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デザインツールとしてのプログラミング

文責:すずき(企業内デザイナー)

企業内デザイナー、いわゆるインハウスデザイナーを生業としています。ここ数年の間に、日本の会社でも「デザイン」の意味が拡大し、役割も多様になってきているようです。

私はその中で、「デザインエンジニア」という肩書きをいただいて仕事をしているのですが、いろいろと思うことがあるのです。

デザイナーの中では「エンジニア」のような振る舞いをし、それ以外(特にエンジニアの中)では「デザイナー」として振る舞います。ただ、中の人が同じなので言っていることや、やっていることは基本的に同じです。

「デザインエンジニアとは一体何者なのか」という「?」マークが会社の中で色々な人の頭の上に浮かんでいます。私も同様に。

これは、「デザイン」を明確に定義できないのと同じなんですよね。以前、Twitterで「デザイナーの仕事の領域が広すぎて、同じ『デザイナー』でもやっていることが違いすぎて同業種と言えない」と言っている人を見かけましたしね。

私の会社や、最近の風潮として「プログラミングと電子回路が組めるデザイナー」がデザインエンジニアと言われている印象があります。もちろん、そういう人材という認識で構わないのですが、それがあまりにも特異な存在のように扱われるのは違うと言いたいです。

私にとって、プログラミングを書いたりセンサーやモーターなどを繋ぐことは、形を描いたり、体験価値を考えたり、アプリの画面を作ったりすることとなんら変わらないと思っているのです。

プロダクトデザイナーがパソコンでNXやRhinocerosなどの3D造形をしたり、UIデザイナーがAdobeのXDでアプリの構成などを考えていることをArduinoやRaspberryPiなど開発用マイコンボードで実装させて動かしているだけだと感じているのです。

手書きでスケッチや図面を書いていたものを、パソコンで描くようにもなったように、デザイナーの扱う道具が1つ増えただけのことなのです。

デザインエンジニアに理解のある人ほど、その肩書きはあまり気にしない方が良いと言ってくれます。

不思議な職業「デザイナー」は時代に合わせて変化し続けるのです。

ポケモンのメタモンのように。

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