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逃亡者の掟「おきて」

人生において、時に、すべてを
投げ捨てて逃げたくなる。そんな時がある。

自分が懸命にやってきたこと、
こいつが誰かを傷つけていた。
悲しませていた。苦しませていた。
この事実に直面し、目を背けたくなる。
そんな時がある。

自分のやることなすこと、
もしかしたら、存在自体が間違っていた。
そんなふうに感じてしまう。
そういう時がある。

そんな時は逃げたくなる。
時には逃げても良いかもしれない。
でも、そんな逃亡者の時に、
決して忘れてはいけない。
そういうことがある。

他人をもう傷つけたくないから
逃げるんじゃない。
自分がもう傷つきたくないから、
逃げるんだ。

自分がこれ以上傷つきたくない。
だから、逃げる。
これじゃ格好つかない。
でもそれでいいじゃない。
そんなふうに思うんだ。

どうせ逃げるんだから、
もう自分が傷つきたくない。
そうやって泣いている。
ありのままの自分を認めるんだ。

それからはじまるんだ。
ぼろぼろに傷ついた、
そんな自分の心を癒す。傷を治す。
そんな時間がはじまる。
そういうことなんだ。

そうやって自分をみてゆくと、
わかってくるんだ。
他人を傷つけたとか、
他人に傷つけられたことなんか、
ほんのかすり傷だってことを。

致命傷になる傷は、自分が自分で
自分を斬り刻んでいる。
そういう行為が大問題だったって、
そこに気づくんだ。

人生、時には、逃げたくなる。
そんな時がある。もちろん逃げても良い。
でも、決して決して忘れてはならない。
逃亡者の掟がある。
そんなふうに感じるんだ。

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