見出し画像

インサイドセールスの採用について

インサイドセールス系のセミナーなどで絶対に聞かれる質問、それが採用についてです。また採用はする側だけの話ではないのでされる側についても言及していきます。
また、ここでは社内異動には触れずに外部からの採用に特化した内容にします。異動含めた話は本でも書きます。

インサイドセールスは不足しているのか?

スクリーンショット 2020-01-27 20.45.26

急速にインサイドセールスのニーズが高まっていますが経験者の母数はそこまで多くありません。つまり、獲得競争は激化の一途です。
しかし実行者と管理者はインサイド未経験でも問題ありませんし、チームメンバーが増えてくれば内部昇格も可能です。
今回はすべて採用で考えた場合の設計者、実行者、管理者にわけて解説していきます。

①設計者(最初の一人、絶対に経験者)
②実行者(プレイヤー、インサイド未経験でも良い)
③管理者(マネージャー経験あればインサイド未経験でも可)

まずは①の設計者から具体的に紹介していきたいと思います。
設計者を3つのレベルに分けて考えてみます。

①設計者

レベル1 部門の各種数値設計が可能(行動指標、KPI/KGI設計できる)
レベル2 マーケティング、セールス部門との合意形成ができる
レベル3 発生する不具合に対して計画的に事前対処できる

よく言われる"設計できる人"ですが上記のような3段階になります。
よく出るワードに”立ち上げ”というものがあるのですが採用する際はそこの見極めが重要になります。
※これは優秀云々ではなく貴社にとってどんな人材が必要かという話です。

レベル1は数値設計です。
もちろんこれができなければ組織を任せることはできません。
しかし、ある程度経験があればこれはできてしまうのです。
ですからここをいくら面接で言及したところでなにも得るものはありません。

例)とある面接でのやりとり
「ではどういった数値設計で実行していたのですか?」
「必要受注数からの逆算。案件数→商談数→着電数→架電数です。」
「なるほど。(計画的に実行してくれそうだな!)」

はい、そうです。この会話ではなにもわかりません。
というかそんなにうまく行きません。
逆に貴社が求める人材が"主要な指標は決まっていてとにかくその数字を追いかけてくれる管理者"を求めているなら最適な人材かもしれませんが、おそらくこの経験だけではインサイドを立ち上げることは難しいと思います。

レベル2は前後部門との合意形成です。SDRおよびBDRの場合は商談を引き渡すところまでが主な役割になりますので、一部門で完了できません。
ですので必然的に前後部門との折衝が必要になります。

-マーケティング部門-
・マーケティングリードの数と品質、オペレーションについて
・転換率と絶対額での目標設定と調整
・イベント、展示会の出展計画と人員配置
・CRMの設計、運用、改修について(コンテンツ含む)

-セールス部門-
・営業戦略を受けて供給量の調整
・パス条件と案件化の定義
・双方の個人、チームでの転換率の差異とアロケーション
・コミュニケーションストレスの解消

簡単に思いつくだけでもこれだけの折衝が発生します。さすがに同時期に立ち上げからここまでを経験で補うことは難しいため、フェーズをわけて立ち上げるか、同時進行であればやはり経験者を採用するしかありません。
ですので面接では上記に該当するようなことを聞いてみましょう。

例)
「対外部門との折衝経験はありますか?」
「なにか象徴的なエピソードやテクニックがあれば教えてください」
「その中でもっとも苦労したことはどんなことでしたか?」
「もし初日に戻れるならどう始めますか?」

レベル3は少なくとも2社以上(社内外問わず)、もしくは3年以上IS組織に携わった経験がないと難しいのではと思います。※個人の感覚です。
IS組織に限らないと思いますが、組織の立ち上げや運営には大小様々な問題が発生します。これについては発生してからでは遅く、発生しないようにどうマネジメントできるかで組織運営が格段にやりやすくなります。

