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[科学]脳科学者が教える!ちょっとおもろい脳の雑学~脳の誕生から老化・男女脳など~

今回は、脳科学者が教える脳の機能について紹介します。
脳は何歳から出来るのかや男女の脳の違いなど、脳科学者の視点で紹介しますので、面白いかと思います。
脳を知れば今まで体感的に感じてきた疑問に納得の回答が得られます。
雑学としても面白いので、ぜにご覧ください!


1.脳は産まれる前から完成している!?

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人間の脳はあらゆる生物を凌駕するくらい非常に高性能です。
これほど複雑で多様な情報処理をこなす脳は人間以外獲得できていません。
多彩な言語を扱い、理を解き数学的に真相を解明し、言葉以外の情動すら感じとる脳を人は意識せずに使っています。
先天的な病や事故などで一部機能に違いが出たり、特異的に能力が強化されることはありますが、基本的に人間の脳に性能の差はありません。

では、一体この脳は何歳から成長を始めるのでしょうか?

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脳が作られ始めるのは受精から約3週間後です。
形と機能を構築するために神経管の形成が始まり、そして大脳や脳幹などに分化していきます。
この分化とはその部位に特異的な機能を持たせる為の成長の事だと思ってください。
分化はどんどん進んでいき受精から約20週間程度で機能としてはほぼ完成します!

脳は、私たちが母親のお腹の中にいる時には既に完成していると言う事です!
こういう知識は余り知られていませんよね。

2.脳に老化はあるが成長に限界は無い

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脳の構造自体が受精から20週間程度の胎児の時に完成する事は分かりました。
しかし、構造が完成しても胎児はお腹の中で話したり、意図的に移動しようと動き回る事は出来ませんよね?
機能は完成したが、まだ脳の機能をコントロール出来ていないからです。

喋ったり、歩いたり、走ったりと様々な動作を意図的に行ったり、相手に対して感情を抱いたりするのは、出生後に受ける様々な刺激や経験を得て獲得していくものです。
幼少期から成人になるまでに様々な経験をする事で脳の使い方を覚えていき、スポーツや学業などに秀でる事が出来ます。
これは、決して脳が出生後に神経細胞が増えて成長した結果ではありません。

脳の構造的な成長は胎児時代に完成していて、その後は再編成を行いながら20歳前後まで神経細胞の数は変わりません。
この神経細胞は大体40歳前後で減少し始めますが、人間の神経細胞は事故や病気などによる要因を除けば爆発的に減少する事はありません。

ただ、歳を取ると記憶力が衰えたり、新しい事に対する適応力が減るとよく聞きますよね。
これは、脳の衰えと言うよりは実は脳の使い方に原因があるのではないかと最新の脳科学では言われています。

今注目されているのは海馬から出るシータ波です。
海馬からシータ波が出ると記憶貯蔵作業がスムーズになり記憶しやすい状態になります。
このシータ波は新しい事を模索したり、興味がある事を行っている時に多く出されます。
ただ、このシータ波の有無が大事なのは脳の衰えが始まる中年世代からです。
若い時はシータ波の有無にかかわらずに記憶に留める事が割と容易に行えます。

学生時代とか大嫌いだった英単語の暗記を嫌々ながら何回か書いたりしているうちに何とかテストまでに暗記できていましたよね?
でも、大人になり大学を卒業して社会人になってくると、学生時代に出来た暗記が難しくなってくる。

状況は人それぞれですが、若いころと記憶力に差があると感じた方は多いと思います。
その原因が脳内の変化にあります。
若い頃はシータ波を伴わない作業も根性で何とかなりましたが、歳を重ねるとシータ波を伴わない記憶は定着しにくくなる事が最新の研究で明らかになってきました。

先ほども少し言いましたが、シータ波は自分が興味がある事に対して多く分泌されます。
つまり、全くの無意味(無関心)だと思ってしまってる時点で、その勉強時間は無駄になります。
会社のテストや試験勉強などが頭に全く入らないのは、こうゆう脳内の仕組みがあるからなんですよね。

脳内の変化を理解したうえで、新しい技能や知識を身に付けるには、人から言われて強制的にやるのではなく、意味を理解したうえで自発的な学習が必要とないります。
勿論、大人はこの方法を知らない時点でアウトですが学生など、まだ若い世代にも学習の目的と意味を考えて学ぶことは絶大な効果があります。

その際に参考になる記事を紹介しますので、お時間がある方はどうぞ。

(無料記事)

(有料記事)

脳の老化による影響は少なからずありますが、しかしシータ波を伴う記憶力は若い人とそこまで大差はないと言う実験結果がありますので、記憶に関してはテクニックが重要と言う事を科学が解き明かしています。

50歳を超えてから東京大学に入学した主婦や80歳を超えてから4ヶ国語をマスターした高齢者など調べれば、何歳からでも新しい知識を身に付ける事が可能だと分かります。
脳の老化は40歳前後から始まりますが、その後でもテクニック次第で問題なく記憶力を保てますので、安心して下さい。

新しい学習を行う事で何歳になろうとも、脳内は新たなネットワークを構築して対応してきます。
そういう意味では、脳の成長は一生出来ると言う事は科学的に正しいと言えます。

3.男女で脳の違いがあるは本当?

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よく男女で脳の構造的な違いがあると言いますが、脳科学者の見解としましてはウソです!
脳の構造的な違いは殆どない事は科学が証明しています。

しかし、男性と女性の間には考え方の違いや情報の処理の仕方に違いを感じる事は多いですよね?
これは一体何故なのだろう。

この問題は脳科学界では非常に古くから議論されてきた題材で、様々な論文により男女の脳の使い方に違いがあるのではないかと示唆されています。

脳波を分析すると男性は情報を右脳もしくは左脳のどちらか一方のみで処理する傾向を示したのに対して、女性は右脳と左脳両方を使い情報を処理する傾向を示しました。
脳の領域を集中的に使う事が得意な男性脳幅広く使う事が得意な女性脳と言ったところでしょうか。

実際に男性は地図を読んだり空間把握タスクが得意な傾向が高く、女性は表情の読み取りや嘘の見分けなどの非言語的なタスクが得意でした。
こういった違いは脳の使い方の差が影響していると考えられています。

では、この脳の使い方の差はいつから身に付くのでしょうか?
実は胎児の時には既に男女の脳の違いが現れる事が分かってきています。

受精後約7週間ほどで胎児に生殖器が誕生し始めます。
その時点では、脳の状態は男女ともに女性脳に近い状態と言われています。
しかし、大体14週間を経過後男の子の場合、アンドロゲンと言われるホルモンが分泌され、そのホルモンが分泌されると胎児の脳が男性脳へ変わっていくことが動物実験の結果判明しています。

この時に母体がストレスや栄養不足に陥ると正常なホルモンが分泌行われない場合があり、胎児に影響が出る可能性が危惧されています。
実際に人間による実験データは倫理的に収集しづらいが妊婦が栄養や環境に特段の注意を払う必要があるのは間違いないでしょう。

子育て、出産前にも非常に役立つ栄養についての記事もありますので、お時間がある方はご覧ください。

(無料記事)


4.まとめ

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脳について少しお話ししましたが、どうですか結構面白いでしょう?

脳を知れば、老化すると記憶が低下する理屈も納得ですよね。
その理屈が分かれば対処が可能なので、ぜひこの記事を読んでもらい活かして下さい。

私自身も脳科学を専攻する研究者なので、こういった少し知識のいる話を上手くかみ砕いて紹介できればと考えています。
脳科学は非常に身近で、役に立つ知識が沢山あります。
また、機会があれば紹介したいと思います!

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