クローンウォーズ

少し前のことになりますが、クローンウォーズがseanson 7で遂に完結をしました。自分が出会ってからは恐らく7,8年、クローンウォーズは2008年に映像化がスタートしているので、スタートしてから12年ほど時間が流れました。1つ30分のエピソードが、多分120個くらい。なかなかな量の多さです。途中、Disneyにルーカスフィルムが買収されることになって、途切れるかもとピンチが訪れましたが、なんとかキリが良い所まで映像化していただけました。感謝です。そんなクローンウォーズを、せっかくなので紹介してみたいと思います。

そもそも、クローンウォーズは、スターウォーズシリーズのスピンオフ作品です。スターウォーズを知らないと本当に楽しむことはできないように思えます。自分は、スターウォーズと同じくらいこのスピンオフ作品が好きです。しかし、古い映画となりつつあるスターウォーズを見たことない人もいると思います。また、スターウォーズは見たけどクローンウォーズなんて知らないという人も多いと思います。純粋に長いですし、そもそも見る機会がないように思います。実は、昔はNHKのEテレで夕方放送していました。これが自分は知るきっかけだったわけですが、今はテレビ放送ではやっていません。さらに、テレビでやっていたのは、seanson 2までで、その後のseason3からseason7までは、自分で見る環境を整える必要があります。自分の場合は思い切ってブルーレイボックス買ったんですよ。

クローンウォーズの内容は、スターウォーズのネタバレをバリバリ含みます。スターウォーズを見たことがない方は見て欲しいかなって思います。別にネタバレオッケーって方や、どうせ見るつもりないが文章だけ読んでやろうという方は、お付き合い下されば幸いです。

クローンウォーズは、共和国と分離主義勢力との対立が激化した結果起こった、クローン大戦という戦争を描いた作品です。本編のスターウォーズでは、episode2の映画の終わりで、クローン戦争が開始じゃーとなって、episode3の映画の始まりでは、そろそろクローン戦争も終わりだなぁという感じになっていて、なんと驚くことに戦争中のことは映画でほとんど描かれないのです。クローンウォーズという作品はepisode2とepisode3の間のストーリーを補間するスピンオフ作品なわけなのです。スターウォーズを見た人は分かると思うのですが、スターウォーズは一回見ただけではあまりよく分かりません。episode4からepisode6は敵がはっきりしていますが、episode1からepisode3は敵すらよく分かりません。世界観の設定さえ、いまいちよく分からないまま終わっていくかもしれません。ただ、ジェダイがカッコよくライトセーバーを使って戦っており、宇宙という壮大なスケールで色々な場面が写っていく。そんなモヤっとした楽しさで、スターウォーズを終わらせてしまっては勿体無いと自分は思います。まあでも、今回はスターウォーズの話ではなく、クローンウォーズの話をしたいです。上で述べたように、クローンウォーズはただのおまけのスピンオフではなく、本編にも重大に関わってくるようなパートを担った作品になっています。

クローンウォーズの主な見所は、幾つかあるのですが、まずは、段々と闇落ちしていくアナキン・スカイウォーカーを見ることができる点かもしれません。あと、クローンウォーズオリジナルキャラとして、アソーカ・タノが登場します。このキャラはアナキンの弟子となります。オビワン・ケノービ(アナキンの師匠)とアナキンとアソーカの3人の絡みをクローンウォーズでは、たくさん見ることができます。自分はここがめちゃくちゃ好きです。スターウォーズのepisode3を見た人なら、時系列的にクローンウォーズの後、オビワンとアナキンがどうなるかを知っていると思います。その結末を知った上で、クローンウォーズのやり取りを見ていると、余裕で涙が出ます。これも、見所だと思います。アソーカもアナキンとすごく仲良さそうにやり取りします。また、アソーカの成長もクローンウォーズの魅力の一つだと思います。

スターウォーズ本編ではあまり触れられなかったクローン兵士たちの活躍も、クローンウォーズでは見ることができます。彼らは戦争の為に製造され、敵のドロイド兵士と戦うのですが、その心模様は単純にクローンと言えども様々です。クローン大戦では、ジェダイの騎士が将軍を務め、それにクローン兵が仕えるというスタイルになっています。クローンがジェダイをどのように見るのか、も大変面白いです。

あと、クローンウォーズは毎回タイトルが格言ぽくなっています。とても教育的な作品です。是非お子さんに。まあ、seasonが進むに連れて、ダークな要素が多くなってきて、結構内容もしんどくなってきます。

