コロナ感染者数の罠

 テレビのニュースを観ていると、必ずといっていいほど各都道府県の新型コロナウイルスの新規感染者数の内訳が報道されている。世間的には「withコロナ」というワードも飛び交っているが、個人的にはそういう気にはあまりなれない。自分はもちろんのこと、身近な人が新型コロナに感染して辛い思いをしませんようにと祈るばかりだ。また、この場をお借りして、新型コロナウイルスに罹患された皆さまや、被害を受けた皆さま、及び関係者の皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

 さて、先日は新規感染者数が、東京で200人超、大阪で100人超だった。「今日も多いなー」と思ったと同時に違和感も覚えた。新規感染者数は少ないに越したことはない。むしろ0が続く日を待ち望んでいる。しかし、その違和感というのは、多いなと感じた数のことだ。テレビの報道の影響もあるかもしれないが、なんとなく東京では200人を超えると多い、大阪では100人を超えると多いと感じる基準を自分の中で作ってしまっていた

 これは正直恐怖である。気付かぬうちに、基準という名の壁を作ってしまっていた。これは、人に対して作ってしまうことや、自分に対して作ってしまうことがある。

 人に対して勝手に作る基準とは、相手の力はこのくらいのものだろうと、相手の力量を自分の頭で作ってしまうことだ。例えば、筆者が大学生のとき、塾でアルバイトをしていた。1対1がウリの塾だったので、生徒の力に合わせて教えることができる。しかし、これは時としてマイナスに働くことがある。テストで点数の高い生徒には難しいことまで教えるが、あまり高い点数が取れない生徒には難しい内容は教えないとしてしまうことだ。理解できる/できないの問題はあるが、難しい内容を教えない生徒にとって、その分の学びの機会を奪っていたことになる。教えて理解できなかったとなるならまだ良いが、教えてもないのに理解できないだろうと決めつけてしまうのは、生徒たちの力を信じていないことになる。

 また、自分に対して勝手に壁を作ってしまうことも同様だ。自分の力を低く見積もってしまい、本当はできることもできないと努力することさえせずに諦めてしまう。まだやり始めてもいないのに。

〈アウトプットコーナー〉
 あなたは自分自身で勝手に作ってしまっている基準はありますか?
それはどんな基準でしょうか?
この機会に考えてみましょう。

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