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バンデラスのタンゴ

稽古は愉しい いつもギリギリの状態で研ぎ澄まし
集中の上レッスンに臨んでも 常に快の状態にいられるわけではないが
膨大な解らなさを越えて ピタッと頭と躰が深く噛み合い
すべてが一体となる瞬間が ふっと訪れる
遠く天使が笑み はっと“こういうことかな”と思う
アドレナリンは止まらず 大きなモチベーションへと移り変わって
この時を求め 踊り続けるのだろう

まっすぐに立ち続け 軸をコントロールし
なめらかさとしなやかさの虜に ベストは見えない
まだ出来ると 信じられるよう動き続ける
つい先日組む際に どこにいたら動きやすいかなと
初めて思ったところ 習得には果てしない時間が必要で
とても一筋縄ではゆかぬ 興味深いチャレンジ
何十年稽古していても 発見があるのよね、とは
深みを増して 一層うつくしく踊る方たちの言
相手の動きを感じ取ったり 自ら気をつけようと意識したりできると
またうれしく ひとりでは為せぬものの醍醐味を
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上半身の すべてのパーツを総動員し
腹部は上下左右に分割 肋骨を持ち上げる
タヒチでは 腹部のムーヴメントはあったものの保持が基本で
動かさなかったものを 動かすようにしてゆくのは
マシン設定のよう ボタン押下ひとつで変更の利かぬ我が身よ
まずは頭をほぐすところから 固定化した意識を崩し
躰に染み込ませて 背側の骨 背骨の積み上がりに意識を向け踊り出す
 
ベリーのスネークアームや フラメンコの上げ下げする腕
タヒチの拡げた腕 ヨガにおいても腕は
社交ダンスの姿勢と上半身の使い方は まったく新たな試みで
汗が噴き出す 写真や映像で見たとおりにいかぬ動きに
あやうく無理だと口走りかけ 骨と足首へと意識を向ける

熱血ダンス映画の “レッスン!”(“TAKE THE LEAD”・’06・米)
社交ダンスの世界チャンピオンで パフォーマーのPierre Dulaine氏がモデル
ビデオを巻き戻しては ダンスシーンにほうっと嘆息し
バンデラスのタンゴを 見飽きることはない
曲の美しさに さざなみのようで大胆なヒールの動き
後半の男女学生3名による アクロバティックな踊りにも釘付けに
息をつかせぬ展開 巻き起こる拍手は止まず
この一本により これを踊りたいと明確な意志がうまれた
思い返せば これまでは貼られたポスターで見つけた文字情報から踊り始め
入口へ通じる道は あらゆるところに開かれている

夢中になれるものへの歓喜と有難さを とみに感じる年初
すべてのひとが しあわせの種を抱えている
ポケットの中 ハートの内側 笑顔に
色々の場所で芽吹き 平和の波を
生きとし生けるものみなが感じられたなら どんなに素敵だろう

Sail away from safe harbour.
20 years from now you will be more disappointed by the things
that you didn’t do than by the ones you did do.
So throw off the bowlines.
Catch the trade winds in your sails.
Explore. Dream. Discover. ----Mark Twain
 (the author of ”Adventures of Huckleberry Finn”)


Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