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フレックス勤務は、やさしい働き方ですか?

採用面談の際、ときどきフレックス勤務は可能ですか?と聞かれることがあります。

多様な働き方ができる時代、インゲージでも「それぞれのライフスタイルに合った最適な働き方をすることが、最もそれぞれの生産性を引き出すことができる」と考えています。

そのため、社員によってそれぞれ働き方は異なります。
勤務時間は9時-18時(休憩1h)と定めていますが、個別の労働契約のなかで勤務時間を個別に定めています。育児中で時短勤務の男性社員もいれば、おなじく育児中で週4勤務の女性社員もいます。

在宅やリモートワークもできる環境を整えています。どうしても管理が疎かになり、モチベーションも下がると言われているフルリモートは推奨していませんが、どうしても通勤ができない場合、あるいは個別の事情がある場合、様々な理由で必要なケースがあります。

それでは当然フレックス勤務もあるのでしょう?と言われるのですが、フレックスという働き方は推奨していません。なぜならフレックス勤務は名前ほど柔軟なやさしい働き方ではないから、です。

フレックス勤務とは?

会社の定める就業規則によって、細かいルールは異なりますが、一般には「一日の中での始業時間と就業時間を個々人が自由に定めることができる制度」です。

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通常は上記の図のようにコアタイムという時間を設け、社員の勤務がバラバラになりすぎないように制度設計されています。コアタイムを除けば出社時間も退社時間も自分で決めることができ、1日の働く時間があらかじめ決められていない勤務形態です。

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フレックス制には「清算期間」という概念があります。通常は1か月を指定し、「その期間にこれだけ働いてくださいという労働時間」を定めます。

その清算期間中に決められた労働時間に満たない場合は、その分は給与から控除、つまり減給されます。

たとえば、上記の図でみると、最終週は4日のあいだに90時間働かなければ、控除時間が発生していまいます。

このように勤務時間を消化できるスケジュールを考えて1か月の計画を立てなければならず、個々人の自己管理能力が相当に求められます

いやいや、それを消化できるように管理するのは管理職の仕事でしょう、と思われる方もいるかもしれません。たしかに、週ごとに勤務時間を記録したうえで、清算時間中に消化できなさそうな場合にアラートを出す、なども可能です。
しかし、そのようにして時間管理をすることは、柔軟な働き方とはどこか矛盾しませんか?

本当に必要なものは・・・

求められているのはドリルなのではなく、正確なサイズの穴を空けることなのでは、という話がありますね。

フレックス勤務は、労働時間の管理コストを個人に負担させる働き方です。週に一度、月に何回かの通院やトラブルのために、毎月清算期間を気にしながら働く、というのは全体最適とはいえないのでは、と考えています。

子どもの病気や通院、急なお迎えなど、突発的に起きる家庭のトラブル、あるいは天候や災害、電車の遅延など外部要因によるトラブル。

それらの解決策がフレックス勤務しかない、ということはありません。

時間単位有給休暇・時差出勤・振替出勤、さまざまな代替方法があります。それらは1日単位で気軽に使える制度であり、1か月の労働時間を個々人に管理させる必要のないものです。

本来の業務に集中してもらう、というのは私たちがサービスを提供する上でも意識している大事な価値観です。フレックス勤務は本来必要のない時間管理の業務まで負わせることになり、私たちの考える理念とは異なるものとなってしまいます。

上記のフレックス勤務は、一般に法律上定められた内容のものをご紹介していますが、それぞれの会社で独自に制度設計されている場合もあります。そのため、その運用も解釈もそれぞれ異なることもあり、一概にフレックスを批判するものではありません。ただし、その制度の仕組みや本質は、人事担当者だけでなく、広く労働者一般に知られるべきです。

「本当にやさしい働き方」をインゲージでは常に考えていきます。

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