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ジャック・アマノの“アメリカNOW” ミネアポリス/セイント・ポールに向けて西進。ウィスコンシン土産は幻の名酒!?

 チェック・アウトをギリギリの朝11時に済ませ、次なる目的地ミネソタ州ミネアポリス/セイント・ポールを目指した。空は青々とした快晴。これなら移動は楽だ。
 走り出してしばらくは田舎の州道。アップ&ダウンはほとんどなく、道の左右は畑、畑、畑。「トランプ/ペンス 2020」のサインを畑の端に出しているのを何度か見かけた。

(タイトル写真)アイオワ・スピードウェイでのダブルヘダー取材を終え、ミネアポリスへ出発。アイオワのトウモロコシ畑が延々と続く中をひた走る

 インターステート(国が運営する高速道路)の94号線に出るまでには結構な距離があったが、長年愛用してきているガーミン製のカー・ナヴィゲーションを信じて、示された道をひたすら走った。近頃はスマート・フォンによくできたナヴィのアップがあるけれど、ケイタイはクルマで移動中に電話をはじめとする他の機能を使いたいので、“衛星からのシグナルが拾えません”となることのほとんどないガーミンに頼ってきている。ケイタイだと自分の契約しているキャリアの電波が繋がらないエリアに入っちゃうこともあるので。
 今回の長い滞米では過去に踏み入れたことのない北西部の州――ノース&サウス・ダコタ、ネブラスカ、モンタナ、ワイオミングなど――にも行く予定なので、電話やナヴィの電波がどんななのか楽しみ。

ワイエスの作品に出てくるようなたたずまいのフォックス・レイクの商店。これはいったいなんのお店だろうか?

 ガーミンの指示通りに走っていたら突然道が狭くなって、突き当たりに。「こんなところを走ってて、ホントに大丈夫か?」となったが、ナヴィの言うとおりにT字路を左折してそまま進むと、小さな町の中心部らしきところに出た。フォックス・レイクという町だった。

「フォックスレイクへようこそ」と記された給水タンク

目抜き通りのステイト・ストリートは、何十年も前で時間が止まっちゃってるかのような佇まい。昔の映画に出てきそうなものだったので、クルマを停めて歩いてみることにした。

ウィスコンシン州ダッジ郡フォックスレイク。その名の示すとおり、フォックスレイク湖の湖畔に広がる町だ。2000年の国勢調査によると、町には477世帯2,402人が生活しているという。青空をダイナミックに流れる雲と静かな街並みのコントラストが鈴木英人のイラストを彷彿とさせる

 見知らぬ東洋人が現れたので警戒している……わけじゃないだろうけど、歩いている人にしばらく会わなかった。小さな郵便局、アンティーク・ショップ、ピザ屋……。

風情のあるピザ屋。もちろん営業中

 バーらしき店を2ブロックに3軒は見つけて、通りの一番西側まで行くとビュイックとポンティアックのネオン・サインとGMCの看板を出してるカー・ディーラーシップがあった。ポンティアックってブランド、もう10年前になくなっちゃっているけど。

インターステーツ94号線に出た。渋滞もなく快適にマイルを稼いでいく

 I-90/94に出てからはスピード制限が70マイルで、空いていたこともあって順調に進めた。ランチはサンドウィッチのサブウェイ。

ウィスコンシン州ニューグラールスのニューグラールス醸造所のビール「ニューグラールス」。100%天然原料を使用し手作りにこだわったハイクォリティーなビールで、ウィスコンシンでのみ販売されている。アメリカのビール通の間でその名はよく知られており、ウィスコンシン州外の人からするとさしずめ”幻の名酒”といったところなのだろう

 州境が近づいたところでガソリン補給。友だちに”ウィスコンシンでしか売られていない”と教わった人気ブランドのビールと、もう一種類を、ミネソタでお世話になる家族へのお土産として購入した。

 双子都市ミネアポリス&セイント・ポールは、意外に州境からは近かった。セント・ポール側に住む友人宅に到着したのは夕方の5時頃。移動時間は6時間で、走行距離は299マイルだった。

以上 第14回終了

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