エピソード1-4 おもしれーやつ

すっかり夏である。まだ7月上旬ではあるがとにかく熱い。広々とした明治通りは直射日光をこれでもかと受け、西早稲田駅を出た私の体を焼こうとする。仕事でない日は何故か無意識に早く行動してしまう私。地下鉄出入口直結のマンションとはいえ、集合時間までは少し時間がある。仕方なく日陰で待つ。

Amway商品のレクチャーを受ける為、マッチングアプリで知り合った彼女と共に先輩の家へ訪れた日だ。普段なら楽しみに胸を膨らませている筈の私も、この日ばかりは暑さにやられ億劫が勝っていた。

彼女と合流し、エレベーターに乗って先輩の部屋へ。後で分かった事だが家賃は月10〜15万。比較的真新しい物件で早稲田エリアなら安い方ではないか。知らんけど。冷房の効いた部屋で水を頂く。

挨拶も程々に本編へ。まず見せられたのは歯ブラシ。市販の物とAmway製の物をそれぞれティッシュに軽く擦り付ける。なるほど、比較実験とはさては理系だな。前者はテッシュが崩れたが、後者は何ともない。先輩は「歯に負担をかけない証拠」と説明し、併せて「ウチの歯磨き粉は研磨剤が入ってないから歯ブラシ同様歯に優しい」と誇らしげに説明する。Amwayが凄いだけなのに自分が凄いかの様な言い草が面白い。

次は食器用洗剤。これもまた比較実験。2枚のプラスチック板に油性ペンで文字を書き、市販の洗剤とAmway洗剤それぞれを垂らし指で擦る。汚れが浮いてきた所でティッシュで拭き取り。前者は汚れが残るが、後者はすっかり綺麗になっているではないか。これはなかなか凄いなと感心していたら「この洗剤は水で希釈して使うんだよ〜」と付け加える。えぇ…薄めるんだ。原液で実験したのに?と思っても口には出さないのが美徳。

この食器用洗剤、実はまだ秘密が2つあるらしい。1つ目は“油を分解して消すことが出来る”ということだ。ボトルに水と少量の油を入れ、更に洗剤を入れてシェイク。すると浮いていた油が消えているではないか。おやおや質量保存の法則はいずこへ。仮に分解出来たとしても油が消えることは無い筈だ。恐らく本来の効果を曲解しているに違いない。

そして2つ目の秘密は水切れが良く速乾性があり“体内に入っても安全である”ということ。市販の洗剤は水の切れが悪く乾きにくい。その為食器に洗剤が残り、食事の度に食器に残った洗剤の有害な物質が体内に蓄積されてしまうが、Amwayはそんな心配は無い上に仮に体内に入っても無害である、と先輩は解説する。成程洗った食器が洗剤臭いのはこの為か。こうして水俣病の様に蝕まれてしまう訳だ。さて、では後者はどうか。乾きが早く、油を分解し、更には油を消してしまうという代物を果たして人体に無害と納得し得るだろうか、いやない(反語)。たかが食器用洗剤にこれらの効果が本当に備わっているとすれば、人の健康を害する何かが含まれているのは明白だろう。その点の詳細が欲しかったがそれとなくフワッとした説明で次へ進んだ。詰めが甘い。飲め。

日用品の紹介が終わり、次に料理のパートへ。Amwayのフライパンと調味料を使って食事を提供してくれるらしい。要するに商品紹介によって私はタダ飯を得る訳だ。タダで貰える物は取り敢えず貰っておくのが私。当然有難く頂こう。

とはいえここまで少し長く書いてしまった。1度区切りをつけて料理については次回記すことにしよう。

更新をお楽しみに。

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