例えば”1日50架電してください”という数値を設定したときに起こるのは"履歴の不正入力"です。17:50に40件だったメンバーが終了時刻の18:00になったときには50件になっているのです。もちろん絶対に発生するわけではないですが数字に対するコミットが強い組織であればこそ危険性があります。
ではどうすればいいか。発生する前提で業務設計を行うのです。発生し、指摘を行うことになればそれなりの影響があります。
採用候補者がこのスキルを保有しているかどうかはネガティブな質問である程度わかります。加えて、失敗経験の多い人は引き出しも多く、それだけ多様なチャレンジをしてきた人と言えると思います。

例)
「人数を拡大したときに起こる不具合にはどんなものがありますか?」
「リードが減少してきた場合、どんな打ち手で打開しますか?」
「これまでの失敗経験と内容を教えてくださいますか?」

②実行者

次に採用すべきは②実行者(プレイヤー)です。もちろん経験者を採用するのが一番ですが未経験でも十分に活躍できますので両方書いていきます。

対象人物(経験者の場合)
・CRMを使っていた経験がある
・MAが使っていた経験がある(設定できなくても良い)
・量ができる

CRMを使ってきていないインサイドセールスは情報資産という考え方が弱い傾向にあります。この文化を変えるのはかなり大変なので避けたいところです。MAの経験は必須ではありませんが、知っているのと知らないのとでは発想力に圧倒的な差がでます。
量ができる。もうここに全てが集約されてるんじゃないかと。ただこれは単純な意味ではありません。量ができるとういうことはオペレーションが洗練されている、かつ質に振ることもできるということです。
CRMやMAを使ったインサイドセールスは工数がそれなりに多く、情報や営業が増えると重複チェックにも一定の時間が必要となります。それでも量ができる人は無駄が少なく効率的に業務を遂行できている可能性が高いです。

対象人物(未経験者の場合)
・高額商材や接客接遇にこだわっていた経験がある
・圧倒的な量で勝負してきた実績がある
・他責傾向がない人物
・論理的思考力がある人物
・大手相手のBDRは大手相手の営業経験

以前活躍していた先輩はホテル業界出身、直近で活躍していたSDRはブライダル業界出身でした。
ホテル業界出身の方はやはり接遇が身についていますから電話の向こうのお客様の表情が想像でき、顧客に提供すべき価値について自問自答できます。
そんなホテル出身の方に営業スキルを加えたのがブライダル業界の方です。
まず商品が高額、ステークホルダーが複数、提案が複雑で長期間の商談。どれをとってもインサイドセールス向きです。対応する量も多く、胆力も強い方が多く在籍されているため、向き不向きでいうと圧倒的に向いています。

そしてインサイドセールスとして絶対にあってはならないのが他責傾向です。なぜか?それはSDR/BDRは言い訳できてしまう仕事だからです。

・リードが悪い/少ない
・フィールドセールスの能力がないから案件化しない/売れない
・未達だったのはマーケ/フィールドセールスのせいだ

ここまではっきり言う人は少ないかもしれませんが、こういったマインドを持っているとその他の人間環境にも影響しますのでおすすめしません。
ではどのように見極めるか?

質問例
「あなたは同期の中で何番でしたか?」
「ではあなたよりも上に2人いたんですね。その二人との違いは?」

悪い回答
「テリトリーですね。あそこ持ってたら僕がトップでしたね。」
良い回答
「巻き込み力ですね。彼はそこが圧倒的でした...。」

かなりシンプルに書いてますが、こういうことです。
面接は自分を大きく見せる傾向にあるのである程度は許容できますが、本質的にこういった思考性の方は向かないと思います。

そして論理的思考力。これはどの職能でも必要ですがインサイドセールスには特に必要です。多くの数字とデータを扱いながら最適解を求める仕事なので数字に弱い、思考の持久力がないというは致命的です。
注意しなかればいけないのはコミュニケーション能力が高い人を思考力が高いと勘違いしてしまうことです。

質問例
抽象「できる営業ってどんな要素で構成されていると思いますか?」
具体「現在のKPIとそれをクリアするための手法を教えてください」
抽象「素晴らしいマネージャーはどんな人物ですか?」
具体「自身が管理者になったらKPIをどう設定しますか?」

