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急所に当たる経験

なぜにこの程度のことで立ち上がれない。
そんな自分に腹が立つ。
いらだつ。だから自分を叱咤する。

それでも、立ち上がれない。
仕方ないから、癒す。慰める。共感する。褒める。
自分を許し、認めるんだ。
それでも、立ち上がれない。

そんなどうしようもない自分になっちまう。
そんな時がある。
自分で自分に手をつけられないから
どうしようもない。

そんな時、あらためて自問自答する。
「なぜにこの程度のことで、
深く傷つき、倒れてしまったのか?」
自分のことだけに、実に不思議である。

でも、やっぱり理由はあるんだ。
要するに「急所に当たった!」って
ことなんだ。

他人から見て、些細なことでも、
自分にとっての急所に当たってしまった。
そんな時がある。

ここでいう急所とはすなわち、
自分の鼻をへし折られることを
意味する。

自分の鼻とは、自分の精魂傾けてきた。
自分なりの自信が一瞬で打ち砕かれた。
そういうことなんだ。
そんな時は、起き上がれない。
コトの大小じゃないんだ。

でも、倒れているうちに、だんだんわかってくる。
実は急所をやられたと信じていたが、
そうでないことに気づいてくる。

自分にとっての当たり前を疑い、
否定して、自信を失った。でも、
一から考え直して、あらためて確信したんだ。

自分が大事にしてきたコトを一段階深く
理解できたんだ。
あらためて府に落ちたって、そんな感覚なんだ。

実はこれまで、自分が大事にしてきたコトを
自分が本当には理解していなかった。
そういうことだったんだ。
つまりは、それが自分の急所だったって
ことなんだ。

鼻をへし折られて初めてわかったのは、
自分が大事にしてきたモノを本当の意味で
大事と感じていなかったってことである。
これが最も痛い急所だったってこと。
そのことに、鼻をへし折られて気づいた。
そんな自分である。

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