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聖剣伝説を「もう失わせない」で振り返る話

ヘッダー画像を「大樹」で検索したら、FF外伝聖剣伝説のマナの樹そっくりなイラストを描いて下さっていた方がいらっしゃいました。ありがとう。

いにしえの昔、スクウェア黄金時代があった

1975年生まれの私は、いわゆるスクウェア黄金時代にどっぷり浸かった世代です。ざっと挙げると…

・ファイナルファンタジー3、4、5、6
・魔界塔士Sa・Gα、Sa・Ga2秘宝伝説
・ロマンシングサガ1、2、3、サガフロンティア
・FF外伝聖剣伝説、聖剣伝説2、3、聖剣伝説レジェンドオブマナ
・クロノトリガー

このあたりはよく遊びました。今は合併してスクエニになってますが、ドラクエとFFが良きライバルだった頃です。見出しでネタにしたオウガバトルの版権もまだ取得していません。

名作が私に残した影響

昔のスクウェア産RPGは、はじめに壮大な世界観を語るタイトルが多かったですね。FF3や聖剣伝説2なんかは特にそうです。小説家としての私もその影響をどっぷり受けていて、世界観語りすぎになる悪癖があります。ゲームと小説では、おそらく必要なものが違うのでしょう。

私は若いときゲーム製作者を志していましたが、自分のことも世間のこともあまりに知らなさすぎたと思います。当時は就職氷河期。加えて35歳を過ぎてから判明しましたが、ADHDでした。どうりで対人関係が壊滅的だったり学生の頃忘れ物が多かったわけです。宿題忘れの常習犯。

若いときは大学を出た後、ゲーム系の専門学校で。2018年秋から2019年春にかけてもオンライン受講できるスクールでプログラミングの勉強をしましたが、結局身に付きませんでした。私は好不調の波が激しい短距離走型の人間で、マラソンの途中で精神的に力尽きてしまうようです。

多くの漫画は世界観を語るよりも、まず共感できるキャラ作りから入りますね。主人公たちの旅立ちと、冒険の果てに見えてくる世界の真相。でも私はそこまで待てません。最初に世界設定から入っちゃう。

はじめに前提条件があって、この世界ならみんなはどう動くかと考えるのが好きです。SFっぽい。

圧倒的に世界観、世界設定先行型な私

私の書く小説は、いつも世界設定の説明が先行してしまって、ドラマ描写がおろそかになりがち。カクヨムで何度かコンテストにも応募しましたが、手応えを得られていません。審査員の前に、自分を満足させられない。

1話完結でコンパクトにお話を書ける人がうらやましいです。こだわりの強い私は、この問題点を自覚するのに数年を要しました。小説を書くことだけは、私でもここ数年ずっと続けることができています。それは誰にも邪魔されず、好きなようにお話を書けたから。でも作家デビューを目指すにはそれに留まっていられません。求められる価値を提供することが必要です。

ところで、世界観と世界設定の違いってなんでしょう。少し調べました。

25年ぶりの聖剣伝説3、トライアルズオブマナ

新型コロナ流行下、緊急事態宣言でステイホームの時期はあつ森が社会現象になりましたね。私はずっとSteam版の聖剣3ToMを遊んでました。もはや据え置き型ゲーム機は買うまいと決めてますので、選択肢はこれだけです。ストレージ容量が121GBしかないMacBook Airに、無理やりWindows10を入れました。元はプログラミング用に買ったものです。BootCamp便利!

一番の見どころは現代の基準にアップデートされたビジュアルと、きちんとしたアクションRPGになったことです。敵の攻撃が避けられ、ボスの大技も止められる!

世間ではゲーム自体より有名な同人界でのリース人気が強調されてますが、私は25年前からアンジェラ派です。父がおらず母の愛も受けられず魔法王国の王女なのに魔法が使えない。人生の落ちこぼれとして、そんな彼女に共感しました。新しいイラストも可愛らしくなりました。昔はケバいというか、スレイヤーズみたいな絵柄でしたね。

ゲーム内の性能面でもMPが切れると無力魔法攻撃を当てると痛烈な必中カウンターを飛ばす敵がいるなど一番不遇なアンジェラでしたが、リメイクではMP回復&節約手段の充実と、ダメージ上限が桁違いに上がった中でも最強火力の一角を占めるなど大幅に株を上げました。

「〜でち」口調が特徴的なシャルロットも、声がついたのと新アクションの数々で悪ガキ感が三倍増し。純真さとおっさん臭さの同居にも笑いました。

ただ心残りなのは、道中でのサイドトークは増えましたがストーリーの大筋は変わらなかったことです。1周目は演出の変化と共に楽しめましたが、2周目以降になると単純作業感が強まります。

1周目は原作通りで、2周目から違う行動を取れるようになり展開が変化。そうだったらいいなと思いました。1周目の記憶を持ってるなら、わざわざラスボスを強くするために神獣を倒して回ったりしないはずですものね。

そんな妄想を込めて「聖剣3でループもの」を書きました。

聖剣の勇者とヴィランたちの辛すぎる就活

こんなことを主張するのは今のところ私だけですが、就職氷河期の1995年に出ただけあって、聖剣3の物語には世相を反映したところがあります。

・メインキャラ6人のうち、3人しか勇者になれず他はフェードアウト
・3つの悪の勢力のうち、2つは中盤で悪同士の争いに敗れて滅亡する

これこそ、トライアングルストーリーです。この2つが、異常に過酷な就職戦線を連想させます。実際は前年の1994年12月に初代プレステが出てますので、世代交代の前に突貫工事で作ったのが影響してるのでしょうけど。

ちょっと調べてみました。「就職戦線異状なし」は1991年の映画ですが、「何者」はそれの2016年版と呼べる内容だそうです。同じテーマでも、全然違う話になりそうですね。

話を戻します。

「聖剣3でループもの」では、6人全員のストーリーを正史で主人公として扱い、ラスボスに就職できなかったヴィランたちが怨霊となり世界をループさせてるので、悲劇のヴィランたちを過去に飛んで救う話にしました。

黄金時代は去り、新作は途絶え、日本は停滞した

2020年。スクウェア黄金時代は遠く過ぎ去り、シリーズのお約束でマナの樹が失われるかのように、聖剣伝説の新作も出なくなり。

現実の世界でも、競争に敗れた就職氷河期世代の人たちを「自己責任だ」と放置したせいで。管理職の不足や、ひきこもり問題の深刻化を招きました。日本は、25年前からは想像もつかないような苦境に立たされています。

聖剣伝説シリーズの新作に望むことがあるとすれば「再生の物語」であってほしいと思います。早くから環境問題をテーマにしていましたので、今ならSDGs(持続可能な開発目標)とも相性ぴったりでしょう。

私自身の人生も「もう失わせない」と言いたいものですね。

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