宅建士と行政書士の難易度は人によるのでは?

宅建士と行政書士の難易度は人によるのでは?

海の民

 宅建士と行政書士を比べると、一般的に、合格率から見て行政書士の方が難しいといわれます。たしかに、15%と10%弱と明らかに差がありますし、受験者数も圧倒的に異なります。しかし、場合によっては、行士の方が簡単だと感じる人もいると思います。数字に現れない各試験の性質の違いがあると感じます。

 宅建でいう「権利関係」は民法が中心で、行士でも主要科目です。行士では、さらに、憲法・行政法・商法が並びます。対する宅建は、不動産登記法、区分所有法、区分所有法など。
 まったく方向性が違います。と言って共感していただけるのは、おそらく法学部出身者・在学者でしょう。そうです、行士の法律科目って法学部で必ず習う科目ですよね。それに対して、宅建の不動産登記法や区分所有法って民法の講義の中で存在は触れられることはありますが、内容を習うことはないし、講義もまず存在しません。(ちなみに、民法の中で「登記が対抗要件」とかいって出てくる「登記」の、具体的な手続きを定めているのが不動産登記法です。司法書士試験の主要科目になっています。)
 おそらく、法学部ではない人からすると行政法も不動産登記法も同じく馴染みないと思います。むしろ、社会人にとって行政法より不動産登記法の方が多少馴染みがあるかもしれません。

 さらに宅建では、宅建業法、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法などの「法令上の制限」、固定資産税や登録免許税などの「税・その他」が出題されます。これらを大学で習ったという人は、建築系を除けば皆無でしょう。社会人だと業界によっては触れるでしょうけど、学生はまったく想像もできないような法令だと思います。
 対して、行士でも一般常識みたいなものが出題されますが、公務員試験でいえば「教養試験」、ぶっちゃけ大学受験経験があれば遠い記憶を少し蘇らせれば十分って感じです。公務員試験の参考書1冊やっておきましょうってレベルです。

 全体的な印象として、具体的・実務に近い内容が多いのが宅建、抽象的・学問に近い内容が多いのが行政書士試験という感じがします。行政書士試験に憲法があるのが象徴的なことだと思います。

 以上を考慮すると、学生、特に法学部生にとっては圧倒的に行政書士試験の方が簡単に感じるはずです。公務員試験受験生も同様。それに対して、宅建は馴染みがない分野が多く厳しいと感じると思います。社会人でも(業界によると思いますが)、法学部出身者は概ね行政書士の方が簡単に感じると思います。あとは、具体的で細かい規則を覚えるのが得意か、抽象的な話が好きかとか…。

 もっとも、独立を目指す行政書士と、社内で資格を活かす宅建で、資格の性質がまったく違いますので、簡単そうだからどっちを取るという人はあまりいないでしょうね。考えられるとすれば、とりあえず法学系の資格を何かしら…という学生や社会人の方でしょうか。そういう場合、どちらが自分の肌に合うか、参考書を眺めてみるといいと思います。できれば同じシリーズ(「みんなが欲しかった」とか)のを見比べると、こっちの資格の方がとっつきやすそうというのが分かると思います。

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海の民
国際法とか国内法とか資格とか? 基本的に前後の記事には脈絡ないです