エンジニアの“Will”と成長の両立を目指して リンク・プロセシングの開発部長が語る技術戦略とキャリア
インフキュリオンから立ち上げた事業のひとつ、リンク・プロセシングは、主に対面で決済する際に、キャッシュレス決済を実現する「Anywhere」を提供しています。リンク・プロセシングで、プロダクト・マネジメント・ユニット ユニット長として開発部門をリードする金村さんに、エンジニアの成長や働き方についての考え方を聞きました。
株式会社リンク・プロセシング
プロダクト・マネジメント・ユニット ユニット長(開発部長)
金村
モバイルBtoCサービスのベンチャー創業メンバーとして、プログラマーのキャリアをスタート。サービス企画からインフラ構築、アプリケーション開発、グロースハックと自社サービスを経験。公式モバイル事業の成功によりIPO達成に貢献。その後、起業し、システム開発受託から輸入・物販、飲食店など、業態を選ばずに自らやりたいと思ったことを実現。広告、IoT、ソーシャルゲーム、メディア、SNSなどスタートアップやベンチャーでサービス開発を中心に推進。
2020年4月に業務委託としてリンク・プロセシングに参画。クラウドシフトのプロジェクトより参画し、システムのモダナイズをリード。2021年4月に社員として入社し、テックリード、テックリードグループ兼インフラ・セキュリティグループマネージャーの役割を経て、2022年4月より、プロダクト・マネジメント・ユニット ユニット長として従事。
※この記事は2024/12/06に公開されたものです。所属や業務などは取材時点の内容です。
主力プロダクト「Anywhere」だけでなく新規開発も盛ん
— 金村さんは現在どのような仕事をされていますか。
私は2022年4月にプロダクト・マネジメント・ユニットのユニット長になり、開発部門の責任者として全体を見ています。
既存のAnywhere事業のリファクタリングに取り組むほか、2つの新規プロジェクトに関わっています。1つは国内普及が期待されているSPoC(Software-based PIN Entry on COTS(commercial off-the-shelf))関連のR&D、もう1つは北國フィナンシャルホールディングスと共同のフルクラウド型アクワイアリングシステムの開発をリードしています。
それぞれメインの担当者がいるので、私自身はアーキテクチャなど技術的課題解決のフォローに回ったり、メンバーの差配などの部分で関わったりしています。
内製化でコントロールを取り戻す
— リンク・プロセシングの開発部門はどのような組織ですか。
いわゆるソフトウェア開発を行うPDG(プロダクトデベロップメントグループ)と、ISG(インフラ/セキュリティグループ)、PMO/QAG(プロジェクト管理/品質保証グループ)という3つのグループに分かれています。
メンバーは全体で30名ほど、20代〜40代までバランスのとれた年齢構成です。技術・エンジニアリングにこだわりのある人、業界歴が長く業務知識が豊富な人、真面目でコツコツと着実に仕事を進める人など様々な強みを持ったメンバーが集まっています。
— どのような組織を目指していますか。
シンプルに言えば、内製志向です。自分たちがソフトウェアのソースコードまでコントロールする組織です。
リンク・プロセシングは2010年の創業で、すでに15年近い歴史がある会社です。前任者たちが、エンジニアが少ない時代からビジネスを急ピッチにスケールさせてきた中で、ベンダー頼りになってしまった部分もある印象です。それに伴って、自分たちのサービスのコアの部分のコントロールが利かなくなり、技術的負債を生んでしまいました。
内製化を進めることで、今一度コスト削減や品質向上、アジャイルな改善ができるようにしたいと考えています。
エンジニアがマルチスタックに成長できる環境
— 3つのグループでエンジニアの役割ははっきり分かれているのでしょうか。
役割分担が厳密に決まっているわけではありません。「基本、何でもやっていい」です。
例えば、ずっとアプリケーションエンジニアとしてやってきた人でも、インフラに関心があるなら幅を広げていっていいと思っています。特に今は、クラウド化が進んでインフラに関わるハードルは低くなっていますから、アプリケーションとインフラの両側面から見て課題を解決していくことは、そのままエンジニアとしての成長につながるでしょうし、そうやって俯瞰した視点でシステムを作れるエンジニアになってほしいと思います。
— 幅広い成長を実現するためにどのような開発環境が整備されているのですか。
AWS上に検証用のSandbox環境を用意しているので、例えばアプリケーションエンジニアがAWSのサービス・技術を自由に試してみて設計に生かしたり、「このサービスを使いたい」と提案してもいい。インフラもIaCでコード化されているので、見たければGitHubで誰でも見られます。開発環境・技術スタックがモダナイズされているので、今日的な開発者体験の中で成長していけると思います。
— 自分の興味に応じて自由にスキルを広げていけるようにしているのはなぜですか。
自分の強みを認識して、それを活かしてこの組織に「上乗せ」できる価値を生んでほしいと思っているからです。内定者の方から、「業務知識を学ぶには何を勉強したらよいのか」とよく聞かれますが、既存メンバーの誰かの仕事を分けてもらうだけでは何も新しい価値を生まないので、プラスになる価値を創出してほしいと伝えています。弱みを克服することに労力を費やすよりも、強みを伸ばしていったり、興味のある領域に注力する方がモチベーション高く仕事ができるんじゃないかと思うんですよね。
