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<よりみちコラム 森さんと「旅行」>/「ニューヨークから今、これから」イラストレーター 森 千章さん/公募インタビュー#3

(2020年5月下旬)

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自分の目で見ないと気が済まない

──森さん、いろんなところにしょっちゅう旅行されてたんですよね。

森さん 旅行が趣味で。
 名所を見るっていうよりも、生活の方に興味があります。現地の人は本当はどういう風に暮らしてるんだろうって。本とかメディアに書いてあることって本当なのかなって思って行くんです。自分の目で見ないと気が済まない。

──メディアに出ているものと、自分で見たものとにギャップはあります?

森さん うん、大抵あります。

 出す側は読んでもらいたいから、みんなが読みたいと思うことをフィーチャーするし、きれいな事しか書かないですよね。私もそうですけど、暗い部分って書くすごく気持ちが暗くなるから、取り上げるのは難しいと思う。
 私も、自分のことを描く時、苦労話とか大変だったことは取り入れるのが難しいなって描いていて思います。結果的に、読んで面白かったなと思ってほしいから。
 いきなりこんなに大変なことがあります、って描くよりも、生活をしていて感じたことだから、見ながらそういう風に感じてもらえるように描けたらいいなと思ってて。それが難しい。
 織り交ぜ方、何割描くかという感じかな。
 あと、「ローカル・ニューヨーク百景」を描いていて思ったのは、単純に、漫画って難しい(笑)。

好奇心が何にも勝る

──留学以前にも旅行が好きでした?

森さん 留学以前は学生だったからそんなに行っていませんでしたけど、親が割と旅行が好きな人だったから、一緒に行ったりしていました。あと、両親が共働きで、小さい頃は子供だけのキャンプとか子供だけの旅行ツアーとかに行かされてたから、そういう意味ではいろいろ行っていたかな。

──いろんなところに行くハードルは高くないのかもしれませんね。

森さん 英語が通じる国って少ないから、ヨーロッパとか行っちゃうと英語だとちょっとしたコミュニケーションしか通じないとこも多いし、だから、ハードルというより、好奇心ですね。

──言葉が通じないとかあるとしても、好奇心の方が勝ると。

森さん あとはなんか、自分の運試しっていう感じ。どう転んでいくかみたいな。旅行に行ってる時って、失敗してもいいやと思ってます、知っている人もいないし。

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民泊の使い方 森さんのポイント

──いつも一人で行かれるんですか?

森さん 大体一人だけど、妹とも行ったりします。ツアーではなくて個人旅行ですね、大抵。

──宿は?

森さん 宿は、Airbnbを使っています。いわゆる民泊、人のお家に泊まるシステムですね。

──そのお宅が留守の時に泊めてもらうとかでしたっけ?

森さん いない時もあるけど、空いている一部屋に泊まらせてもらい一緒に生活する、というケースもあって、そういう場合はそのホストの人が大抵英語でコミュニケーションができるから、地元の話とか聞いたり、状況を知れるから結構好きです。

──森さんの、現地の生活を知りたいという目的にかなってる感じですね。

森さん でもホストも人によっては全然話さない人もいて、全員とコミュニケーションできるわけじゃないけど。
 あと、私が思ってたのと違った、プロフィールの印象と違ったみたいな感じの時もあります(笑)。行ってみなきゃわかりませんね。そういうのをストレスに感じる人じゃなかったら、それも面白いと思います。

──民泊は、女性一人でも大丈夫なものですか?

森さん 大丈夫だと思いますけど、私は面倒くさいことに巻き込まれるのは嫌だから、一人で泊まるときは一応、女の人のところにするかな。もしくはカップルがホストのところ。
 あと、コメントを読んで、アジア系のお客さんを泊めた経験のあるところにしています。そういう、おうちをオープンにしている人だから差別はないとは思うけど、アジア系のことをあんまり知らない人のところよりはスムーズだと思うから。

聞き取り:インタビュアー田中

*イラストはすべて森千章さんご本人の手によるもの。記事内容に合わせ選んでいただきました。クリックすると大きいサイズで見られます。

森千章さんインタビュー記事まとめはこちら
(公開した記事から収録していきます)

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 インタビューされたい方から応募いただき、インタビューするシリーズ「インタビュアー田中の公募インタビュー!」の第3回は、イラストレーターの森千章さんにお話を伺いました。

森 千章(もり ちあき)さん
米国NYの美術大学、Parsons School of Design イラストレーション学科卒業。卒業後NYのイラストレーター・エージェンシーに勤務し、帰国後は同エージェンシーの日本事務所代表、米系化粧品会社の制作部勤務等を経て独立。手書きの風合いを大切にした女性らしいタッチと都会的でスタイリッシュな作風が注目され、現在、雑誌・書籍・広告・Webなど幅広いメディアで活躍中。(森千章さんHPより引用)

※インタビュアー田中の発言の前には──が付いています。
※個人的な経験と記憶に基づいたお話です。事実、あるいは現状と異なる箇所があるかもしれません。
※今回は森千章さんの活動内容を踏まえ、ご本人の同意のもと活動名を掲載しています。(普段は匿名のインタビューを基本としています。)

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