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The Sadness・哭悲

新型ウイルス蔓延して1年、なんとかウィルスを抑え込みながら平和な日常を取り戻しつつある台湾のある街。

TVではまたこのウイルスが変化するだの進化するだの言っているが、世間はもうスッカリそんな専門家の予測もどこ吹く風だ。

同棲中の2人の男女も以前のようにマスクもせず朝の爽やかな外の空気の中をスクーターに乗って出掛けていった。
街はいつもどおり賑やかだ、すっかり前のような平和な日常に戻りつつあった・・・ハズだった。

それは突然の出来事、最初は明らかに様子のおかしい老婆が『突然』食堂の若者を襲ったのがはじまり?
地下鉄の電車内で乗客の男が『突然』車内の人々を刺し殺し始めたのがはじまり?
この『突然』があちこちで起き、街はこの『突然』の狂暴化した人が現れ、その『突然』狂暴化した人々が暴徒と化し街は血みどろの地獄絵図になってしまう。

その地獄と化した街で彼女と彼氏は再び会う為に狂暴化した人々から逃げるのだが・・・。

最新の地獄絵図が台湾から来たよ!


で、『哭悲』なんて読むん?? どこか台湾のお隣の国の三級片物の臭いがするこの作品。
六ヶ月?いやもっと前から噂に聞いて、すっごく期待していた作品だったりする。
ただ期待通りを通り越して、想像していた地獄絵図よりレベチの地獄絵図。        

令和の時代に、こんな野蛮な地獄絵図が観れるとは。
定期的に人間には映画で地獄絵図を観せて行った方が良い。
ゆえに声を大にして言うがオススメだ

一回抑え込んだウイルスがとんでもない進化を遂げて、感染した人間は、凶暴性マシマシ、性欲丸出し満面の笑みでニヤニヤになり無差別に人を襲うという。

うん、ロメロ先生の『クレイジーズ』を思い出すよな、だが、この地獄絵図はもっとエグいわ。
感染した人の『性欲』がブースターとなって残忍さがとんでもなくアップしとる。
私が思い浮かんだのが、昔のPCのエロゲーで鬼畜系のメーカーが出していた『姦染』というシリーズがあって、まぁ、しょーもないシリーズなんだが、ウィルスに感染すると狂暴化して女性(ショタも!)を襲いまくって『ひぎぃ』言わせるヌキに徹したゲームなんですが、あれがイチバン近い。
『姦染』の方は満面の笑みだったかは忘れたが、そのエロゲーがイチバン似てるかもしんない。
それをエロゲーよりも性欲よりも狂暴性とゴア描写に重きを置いた感じが『The Sadness』かもしんない。                  

蹂躙シーンに負けじとゴア描写も頑張っていて、なんか妙に金のかかっているゴアのクオリティも素晴らしく、凶暴化した人々の残虐行為をコレでもかコレでもかってぐらい描いておるわけさ。
それを別れ別れになった恋人同士の彼女と彼氏の別々の目線で進むんですが、やはり地獄を感じたのが彼女目線の地下鉄の大虐殺で、もう狭い車内で糖度高めのネッチョリした血ミドロンドロンよ?この地下鉄のシーンは『新感染』を超えてると思うし、この作品で一番観て欲しいシーンだったりする。

ゴアとエロだけかよ?頭悪い映画だな!って思うでしょうが、ほぼほぼそうなんだが(え?)
作品全体を覆う不快感が凄くて『みんな大好き胸糞映画』みたいな胸焼け感あって、観終わったあと結構シンドイ。

キャラのひとりでパッケージにも全面に出てるオッサン、この彼女に粘着するオッサンがもうシンドイ・・・このキャラが出てくるたびにHPガンガン減っていったわ。
感染したらニコニコ笑顔になるっていう設定もHPを地味に減らしていったよなぁ。残酷に人殺すのに満面の笑みよ?マジにリアルにニコニコレイ○よ?みんな血まみれで笑顔よ?ヤバくない?笑顔で絶望を知るという地獄。   

ウイルス絡みの作品で例のアレに繋げるようなダルいお話は考察ニキの任せるとして(そもそも地獄について考察もクソもないが)
この、作品を撮ったロブ・ジャバズ監督に凄く興味シンシンでたまらないのだが、この作品が長編デビュー作で、その前に短編をポツポツ撮っていて自分のYouTubeのチャンネルに上げてたりすんですよ。
それを観るとどうやら実写よりもアニメ枠の人っいぽい(ぼっちだからアニメしか作れなかったパターンかも?                

ゴア映画を畑をモリモリと耕すタイプではない感じがするんですよねぇ。 
このロブ・ジャバズ監督、相当に肝っ玉が据わっているのがデビュー作にして今までの自分が作った短編をチラチラと作品中に目配せ的に入れ込んでこんでる来る余裕、只者じゃないですわ。
そもそもこの『The Sadness』の元ネタは初期の短編作品『Fiendish Funnies』じゃないかと思ってるんだが、そこらへんも気にして観ると面白いかもダナ。 

久しぶりに倫理観を屁とも思わない作品に出会えてワクワクなんですが、なんとなんと7月にTHE KLOCKWORXさんが日本公開するという。いやいや、もし仮に私が映画配給会社だったらコレはとてもじゃないが買う勇気ない。
ましてや映画館で上映するとか言ってますが、正気の沙汰じゃないよねぇ?そんな金玉デカいTHE KLOCKWORXさん!チョット日本の映画業界捨てた物じゃないよねぇ?ねーぇ?!

あ、それと気になったのが・・・なんか妙に渡辺○美に似てるキャラ出てくるんですが、あれ本人じゃないですよね?

アタイの笑顔は怖いヨ!(ニコニコニッコリ)


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