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SaaS導入時に考えるべきこと

提供側でもあり利用側でもあり、経験や学びを発信している者として色々考えていることを書き出してみました。これが正解だというよりは私のひとつの考えなのでそういった視点でお読みいただけると幸いです。
※頭の整理途中なので時間みつけてアップデートする前提のVer 1.0です。

結論
業務の仕組みづくりと組織の仕組みづくりは似て非なるもの。ただ関係性がものすごく強くて引き離せないけど混同してしまいがち。ベンダーとユーザーのギャップはこのあたりが大きいよね、みんな気をつけようねという話。

こんな方に読んでほしい

・仕組みを含めてその企業のSaaS導入を考えている
・SaaSを提供している
・自身の経験を体系化して展開している、考えている

SaaSを活用するために必要な2つの仕組み

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すでに存在する業務の置き換え、最適化というSaaSもあれば、新しい概念や考え方、業務フローをそちら側にあわせて利用するようなSaaSもあると思います。前者であればそこまで懸念することはないのですが、問題は後者の場合です。ステークホルダーによって理解や思想が違う、そのすり合わせができていないなどの問題もありますが、シンプルに「違う価値観、文化で構成された別の企業においてツールや仕組みだけ持ち込んでもうまくいきません」ということです。一見すると当たり前なのですが自分の整理のためにも少し整理してみました。

組織の仕組み化が考慮されていない場合がある

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例を出して私の頭の中をご説明すると例えばSFAやMAの場合ですが、ベンダー側の体制やカルチャーを以下のように設定してみます。

・SFAに情報を記録するのが当たり前
・その情報を元に評価される仕組みになっている
・情報を入力しないことは良くないことであるという文化
・各役割に応じた評価、報酬制度が整備されている

このあたりが組織の仕組みの一部だと考えています(あくまでも一部なのでもっとたくさんあります)。導入時にここまで考えるのはかなり大変ですよね。。。

規模による難易度の違い

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もう一点、規模による違いも活用に大きく影響する点だと考えています。もちろんですが関わる人数が少なく、企業の歴史が浅い(=これまで積み上げてきた成功、経験、練度など)場合は比較的変化しやすいのではないかなと思います。これも組織の仕組み化に影響する部分なのでその分変数が大きくなっていきます。

それぞれの仕組みをどう捉えるか

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業務の仕組み化 1.オペレーションマネジメント

ここでいうオペレーションマネジメントとはまさに仕組みそのものを指しています。外部から持ち込むのであればそのモデル、もしくは内部であらたにモデリングしたものです。流れとしてはモデリングする(もしくは輸入する)→導入する→カイゼンする、となります。ここが◯◯モデルやナレッジとしてよく語られる部分だと思います。みなさんご存知THE MODELもこれにあたります。

業務の仕組み化 2.KPIマネジメント

仕組みは事業成長や業績、コストなど様々な目的に応じて導入されるはずですのでその評価が必要になります。また、成果を出すために必要な考え方であるKPI設計ですが事業が健全に進捗しているかなどをヘルスチェックするモニタリングと、業績にヒットする最重要指標として設定するKPIには差分がありますのでわかりやすい例をおいておきます。KPIは他社に聞いてみるのも良いですが結局は事業フェーズや状況によって変わっていくので「KPIはどのように設定していますか?」と質問するのが良いと思います。

業務の仕組み化 3.戦略マネジメント

SFAであればターゲティングというのがわかりやすいと思います。例えば受注から分析して「受注率」と「継続率」で四象限に分割、受注率が高く継続率も高いお客様が第一優先となりますが、次はどうするのか?など。そもそもこのターゲティングに必要な情報は何で、どうやって設定するのかなどが営業戦略においては重要になってきます。また、戦略も場面場面で変わってきますので定期的に戦略の振り返り、問題の発見、解決するための打ち手を考えていくわけですが、ではそのSaaSベンダーはどうやってその絵を描いているのでしょうか?この部分まで現場の営業の方々が理解しているパターンは50:50ぐらいでしょうか。SaaSを仕組みごと導入して活用し続けていくためには戦略を描くところまでが必要になってきます。※まったく関係ないですが名著おいておきます。

オペレーションとKPIだけ入れても再現性は低い

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実施に手を動かして実行するのは人であり、その人が従うものは文化です。この文化づくりなしにルールを設定したところで本来の効果は得られません。むしろルールだけが先行すると反発が起こりますし、その仕組みは形骸化します。ですからSaaSのように「簡単に契約できていつでも解約できるもの」とはいえ仕組みごと導入するようなプロジェクトの場合には、オペレーションやKPIの考え方だけではなく、その上段にある戦略の描き方や組織の仕組みづくりまでヒアリングし、それが実行可能か否かを判断すること(もしくはそのリスクを十分に理解すること)が重要であり、考慮すべき事柄であると考えます。

また、ナレッジや経験などを体系化し共有する、もしくは自身のスキルとしていく場合にはその組織がもっている文化などの前提条件を理解しておくことが必要です。そうでないと失敗します、私は失敗しました。

SaaSの場合はドックフーディングといって自社が世界一活用している企業であり、日々の製品開発にも役立てるという考え方がありますし、大きの企業が実践していると思います。ですからその企業の活用を現場だけではなく、経営層や詳細なオペレーションに至るまでヒアリングし尽くして自社との差分を認識しておくことこそが必要なのです。

ということでとくにまとまりのないnoteになりましたが、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。スキ!やシェアしてもらえると嬉しいです。また、仲間も絶賛募集中なのでこんなことを一緒に考えてくれるひと、ぜひDMください。

参考:digsas Partners

オペレーション部分のすり合わせだけでも大変ですよね、というのと業務解像度上げていくとカルチャーギャップもわかったりするのでこんなアプローチもありですよね。


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