『劇場版 呪術廻戦０』鑑賞レビュー
今回はkayserが担当します。
2021年12月24日より劇場公開が始まった『劇場版 呪術廻戦０』。公開から3日間で、観客動員数は約190万8000人、約26億9000万円の興行収入を上げたと東宝から発表がありました。この成績は、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編には届かず、歴代2位の結果だったそうです。
とはいえ、公開前から大に盛り上がり期待していたファンも多いはず。筆者もその１人です。ということで、早速、劇場に足を運んできました。今回は、そんな『劇場版 呪術廻戦０』のレビューをお届けしたいと思います。
『劇場版 呪術廻戦0』とは
『劇場版 呪術廻戦０』を軽く紹介します。「週刊少年ジャンプ」にて連載中の芥見下々によるダークファンタジー。今回の原作となったマンガは、現在連載中の『呪術廻戦』の前日譚『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』です。
主人公・虎杖悠仁が呪術高専に入学するその1年前。禪院真希、狗巻棘、パンダたちがまだ1年生だった頃、転入生として乙骨憂太が呪術高専に入学してきます。
彼は、特級過呪怨霊・折本里香に取り憑かれたことを苦に自殺を図ろうとするも里香に邪魔されます。五条悟が乙骨を引き取り、呪術高専で面倒を見ることに。
呪術師を目指す仲間と触れ合ううちに変わっていく乙骨。里香の呪いを解くとともに、成長していく彼の姿を描きます。また五条悟と因縁の夏油傑も登場し、非術師を殲滅し、術師だけの世界を作ろうとする夏油ですが......。
原作マンガの凄さを改めて思う
『劇場版 呪術廻戦０』を見終わって、まず「ああ、原作マンガが本当に素晴らしいんだな」ということを改めて感じました。筆者自身、もともと『呪術廻戦』のファンであり、もちろん原作マンガも既読だったということはあります。だとしても、『呪術廻戦 ０ 東京都立呪術高等専門学校』がいかによく出来た作品であったかは劇場版アニメの完成度の高さからもわかります。
基本的に物語は原作マンガそのままです。そこに映画ならではの要素が加えられていきます。今回の劇場版アニメもテレビアニメ同様、MAPPAが担当。今や飛ぶ鳥を落とす勢いで、数々の名作を世に送り出しています。
MAPPAが担当したことで、マンガの持つ魅力を最大限に引き出し、そこに映画としての表現を独自にプラスできたことは言うまでもないでしょう。
マンガの魅力と+α
『呪術廻戦』に限ったことではありませんが、マンガはその表現方法にして、すでに完成された作品です。あるマンガ原作者が、「自分の作品はマンガとしてすでに完成しているので、映像化する必要がない」と映画化のオファーを断ったという話を聞いたことがあります。
しかし、アニメ化や実写化をすることは必ずしもマイナスな面ばかりではありません。現に『劇場版 呪術廻戦０』にしても、多くのアニメスタッフ、声優陣、映画関係者の手により、素晴らしい作品が生み出されました。
アニメ化することで、画が動き、色がつき、登場人物がしゃべり、音による演出が施される。新たな魅力がいくつも積み重なり、ひとつに作品になっていきます。MAPPA制作によるアクションシーン、美麗な風景はためいきが出るほど秀逸。豪華声優陣による演技も予想以上の出来栄えに心が震えました。
さらに今回、映画オリジナルの要素も加わることで、より人間ドラマが感じられることに。コミックスには、そのオリジナル要素のヒントが隠されています。筆者も個人的に描いてほしかったところです。どの部分がプラスされたかは、ご自身の目で確かめてみてください。
また、原作マンガにもある要素を詳細に描いたシーンもいくつかみられました。これは原作ファンであれば、なおさら嬉しい+α。呪術高専の内部、寮や呪具倉庫など。こういう痒い所に手が届くところが映画ですよね！
また、この作品で初めて『呪術廻戦』を観るという人には、五条悟や夏油傑の関係性ははっきりわかりません。そんな人のためにも、把握できるシーンを追加。ここに、呪力で治癒する能力のある医師・家入硝子も加わり、3人の関係性も描かれています。
この3人もエピソードは、テレビアニメでも扱っていません。コミックスでは、第8巻から第9巻までの懐玉と玉折で描かれています。ご興味のある人はぜひ！
やっぱり声優陣が凄い！
乙骨憂太役の緒方恵美、折本里香役の花澤香菜といったメインキャラを筆頭に、テレビアニメでもお馴染みの声優メンバーが劇場版にも集結しました。今回は、主役の虎杖悠仁が呪術高専に入学する前の話なので、1年組の登場はありませんでしたが、彼らの１つ上の先輩たちが存分に活躍します。
呪術廻戦の声優陣は本当に演技が上手い人たちばかり。特に今回の劇場版は、メインの緒方、花澤の２人に関しては言うまでもありませんが、そのほか、禪院真希役の小松未可子にも注目してほしいところ。また、人気の棘先輩はおにぎりの具以外のセリフがテレビアニメ以上にあります。
また、五条悟役の中村悠一のアニメシリーズよりもさらに深い演技、夏油傑役の櫻井孝宏の悪役っぷりも秀逸。山寺宏一演じるミゲルもいい味出してます！
主題歌にも注目！
『呪術廻戦』は、テレビアニメ2クールにて、オープニングテーマ、エンディングテーマともに人気を博しました。これにより、劇場版への期待度も増していたところ、主題歌をKing Gnuが担当すると発表。
公開直前の予告編には、主題歌「一途」が挿入され作品の世界観をさらに彩ることに。劇場で改めて、この主題歌を聞くと、憂太と里香の思いがより感じることができます。彼らの純粋で一途な思い、愛を歌った名曲です。エンドロールで流れる「逆夢」もおすすめですよ！
まとめ
今回は『劇場版 呪術廻戦０』鑑賞後のレビューを紹介しました。ぜひおすすめの作品なので、多くの人に観てほしいと思います。
また、本編最後に描かれるエピソードが気になっているのは筆者だけでないはず。やはり『呪術廻戦』コミックスも読んだ上で劇場版を観ると、理解度も深まる上にさらに楽しめようになっています。
果たして、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編にどこまで追いつけるのか。そこも注目していきたいと思います！
kayser
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