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『エンテベ空港の7日間』玉突きのように続く迫害の連鎖から生まれた事件(イスラエル)

 現在イスラエルの首相であるネタニヤフ氏のお兄さんが亡くなったウガンダのエンデベ空港作戦の実話映画を鑑賞。

 西ドイツの革命家とPLOの過激分派であるPLFP(パレスチナ解放人民戦線)が起こしたハイジャック事件でイスラエルから4000km離れたウガンダの空港にいる人質をすべて救出したサンダーボルト(落雷)作戦の映画だが、印象に残ったのは、当時国防大臣だったペレス氏がラビン首相より遥かに肝が座っていたこと。

 ペレス氏というとオスロー合意における外務大臣だったので、平和的な交渉を得意とし、ときに理想主義を掲げる政治家という印象が強いが、ラビン氏との政治的ライバル関係からか、この映画では作戦の勇気ある遂行者として描かれている。

 またPLFPがハイジャックしたのがフランス航空というのも意外だった。確かに今のイスラエルの武器は自国のもの以外はアメリカから輸入しているが、当時はフランス製だったので、PLFPからすると500万人以上のアラブ移民がいるにも関わらず、フランスは敵対国だと認識していたようだ。

 現在のネタニヤフ首相がパレスチナに強引な政策を行うのは兄がこの事件の犠牲者だからかどうは分からないが、この映画でもたびたび議論されるように、ドイツなどで、ホロコーストのような迫害がなければ、ユダヤ人はヨーロッパで嫌われつつも暮らしていたのではないかと。そういう意味では民族がパレスチナ人に変わっただけで、迫害は連鎖的に昨日も今日も続いている。

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