東浩紀『ゲンロン戦記』がおもしろいのは、涙ぐましいほど滑稽に見えるけれど、芯に虚偽がないから鬼滅の刃っぽいゆえだ。



 『ゲンロン戦記』東浩紀著(中公新書ラクレ)が送られてきた。すぐ読んだ。おもしろかったからだ。そしてすぐに東浩紀クンに連絡をして猪瀬サロンのzoomオフ会にゲストとして登場してほしい、と連絡した。
 そこで、以下、直ちに猪瀬サロンに告知をだしたのである。開催まで4日しかない。


突然ですが!
 猪瀬サロンZOOMオフ会を
⭕️12月13日・日曜日夜8時(いつもの時間です)に開催します。
 ゲスト講師は思想家・批評家・作家そしてゲンロン経営者の東浩紀クンです。


 どうして突然決めたかというと、昨日、『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)が送られてきて、読んだらとってもおもしろい。共同経営者が使い込みをしたとか総務の担当者がコスト感覚がなくてアルバイトがどんどん増えて大赤字になったりとか、信頼していた人物がセクハラ問題をおこしたりとか、まるでダメな芸能事務所みたい、と蔑んで言うのでなく、これって中小・零細企業ならどこにもありそうな身につまされる話だなと思った。そういうなかで40歳の東クンは口先だけの思想家でなくそれなりに社会の塵芥に塗れながら成長して50歳を目前にするまでの10年の物語です。
 まえがきと目次を写真で載せます。
 zoom会の期日が迫っていますが、短い時間で気楽に笑って読めるオカシナな本なのでぜひ読んで来てください。
 今年最後のオフ会になるかもしれませんので、ふるってご参加をお願いします!

 以上が猪瀬サロンの急な告知とその経緯である。
 なお2015年、いまから5年前に僕は東浩紀の共著で『正義について考えよう』(扶桑社新書)を出版している。うっかり忘れていたが、読み返してみると、自分の本をほめるのも変だがこれがまたおもしろい。東浩紀とぶつかりながら噛み合っているのだ。
 そうか。『ゲンロン戦記』はこの10年間の苦闘(私闘)を振り返っているが、『正義について考えよう』は5年前だ。東浩紀は悪戦苦闘の真っ只中にいたのだな。

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