からだとこころ

 追い焚き途中の風呂のような、空調の空気と地上の空気が混ざった空間を感じながら目的地へと急いだ。これは仕事であり、お金をもらうために支払う対価であり、そしてそれで衣食住をととのえて日常を送るためである。

 あまりの暑さにくらくらしながら、俺は俺がどこへ向かっているのだかわからなくなる。一歩一歩が鉛のように重くはならないのだけれど、重くなったならばどうしよう、と考えながら一歩一歩と足は勝手に進んでいる。頭の中の思考が充満する。意識と無意識の違いがわからなくなってきて、全ての境界が曖昧になる。こころとからだを分けて考えるようにした歴史の誰だかを恨んだりしながら気づけば目的地に着いている。

 言葉というものは決して他人から隔絶されない。歴史から、現在から、抜け出せない。昔から受け継がれている言葉も変わり続けている。金というよりお金であって、GOLDでない。

 一人あのような景色を眺める時の気分を、皆それぞれが他人には全く見せたことない感情を胸のどこかに秘めているということを、知りたいが為に俺は何か作りたい。

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