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『善き人のためのソナタ』日本語のタイトルが大正解(世界の歴史)

 1984年の東ドイツが物語の舞台。国家保安局のエージェントが主人公で、盗聴対象は劇作家とその同棲相手の女性。盗聴で聴こえてくる彼らの世界に主人公は次第に共鳴していく。そして、ピアノソナタを耳にした時、心が激しく揺さぶられ、涙してしまう。

 ドイツ語のタイトルは『Das Leben der Anderen』(他人の生活)となっている。確かに他人の生活を盗聴するのだが、『善き人のためのソナタ』を映画のタイトルにしたのは大正解。記憶に残るためにはタイトルは重要だ。『他人の生活』では、中身のイメージが湧かない。

 主人公の最後のセリフと澄んだ瞳は、ベルリンの壁が崩壊する以前の自分の生き方に対する自然な自信を表している。同じドイツでもアイヒマンとはまったく逆のケースで面白かった。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。