日本では一般的に、ベルトや帽子、靴やストールなども含めて「アクセサリー」と呼んでいて、リングやピアス、ネックレスなどは合金や真鍮、スワロフスキーなど、素材にその制限がありません。車の車載ツールなどもアクセサリーと言ったりしますよね。

「ジュエリー」になると金、銀、プラチナやダイヤモンドなど限られた素材を使っているものを言いますが、シルバーなどはその境目が曖昧であったりします。

海外ではベルトや帽子なども含めて全部「jewelry」です。わかりやすいですね。高級なものは「fine jewelry」、ヘアアクセサリーとかパーティーアクセサリーは「costume jewelry」と呼ばれることもあります。

僕は学生の頃、当時大流行していたいわゆる「シルバーアクセ」にはまり、彫金教室に通いだして、そこから約20年くらいになりますが、場所を変えジャンルを変えながらも、ずっとアクセサリー・ジュエリー業界に関わってきています。

仕事にしている以上は趣味のようにただただ没頭したり気楽に楽しんだりはあまりできないのですが、これだけ飽きずに続けているのだから何だかんだ好きなんだと思います。

その間は取り扱うモノとしてはアクセサリーだったりジュエリーだったりしたのですが、毎度このカテゴライズが面倒かつ無意味に感じていて、海外のようにjewelryが統一呼称にならないものかと思っています。

身に着けるもの、人それぞれに好きなデザインがあって、着けると気分が上がり、自信がついたり気持ちが豊かになったりするのなら、素材が安かろうが高かろうがその人にとっては最高の逸品なはずで、確かに作りが粗くて壊れやすかったら永く着けられなかったり、安いものだから気軽に買い替えたりトレンドを追ったりしやすいとかはあると思いますが、ジュエリーがアクセサリーに比べて本質的な価値も勝っているとか、私たちはジュエリーしか扱っていません!えっへん!みたいなのはいやどっちでもええやろと思います。

洋服は流行が激しく、素材やデザインも極めて多様で、体型も指や手首よりは変化しやすいものです。靴やカバン、財布も消耗品です。(味も出るのでそれもまた良いのですが、いつかは使い続けるのが厳しくなってきます)。ジュエリーはトレンドに左右されにくく、半永久的に残る特殊な性質を持っています。

そして、およそ衣食住の「衣」において最も肌に近い繊細な存在にもかかわらず、最も「なくても生活に支障がない」のが身に着ける装身具=ジュエリー、アクセサリーです。腕時計は時間を見るという重要な機能があります。ジュエリーは持ってなくてもぜんぜん困りません。

だからこそ、人はそこに夢を見て、特別な思いを込めたり一日のはじまりのスイッチにしたり、親から子に受け継いだりします。だからこそデザインを入念に吟味するし、自分だけの刻印や誕生石を入れます。

そこに値段の高い安い、ブランドがすごいすごくないはあまり関係ないと思うのです。だから、普段あまり着けない、ジュエリーって敷居高そう、男だからいやーといった皆さんも、ぜひ露店でもH&Mでも貴和の手作りキットでも良いので、お気に入りの一つを見つけて着けてみてください。

ディズニーランドでも近所の公園でも、子供にとって大切な思い出になるのには変わりないのと同じじゃないかなあ。

で、何で日本ではジュエリーというと構えがちなのか、というと歴史が影響大きいと思っていまして、そのお話はまた今度。

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