
西池袋のビルの谷間で学ぶ これからの時代の皆の居場所の作り方
住む、働く、買い物をする。
近所でなんでも揃っている暮らしってすごくいいなと思う。
いつもの店員さんと話をしたり、互いに仕事を依頼しあったり。
そんな昔は当たり前だった景色は、ショッピングモールの存在やインターネットショッピングの発達でどんどん姿を消していったように思う。
でも、そんな今だからこそあえて、兵庫県の宝塚市の片隅の直径100mの一角に、「小さなまちを作る!」という思いを掲げて空き物件をリノベーションし始めた。
数年をかけて少しずつ、美容室、雑貨屋、カフェ、本屋・・・と、いまでは7店舗が入居をしてくださっている。
住まいとお店が近くにある暮らしは、人と人との繋がりを感じ合える、とても心地いいものだと感じている。
そんな取り組みをしていたら、自分の住む場所でもそういったことをやりたい!と手を上げてくださる仲間も現れるから面白い。
しかも場所は東京の西池袋。
今回はそんな仲間がビルの谷間に育てる小さなまち、ニシイケバレイをご紹介したい。
ビルとビルの谷間にあらわれる「まちの家」
「ちょうど関西にいく用事があるので、週末行きます」
まちづくりを営む仲間になった深野弘之さんとの出会いは、とあるイベントでのことだった。
兵庫県のイノタウンでまだまだ試行錯誤を重ねている中、東京で先祖代々守り継いできた不動産をこの先どのように事業経営し将来に引き継いでいくか、私と同じような問題意識を感じていたとのことで、本当にすぐに東京から兵庫県の物件まで訪ねてくださった。
元禄9(1696)年、徳川家の将軍が犬公方と呼ばれた綱吉だった頃から先祖代々同じ土地に暮らしてきた深野さんは、イノタウンで実際に取り組んでいた内容を肌で感じてくださり、距離こそ離れていたけれど、大家として地域に愛され、将来引き継いでいけるまちづくりに挑む仲間になった。
深野さんの案内で訪れた物件は、築70年以上の日本家屋。
大きな建物に囲まれているその様子は、深い谷の中のようで、東京の都市の中に突如現れたその空間にとてもおもしろさを感じたことを覚えている。
そしてこのエリアの名前も、その谷の見立てから連想して「ニシイケバレイ(西池袋の谷)」という名称になっていった。
この日本家屋の周りを囲んでいた塀を取り払い、「ニシイケバレイ」の中心は生まれた。
深野さんの曾祖母も暮らしていた日本家屋の和室はその魅力そのままに、現在はイベントなどにも使えるシェアスペースになっている。
物件の名前は「CHANOMA」
茶の間から名前をとられたこのスペースでは、茶道や味噌仕込み会などを定期的に開催。和の文化を通じて、地域の人々とつながれる場づくりを進めている。
そして、深野さんの挑戦はそれだけにとどまらず、周囲の物件にも広がっていくことになった。
ビルの谷間の中に様々な表情が生まれる
ビルの谷間と言われるとあまり広くない印象を持たれるかもしれない。
けれど、実際には様々なアプローチができることを、深野さんとの取り組みは教えてくれた。
例えば屋外テラス「TERRACE」では、日本で唯一パルクール指導に特化した会社である「SENDAI X TRAIN」さんの運営でパルクール教室を開催。
子供のみの指導からはじまり、現在では大人向けの指導も開催の要望が出る人気のイベントになっている。
また、コロナ時代の運動会と称して密を避けて開催した「with コロナ時代の運動会」は、深野さんの土地だからできる新しいアプローチとなり注目も集まった。
ただ、新しいだけでなくどこか懐かしい。
路地裏で当たり前のように遊んでいたあの頃の景色を、いつのまにか取り戻すことにもなった運動会となった。
また、最近では築50年の木造アパートのリノベーションを実施。
このアパートがいまでは、この姿とは想像できないような姿になっている。
一階には西池袋の名店「和酒酔処 わく」の2号店が5月にOPEN。
和食と日本各地の地酒を、じっくり味わえる「和酒 酔処わく別誂」と気軽に楽しめる「寄り路処ふう」…と、ワンフロアに 2 つのコンセプトがあるお店が誕生した。
さらにこの建物を2階に上がるとさらなる空間が待っている。
2階には広々としたコワーキングスペース。
そして更に、シェアキッチンも登場。
巨大なオーブンではパンやお菓子も大量に作ることができるので、店舗をもたずにお菓子を作って販売しているような個人事業主にとっても重宝される場所として問い合わせも多いそうだ。
深野さんと一緒に東京での挑戦で改めて確認できたのは、挑戦次第で空き家はしっかりと必要とされる場所に生まれ変わるということだ。
ただ、その方法を知らないだけで、日本各地に可能性に満ちた場所はたくさんあるのではないかと思っている。
「直径100mのまち」をあなたのまちにも
新しい日常生活が求められる中で、旅行で気分を変えることも難しい。大規模な商業施設に至っては休業を余儀なくされることになり、本当に数年前には予想もできなかった世界が広がっている。
でも、直径100mのまちづくりを行ってきたことで、自分達の暮らす場所に地域の人々が生き生きと生活を楽しむ場所になっている現状をみていると、本当に取り組んできてよかったと思う。
そして、同じような問題意識をもっている方が入れば、ぜひ仲間として一緒にお手伝いさせてもらいたいと思う。
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