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EOSやEOLとは?情シスが備えるべき製品・サービスのライフサイクル管理の基本

「EOS」や「EOL」という用語を聞いたことはありますか? これらの用語は、ハードウェアやアプリケーションなどの販売・サポート終了、製品ライフサイクル終了を表す用語です。今回は、情シスが知っておきたい基本的な内容について、わかりやすく解説します。
なお、このnoteは主に中堅・中小企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。

1 .「EOS」「EOL」とは何か?

EOS、EOLとは、製品・サービス提供メーカー/ベンダー側が用いる用語で、それぞれ製品やサービス、サポートなどの終了を意味する言葉です。製品・サービスの販売開始から販売終了・サポート終了までのライフサイクルを図示すると次のようになります。

図内にある用語・EOS、EOLについての意味について、それぞれ下記で説明しましょう。

【製品・サービスの販売終了】
End of Sale(EOS)とも呼ばれ、ハードウェアの場合には製造終了、アプリケーション等の場合には提供終了される期日を指します。販売終了以降は、製造・リリース元の企業から対象となる製品やサービスを購入できなくなります。

【製品ライフサイクルの終了(保守/サポート期間終了)】
End of Life(EOL)、End of Service Life(EOSL)、End of Support(EOS)などとも呼ばれます。対象となる製品・サービスのアップデートや、問い合わせ対応、障害発生時の保守対応などの提供期間の終了を指します。

サポート終了をEOS(End of Support)と呼んだり、技術的なサポート終了をEOE(End of Engineering)と呼んだりするメーカーやベンダーもあります。自社に導入している製品・サービスの販売やサポート終了がどのように呼ばれているのかをあらかじめ知っておくことも必要です。

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2. 製品ライフサイクルにおけるEOS、EOL

ここでは、製品ライフサイクルにおけるEOS(販売終了)と、EOL(保守/サポート期間終了)のタイミングについて、とあるハードウェアAが販売開始し某社に導入された場合を例に考えてみましょう。

某社にハードウェアAが導入されると、そのハードウェア製品は情シスが運用管理し、運用期間中には保守やサポートなどのサービスを利用します。また、新規あるいは拡張する目的で、新たに製品を追加購入する場合もあることでしょう。

まず訪れるのが「EOS」です。ここでは、ハードウェアの製造・販売終了を指します。製品が販売されなくなると、これまでのシステムの拡張や故障した場合に同一ハードウェアで入れ替えすることができなくなります。

次に訪れるのが「EOL」です。保守・サポートが終了すると、メンテナンスや修理などができなくなったり、費用が多く必要になったりしてしまいます。メーカー以外にSIerなどが延長サポートを行うケースもありますが、費用やサービス内容が自社に合うかどうかはわかりません。そのため、保守・サポート期間が終了する前に機器等のリプレースを行う場合が多くあります。

自社のハードウェア、ソフトウェアのEOS、EOLがいつなのか、それぞれがどのような段階にあるか理解することが、効果的なリプレースを行うための重要なポイントです。

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3.EOS、EOLを把握していないとどうなるのか?

もし、EOS、EOLを正しく把握していないと何がおきるか、整理してみましょう。

まず、製品の販売・製造が終了することによる影響としては、対象製品・サービスの購入が困難になる点が挙げられます。追加で調達したい機器がある、ライセンスを拡張したいという場合に、調達できない、通常の料金より多く必要になる、調達のための手間がかかる…といったリスクが考えられます。

次に保守期限切れの場合には次のような影響があります。トラブル時にサポートが利用できず、障害対応に時間がかかる、想定外の費用が発生するなどが考えられます。また、セキュリティアップデートの提供が受けられなくなると、サイバー攻撃の被害に遭うリスクが高まり、重大なセキュリティインシデントにつながる可能性もあるのです。

このように、EOSやEOLを正しく理解し、備えておかなければ様々なリスクがあります。企業にとって損失が発生することにもなりかねないので、情シスは自社に導入されている製品やサービスとそれぞれのEOS、EOLを把握し、年間スケジュール策定や、新たなIT戦略の検討にも役立てていきたいものです。

おわりに

今回は、EOSやEOLという用語の解説と、情シスにとって製品ライフサイクルへの備えが重要な理由について紹介しました。自社のEOSやEOLのタイミングを把握し、今後のよりよいシステム設計、ロードマップ作成、IT戦略策定などにも役立ててみてはいかがでしょうか。

<EOS/EOL関連情報>

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