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自分探しの旅、ちょっとそこまで。

この季節の緑は生命力に溢れていて、少し陽が傾いたくらいではその力強さは失われない。ちらっと庭に目をやるたびに眩しい緑が視界に飛び込んできて、外出自粛で特に予定もないくせに「よし、明日も頑張ろう!」なんて張り切ってしまう。わたしもそんな風に人を奮い立たせるような人間でありたい。
どうしたらそれを実現できるだろうか?

人を触発する方法はきっと十人十色だ。それが、完璧に家事をこなすことだったり、いつも素晴らしい笑顔でいることだったり、とびきりお洒落をすることだって一つの方法だと思う。わたしの場合、それはきっと労働なのだと思う。がしがし働いてみんなの規範となることでわたしは少しでも世界をよくできるはずだ。

わたしは大学に入って2年間はバイト漬けの日々を送った。飲食店を掛け持って毎日どちらかに出勤していたのだ。高校時代から勤めていた飲食店でバイトリーダになったのもあり、わたしは文字通り自分の時間を持たずに働いた。きっと周りから見たらボロ雑巾のようにヨレヨレで、本業であるはずの大学で泥のように眠っている姿は不真面目に映っただろうと思う。
わたしがそんな生活をやめたのは大学3年生の6月。この月を選んだのにはいくつか理由があるけれど、一つは自分の誕生日があるからだ。残り少ない学生生活、自分と家族の誕生日くらいはまっすぐ家に帰ることに決めた。そしてもう一つは、就職活動に専念するためだ。夏からはインターンシップにも参加したかったし、アンマルチタスカーのわたしには就活について考える時間が必要だった。

そして現在。やっかいな流行り病の影響で就職活動は完全にストップしてしまい、アルバイトも休みが増え、大学の春休みも大幅に延長した。わたしは何年振りかに時間にとらわれない日常を過ごしている。そんな中でつい考えてしまうのは、なぜかあのボロ雑巾の日々だ。自由にたくさんの映画を観て健康的な自炊をしてるいま、わたしはもどかしさでいっぱいなのだ。そんな自分に驚くとともに、改めて働くことが好きなのだと気付かされる。
いろんな意見があるとは思うけど、わたしは”男らしく働く女性”に憧れる。労働とは正反対にいるいま、「カッコよく働いて誰かの心の支えになりたい!」という気持ちが心の底から湧いてくるし、努力でどうにでも実現できることも強く確信している。

人を触発する方法は、何かに突出していたり人と違うことをやったりすることじゃなく、お金持ちになることでもなく、自分が望む自分に向かってがむしゃらに努力することなんじゃないだろうか。そしてそれが十人十色だからこそ、世界は鮮やかな色で溢れるんじゃないだろうか。

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