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【中国語講座】标点符号


今日は直接中国語の話ではありませんが、知っておくべきパンクチュエーションについてお話したいと思います。

それぞれの言語には、それぞれのパンクチュエーション(句読点等の打ち方)があり、地味ですが知らないと意味が伝わらないこともあるかもしれません。句読点等のような文章記号のことを、中国語では:

标点符号
biāodiăn fúhào

と呼んでいます。日本語で使う記号と同じものもありますが、用法が違ったりします。

まず、文の最後に打つ記号は、日本語と中国語は同じです。

「。」・・・句号jùhào

文の区切れで打つ記号はどうでしょう。日本語だと「、」か「,」ですね。中国語では:

「,」・・・逗号dòuhào

そして、文中で複数の単語が並列で並ぶときに使う記号があります。日本語にはそういう記号はありませんね。中国語では:

「、」・・・顿号dùnhào

この“逗号”と“顿号”の使い分けが分かっていない人(気づいていない人)が結構多いようですが、皆さんはご存知でしたか?「AとBとCとD」というふうに単語を並列したい時、中国語では“顿号”を使ってこういうふうに書くのです:

A、B、C和D

この「、」と「,」ははっきり使い分けがありますので、文章を書く時には気を付けたいですね。

さて、ところで、誰かの発言を引用する時、日本語ではカギカッコを使いますが、中国語では?

「“ ”」・・・引号yĭnhào

英語で使うダブルクォーテーションマークですね。でも、使い方が実はちょっと特殊です。

短い文を引用する時は英語と同じように引用部分の前後に引号を打ちます:

“※※※※※※※※※※※※。”

しかし、2段以上にわたって引用する場合は、ちょっと不思議な書き方になります。

“※※※※※※※※※※※※
“※※※※※※※※※※※※
“※※※※※※※※※※※※。”

そう、最後の段以外は始まりの引号のみ打ちます。最後の段だけ前後に引号を打つのです。これ、慣れていない人が見ると印刷ミスのように見えてしまいますよね(笑)。

中国語は意外と色々な記号を文章中に使うので、きちんとした文章を書く場合はちょっと気を付けなければなりません。興味のある人は中国の公式のルールブックがありますので見てみてください。

通訳・翻訳家 伊藤祥雄
1968年生まれ 兵庫県出身
大阪外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業、在学中に北京師範大学中文系留学、大阪大学大学院 文学研究科 博士前期課程修了
サイマルアカデミー中国語通訳者養成コース修了
通訳・翻訳業を行うかたわら、中国語講師、NHK国際放送局の中国語放送の番組作成、ナレーションを担当
「文法から学べる中国語」等、著書多数

2021年5月までの記事は弊社の「翻訳コラム」でお読みいただけます。