自分はスターウォーズの世界や物語を綺麗に作り上げるのに、ジェダイやシスという要素が重要だと思っています。スターウォーズ本編だけでは、ジェダイとはなんなのか、シスとは何者かあまり分からないままです。まあ、シスはクローンウォーズでもあまり分からないのですが、なんと言っても、クローンウォーズはジェダイが活躍しまくる話なので、ジェダイとはどういう存在なのかが結構分かってきます。ただジェダイの話をしようとすると、哲学のような、宗教のような話になってきて、自分は好きなのですが、話すのは別の機会にします。


ここから、もう少し深く話していきたいです。微妙にクローンウォーズのネタバレを含みます。

アナキンスカイウォーカーの闇落ちというのが一番に挙げられますが、それはキャラに注目した話です。クローンウォーズでは、エピソード毎に色々なジェダイや戦争の話に切り替わっていきます。そして、クローン大戦の全体像をユーモラスに描きます。その中ではっきりしてくるのは、共和国の腐敗と、終わらない戦争による疲弊感です。クローン戦争は、共和国と分離主義勢力との戦いですが、戦争の結末は分離主義勢力が無くなり、また、共和国は銀河帝国となって終了します。銀河帝国の皇帝として、元共和国の最高議長が就任します。ちょうど、ローマ共和政が終わり、ローマ帝国ができた感じです。話はずれますが、スターウォーズはローマの政治を凄く参考にしているのを感じられます。元老院も登場します。話を戻します。クローンウォーズでは、この社会の変化の兆候と思われるシーンがいくつも登場します。共和国は衰退し、議会で、もはや共和国が銀河帝国へ変わる宣言に反対するものはいなくなっています。ジェダイは戦争で忙しいし、民衆は戦争なんか知らずに、富を増やすか、生きていくのに必死という感じになっています。ジェダイはもともと平和の騎士だったはずが、戦争の道具となって、挙句、民衆から特殊な能力を持った嫌われ者として認識されるようになります。そんな雰囲気が、seasonを重ねていく毎に伝わってきて、つらいです。そんな自らのあり方をジェダイたちは矛盾に思いながら、ジェダイの中にも色々な考えを持つ人たちが現れます。時には、犯罪をするジェダイもいます。アナキンたちも疑問を抱かない訳ではありません。オビワンはあくまでもジェダイは民衆の総意の下で動くスタイルを変えるつもりはなく、ジェダイの評議会の意見を大切にします。一方、アナキンは過程より結果を重視します。戦争だから、戦争をする。勝つことが大切であり、そのための努力はするといった感じです。スターウォーズ本編でも、クローンウォーズでも、アナキンは大変有能です。その活躍ぶりは敵にも噂され、ジェダイ評議会では選ばれし者かもしれないという感じで評価されます。ただ、やはり精神面ではまだまだというのが面白いです。アソーカはそんな翻弄されるジェダイたちの影響をモロに受けます。それで最終的にはジェダイを辞めることになります。これがスターウォーズ本編でアソーカが登場しない理由になります。アソーカがジェダイを離れる時のアナキンとのやり取り、つまりseason5の最後は自分の好きなシーンの一つです。そこでアナキンも実はジェダイをやめたがっていることを口にします。アナキンは、数少ないジェダイ仲間の理解者を失うことになります。アナキンがダースベーダーになってしまってからのアソーカとのやり取りは、スターウォーズの別のスピンオフ、「反逆者たち(rebels)」やseason7の最後で見ることができます。妻のパドメは、アナキンの理解者ではあるかもしれませんが、ジェダイという立場ではありませんでした。そんな感じで、共和国の内部から、少しずつ様相が変わっていきます。その雰囲気をクローンウォーズでは味わうことができます。

もっと簡潔に紹介しても良かったのですが、できませんでした。まだまだ書きたいこともあります。クローンウォーズはコンセプトの時点で面白くなるポテンシャルを持っていました。それをちゃんと仕上げてくれたのに感謝をしたいです。ちなみに...! アサージヴェントレスのエピソードの小説「DARK DISCIPLE」の映像化待っています。

追記:最近のepisode7-9、シークエルは、それまでのepisodeに毛が生えた程度になってしまいました。嫌いとまでは言いませんが、明らかに深みに欠けたかなと思います。因みに、episode8は斬新さがあって好きです。

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