ここでのポイントは抽象と具体を行き来することで思考の速度、思考の持久力を測ることです。こういった行き来を3回以上反応よく回答できる人はその素養があります。
また、若手を採用する際の副次的な効果として”ビジネスとしての初等教育”を確認することができるという点です。
これは素晴らしいマネージャー像を聞いたとき、大抵の人が現職の優秀なマネージャーを想像します。その像が素晴らしいものであれば良い教育を受けている可能性がありますが、逆の場合は以下のパターンとなります。

抽象的すぎる、まとめられない:言語化する能力が低い
出てこない:尊敬すべき人がいない or 良いところを見ることができない
内容に問題あり:正しいマネジメントを受けていない

こういった発言からもどういった人物なのか見極めることが可能ですので、
参考にしてみてください。

③管理者

最後に③管理者、インサイドセールスマネージャーです。
このポジションは最後に採用しましょう。大抵の場合、立ち上げを任される人がマネージャーを兼務しますし、それぐらいできる人のはずです。
それと、インサイドセールスマネージャーを採用しようとしてインサイドセールスのプレイヤーをいきなりマネージャーに登用するのはおすすめしません。理由は以下にある求められること、で説明します。

インサイドセールスマネージャーに求められることと重み付け
50% : 分析思考力/論理思考力
40% : 人材育成力/組織構成力
10% : 実務実行力

大きな理由は他の職能と比較して実務実行力が求められないということです。例えばセールスマネージャーであれば”同行訪問”がありますが、その際に交渉力がない上司ってどうですか?ということです。
※そもそも自分で手を動かすマネージャーは優秀とは思いませんが、セールス職の場合はインサイドよりも関与度が高く、プレイヤー時代の能力を発揮しやすい。

もちろん大手開拓においては実務的な経験が生きるのですが、その経験者がセールス側のマネージャーにいれば問題ありません。
むしろ行動のほぼすべてが数値化されているインサイドセールスは数値分析、マーケ連携でのターゲットの整理などの思考力が強く求められます。

また、積み上げ型業務で(ファネルの絞り込まれ方がセールスよりも小さく)日々の生産性が成果に直結するため、人の教育や支援の能力がとても重要です。
また、外出時の移動などの時間がなく、デスクにいる時間が長い業務でありストレスが非常に溜まりやすいため、そのケアとモチベーションの維持が必要になってきます。
とくに重要なのは個人のwillと実務を紐づける力、そして成長を言語化して伝達する力です。これは目標設定と給与査定の経験が大きく影響します。

対象人物
・いずれかの職能でのマネージャー経験
・実行力タイプよりは戦略思考タイプ(解決策が量以外)
・自分の手で計算、分析ができるタイプ
・目標設定と給与査定の経験

質問例
「現在の実務における数値分析のプロセスを教えてください」
「過去の大きな課題と解決策を教えてください」
「それは誰か専任がついてましたか?それともご自身で?」
「目標設定と給与査定してましたか?」

インサイドセールスマネージャーは行動指標(アクション数)、中間指標(商談数)、成果指標(受注数)などを管理しながら前後の部門と折衝を繰り返す非常に難しいポジションである一方で、人がずっと目の前にいるので育成環境としては容易。しかしその分”人の育成や心情”で成果が変わりやすい=成果に差が出やすいポジションでもあります。


以上が企業側からみる各ポジションの採用におけるポイントです。
偉そうに書いてますが私自身もまだまだですので、ぜひ皆さんの知見もどこかでシェアしてくださると嬉しいです。
(訳:Twitterフォローしてね?絡んでね?コメントしてね?)

また、長くなってしまったので採用される側については別のnoteにします。

次回予告:採用される側のnote

採用される側のnote
・基礎力こそ最強のスキル
・自分の価値をあげる企業とは?
・異業種からインサイドセールスへの挑戦
・企業を見極めるための3つの質問

※補足※
一緒にインサイドセールスを変えていく仲間を探しています。
コーヒーぐらいなら付き合ってやってもいいって方はDMください!


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
あ、3回目のスキですね☺️
140
元SFDC、現BizReachにてインサイドセールスの構築。 インサイドセールスカンファレンス主催 MiiTellエバンジェリスト SPIN公認トレーナー 連載 https://sales-hacker.jp 記事 https://seleck.cc/1161

こちらでもピックアップされています

経営
経営
  • 8本
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。