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聖剣3でループもの【4】 魔のトライアングル

【3】で、6人の少年少女全員がフェアリーに選ばれた「ループに抗う者」として集結しました。これを下敷きにすれば、より多くの人が納得できそうな「聖剣3の後日談」や「6人で旅する物語」が作れるかもしれません。

そしてタイトルの通り、魔のトライアングルを何とかする真の試練が始まります。バミューダトライアングルっぽい。ループも怪奇現象だし。

争いと憎悪の連鎖が世界をループさせる

ご存知の通り、聖剣3の世界では3つの悪の勢力が登場します。そしてそのうち2つは、物語中盤でマナの剣の争奪戦に敗れて表舞台から姿を消してしまいます。

ですが、それで終わりではなかったのです。

敗者となり、退場したはずのヴィランたちは怨霊と化し世界に復讐します。何者かが彼らをそそのかし、ループを起こす力を与えたのです。勝者となるのは、常にひとつの勢力だけ。これではキリがありません。

彼らはループの記憶を保持したまま、自分の勢力が勝つ歴史を作るために終わりのない争いを続けます。竜帝、黒の貴公子、仮面の道士それぞれがラスボスになる世界はこうして、一本の線でつながりました。

本編でタイムトラベルしていた勇者たち

同じ出来事を何度も繰り返す世界の中で、ループを終わらせるには3勢力の争いを止めるしかない。しかし、話が通じるような相手ではありません。

そこで6人は、過去の世界へ時間移動して歴史を変えようとします。戦争の原因そのものを消し去ってしまえば、争いも起こらない。

聖剣3の本編中で主人公たちは、一度過去の世界へ飛んでます。闇の神獣の手がかりと、強力な装備を求めて訪れた古の都ぺダン。そこでデュランは、のちの英雄王となるリチャード王子と、竜帝と相討ちになる前の黄金の騎士ロキと出会いましたね。彼の父親です。

あのときは、現代で闇の神獣を倒すことを優先して、すぐ元の時代に帰りました。過去の世界で余計なことをするとタイムパラドックスが起こり、最悪主人公たちが生まれて来なかったことになるかもしれません。だから過去ではぺダン以外の場所に「行かなかった」のです。ここ、解釈変更してます。過去のぺダンだけでなく、その気になれば世界中どこでも行けた。

時を超えた親子共闘

でも今回は、過去にさかのぼって歴史を変えない限りループが終わらないと分かってます。なので、リチャード王子と黄金の騎士ロキに助太刀します。リチャード王子もフェアリーに選ばれた者ですから、こちらのフェアリーが姿を見せれば、ループの話を信じてもらえるかもしれません。もしダメでも勝手に尾行すればいいんです。行き先がドラゴンズホールなのは、分かっていますし。

もちろん、パラドックス発生を防ぐためにデュランの素性は伏せたままで。未来の息子が助けてくれてるとは知らぬまま。胸熱じゃありませんか。

黄金の騎士ロキが竜帝と相討ちになるのを阻止すれば、そもそも黒曜の騎士は生まれません。竜帝の遺体を完全に消してしまえば、紅蓮の魔導師だって竜帝に出会わず、闇の力の誘惑に負けて運命を狂わせる可能性が大幅に減少します。これで現代で竜帝勢力がアルテナを影から操り、フォルセナを攻める企みを阻止。ループを生んでいる3勢力の一角を崩すことができます。

アンジェラの親子問題を解決、そして

さらに1周目の世界で、ドラゴンズホールでの対決後に未来を絶望して自ら命を断ってしまった紅蓮の魔導師を悲しい運命から救うべく、アンジェラは一計を案じます。6人中トップの知性は伊達じゃありません。彼女はリチャード王子に対して、こう助言します。

近い将来、あなたとヴァルダの間に生まれた娘が美しく成長する頃。アルテナはマナの減少が原因で寒さに苦しむでしょう。そうなる事を見越して、今からアルテナとの関係を強化してください。特にアルテナで生まれた魔法の素質を持たない者が、国のために誇りを持って働けるよう学べる場を整えていただけないでしょうか、と。

もちろん、リチャード王子は驚くでしょう。当時王女だったアンジェラの母ヴァルダとの秘密の恋がバレてた事と、彼女が身篭っていた事。先に書いた通り、アンジェラもパラドックス防止のために自分の素性を伏せています。怪しいと言えば怪しいのですが、竜帝との決戦に助太刀してくれたおかげで彼のフェアリーとロキも死なずに済んだ恩義から、王子は約束を守ります。

ところで、アンジェラはいつ英雄王が自分の父親だと気づいたのでしょう?

それもループのおかげです。毎回毎回フォルセナをアルテナの襲撃から守って感謝され、その度に「ヴァルダに娘がいただと?」「いずれ分かるだろうが、今は知らない方がいい」などと意味深な事を言われては。自分が父親の顔を知らないことと関連付けて、嫌でも考えてしまうでしょう。フェアリー生存ルートに入って英雄王も「ループの記憶を知る者」になったとなれば、なおさらです。

フォルセナ大学の留学生と、名物教授

ループに抗う6人が歴史改変に成功し、現代に帰ると様相が一変してます。まずアルテナとフォルセナは、イギリスのような連合王国になっています。そしてフォルセナには、アルテナからの留学生を受け入れる大学ができていました。そこには自由都市マイアから英雄王の招聘を受けて、教授になったある風変わりな人物が研究室を構えています。そう、ボン・ボヤジです。

さらに、彼の研究室でいつも天才肌の師匠に振り回されているのはなんと、紅蓮の魔導師改め、紅蓮の錬金術師です。魔法の素質が無い彼は技師として国に奉仕する道を選び、フォルセナ大学の留学生となったのでした。きっと火薬の扱いが得意なんでしょうね。デュランは嫌かもしれませんが。

家族の肖像

アルテナに戻ると、アンジェラをもっと驚かせる事態が起きてます。彼女の誕生日パーティが準備されていて、会場には仲睦まじく語らう英雄王と理の女王の姿があったからです。ふたりは娘に気付くと、温かく迎えます。

歴史改変により、アンジェラは母子家庭ではなく。最初から公認で英雄王と理の女王の娘として育てられたことになったのでした。ここまで来るともう完全に「クロノ・トリガー」のノリですね。あるいは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(笑)。

これで、デュラン&アンジェラ編のストーリーについてはハッピーエンドで八方丸く収められたのではないでしょうか。まとめると以下の通りです。

・竜帝は復活できない。
・デュランの父ロキは生存、英雄王のフェアリーも生存。
・英雄王と理の女王、アンジェラは公認で家族に。フォルセナとアルテナは連合王国になる。
・紅蓮の魔導師はフォルセナ大学でボン・ボヤジの弟子になり、錬金術師として才能を開花させる。アルテナでも魔法偏重の危うい風潮は戒められる。

【5】以降ではリース&ホークアイ編、ケヴィン&シャルロット編のループを解きほぐしていきたいと思います。

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