう。

次節甲府戦。
文句なしの快勝で鬱憤を晴らし、再び前へ進みたい。

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