自分は自由の中でずっと育ってきて、誰かが何をしたらいいかを教えてくれたりする環境ではありませんでした。だから、一番レバレッジが利く課題は何なのかを常に探して、クリアすることを繰り返してきました。そこら辺りが「成長」についての考えにつながっているのかもしれません。
組織にとらわれず自分本位でキャリアを構築してきた
— 「自由の中で育ってきた」とのことでしたが、これまでのご経歴を教えていただけますか。
縁があって福岡でベンチャーの創業メンバーに加わることになり、そこからプログラマーとしてのキャリアをスタートしました。最初から本格的なプログラマーだったわけではありませんでしたが、そこでは手を挙げれば様々なチャレンジをさせてもらえました。CGI改修から始め、その当時最新のデータセンターでネットワークからインフラの構築経験、自社サービスを成長させるためのあらゆる試行錯誤、大規模な企業との共同事業、新規事業企画など、プログラミングに限らず多岐に渡ります。その会社では約10年働き、ITエンジニアとして力を付けると共に、IPOも経験できました。
その後、独立して会社を始めました。システム開発の受託のほかにも、中国や韓国から輸入・販売や飲食店なども手がけました。数年やっていましたがビジョンが無い事業はうまくいかず、その後はIT関連の仕事に収束していきました。フリーランスに近い状態で、広告、IoT、ソーシャルゲーム、メディア、SNSなど、いろいろな分野のWebサービス開発に幅広く携わりました。
リンク・プロセシングとの最初の接点も、そうした受託仕事の1つとしての関わりでした。2020年4月に業務委託で入り、ディレクターのような立場で開発プロジェクトのマネジメントを担当していました。その中で、「クラウドシフトのプロジェクトがあるからそれも見てくれないか」とアサインされた経緯です。
堅実なビジネスモデルの上でこそエンジニアは自由になる
— エンジニアとしてだけでなく、幅広い経験をされてきたんですね。まさに「自由」を謳歌されてきた印象ですが、2021年4月には正式に入社されています。起業まで経験しながら、リンク・プロセシングで腰を据えて働こうと思われたのはなぜですか。
一番の理由は、業務委託のときに関わったクラウドシフトのプロジェクトを、ゴールまで見届けたかったからです。このプロジェクトではインフラも全てIaC(Infrastructure as Code)に移行したので、自分たちで本当に運用できるのかどうか、社内では不安もあったと思います。私は「自分たちで運用できる、内製化できる」という強い思いがあってこのアーキテクチャを選んだので、きちんと運用に乗るところまでを自分の目で見たかったし、うまくいかないことがあればそれを解決したかったのも理由の1つです。
2つ目の理由は、リンク・プロセシングのビジネスモデルが、ストック収益のある堅実なものであることです。フリーランスはエンタメ業界の仕事を多く請けていましたが、流行り廃りが激しく、単発的な仕事が多かったんです。比較して、当社は安定した収益基盤がある中で、長い目で将来を見据えてものを作っていけることを魅力に感じて、リンク・プロセシングに入社しました。
3つ目の理由は、当社に業務委託で入社したときにすでに実現できていましたが、プライベート・子育てのためです。フリーランスのときは、土日や深夜でも打ち合わせがありました。でも、子どもが生まれたことでこの働き方は続けられないと思ったんです。
個人の「Will」を組織の「Will」に重ねられることが大事
— どんな人に入社してほしいと思いますか。
自分の強みを理解している人、自分の「Will(意思)」がある人に入ってもらいたいです。
これから非対面の決済シーンが拡大していくものと考えられます。そこに対応していく上で、ソフトウェアエンジニアリングやWebベースの開発がより重要になってきます。その意味で、Web業界で活躍してきた技術に強みを持つプロダクト志向のエンジニアがパフォーマンスを発揮できるフィールドだと思います。一方で、内製化を志向する中では、社内にエンジニアを増やしてQCDを改善し、利益に貢献していかねばなりません。
ここにはマルチスタックな成長環境がありますから、金融業界の業務知識がない人でも、これまでの開発経験を生かして活躍しながら業務知識を身につける機会があります。逆にSIer出身の人がプロジェクトマネジメントの経験を生かして活躍しながら、技術・エンジニアリングを伸ばして行くこともできます。「Will」がある人にとってはその実現を求めて動きやすい、自由の利く組織だと思います。
リンク・プロセシングがビジネス成長していく上で、それぞれが強みを持ち寄って協力し合うことで、組織としての強みに変えていきたいと考えています。
— リンク・プロセシングへの入社を考えている方へメッセージをお願いします。
リンク・プロセシングは今後、インフキュリオングループの一員として、グループ内の他のプラットフォームとの連携も進めていく予定です。Fintechのイネーブラーというユニークなポジションから展開するプロダクト群の一翼をリンク・プロセシングが担うことで、より大きな社会的インパクトを生み出せる可能性があると考えています。
私自身、「働く」ことは楽しくできるものだと思っています。堅実なビジネスモデルがベースにあり、テックがもっと活躍していければ、エンジニアはもっと楽しく自己実現できるし、具体的に実現したいことがない人も報酬は得られます。
自分も働く一番の目的はリターンを得ることですし、別にあえて苦労なんてしたくはありません。ただ、その道すがらは楽しい方がいいし、苦しいより楽な方がいい。でも、楽をするために苦労はしていい。そんな考え方が自分は好きです。
リンク・プロセシングでは一緒に働く仲間を募集しています!
ご応募をお待ちしています。