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短歌

短歌

雪原に重力離れ舞ふ我の抱えられ見る夢のたしかさ

引かれた手前を往く背のぬくもりは帰国日までの半年永遠

日に二度の朝と夜との帳開くゴーグルよけて現に見る夢

ふれられて鮮やかに息吹き返すわたしの一部見出されし美

伝えたい絵文字のバリエ足りなくてまだるっこしさに歌詠みはじむ

Mongolia mongoLia

Mongolia mongoLia

体が刻む鼓動は 永遠でも無限でもない
ドウルッドゥドゥ ドゥゥ ドドルッドドルルゥイウ
 Dododuduuaduduia dodoluuruiaattu
ドドッゥゥイゥ アア
モンゴルの草原は 果てのない静けさの中にあり
魂が 安まる場所だった

考えずとも 答は其処にあると感じる
足搔きは無用で すべては用意されている
答えは 中心に在り
草原は青く 山脈は遠く
かすかに開いた口元から ハミン

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Wonder

Wonder

わたしがわたしと出逢うときに むすび合う歓び 東に昇る陽に
梅東風覚ゆ こいしさは結晶の中 振り返らずとも安心して you’ll see
何をみて どれを選びとるか 一つひとつ 一瞬一瞬に魂を込める

男と子 同時にふたつは望みすぎなのだ 強く吹きつける風が
はらはらと雪の粉を舞い落とし 川面にはつながる波紋 疲弊した遠い季節
それでも人は歩いていく ただ抱き留めてほしくて いますぐ会えたなら

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春風

春風

何時になくそわそわと待った立春 空気に春を感じる瞬間が増え
曇天におぼえる光 長くなる日に 新月はもうすぐ あたらしい暦の始まり

みえないものへ 思いを寄せ 光がつつむもの 寛容さはひとをつよくする
‘I’m surrounded by love’ ’I AM LOVE’ 大地につながるわたしを
 
心地よさの中にあろう じぶんと約束をする時 いちばん大切な人を喜ばせ
うつくしさはとめどなく あ

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Flow along

Flow along

窓の外の雹は粉雪へと変わり 冬のときめきは甘い雫に凝縮さる

いとしいひととの距離を 近しく感じるのは何故だらふ
物理的には離れていても 握られた手の感触がいま此処に いつの間にか
渡れるようになった海 しなやかな行き来 よろこび合ふ時間を

一日に二度訪れる朝と夜を縫ふ 夢と現実との逢瀬はゴーグルなしに叶ひ
そなわる感覚を解き放ち 時を練る 真昼にみる夢 夕のあわひ
結晶の一粒ひと粒の内側へと 

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In Other Words

In Other Words

果てのない泉に口づけ 車越しの投げ接吻 撃ち抜かれ止まらない鼓動
てのひらの感触を辿っては 輝ける灰色の空に音符が舞ふ おなじ町の幸福

愚かしさは悪か これまで答えを躊躇わなかった事ごとが反転し
その奥に隠れた愛に 自覚的になったから 欲望果つる処へ垂直に落ちた星

目に映る姿がすべてではない 眠りについているものたちを 別の角度から
余すことなくみつめたくて 想像がもたらす近しさ 事象や感情の

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hope

hope

凍りつく季節のうつくしさを 躰に留めたくて森をゆく 
あふれ出した愛 呼び寄せられ 宇宙が応援してくれる不思議
巡り合はせに歌ふ風は清か 千切ったミントに 茶の葉をたっぷり
注ぎ入れた湯に浮かんだ月は朧 重なり合ふ奇跡 笑む声の癒しは深く

声を出して笑い そのままで話すうち あざやかに生まれ変わった感覚
気がつくと飛び跳ねていた 心と躰は連動している こどもだった頃のやう
ひらいた掌 撥をとり 

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meteor

meteor

わたしたちはこんなにも似ている 異質なものをもとめて来た
好もしく 豊かな面白さ 完璧でない調和 時間をかけて添うやうな

ちがう風でありながら そこはかとない近しさ わかり合いの速度
なめらかさは流れ星のやうで 即座に通じ合うふしぎと喜び 描かれる星図
確かさはひとを大胆にする 直感以上に信じられるものを私はまだ持たない

動と静とは目眩く 移り変わりの陰陽 心地よいリズムはイルカの棲む海を

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對話

對話

言葉に置き換えようとするうちに整理され 浮かび上がる輪郭を
’どうしてそう思うの’ 問いかけは 内側へ降りていく鍵となり

どんなにちがって見えても 根底には愛 迷いや不安 逆境にあり
見失っても 揺らぐことのない大きなものが 至るところに用意されている
草陰 踊り場 部屋の隅 さふとありて 静かにひらかれるときを待ち

重ねた選択に連れられて 思ってもみなかった方向へ 物事は動き出す
すでに自分

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synchronicity

synchronicity

真っ直ぐに尾を引いた流れ星 潮目が変わり 見えなかったものが動きだす
自分以上にじぶんを信じ 受け容れてくれる存在 ’輝きつづけて’ は
最大のメッセージ 日々は奇跡の連続 時空の襞に眠り 呼吸をあじはふ
己であって己でない 離れてはつながってゆくもの やすらぎに満ち

玉ねぎを刻み 鶏を焼く 豆にズッキーニ トマトとキャベツ 人参も
あたたかなスープ 木の下で毛布にくるまり 静かに落ちてくる星々

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foreverness

foreverness

夜半からの雪は寝静まった町を真白く染め 暗闇に滑り出した車体へも
そっと舞い落ちる 反対側へと去りゆくテールランプに視界が滲む
忙しなく拭かれる窓 細く開けた隙間からしんしんと入り込む冷気
平等に流れる時が一瞬でも伸びたなら 耳に届いた曲がまた瞳を湿らせゆく

素のままの感情に 心は強く揺り動かされて 愛より速く 深きをたゆたい
のこされた鮮やかな確かさは 森のなかで他の気配にやすらぐことに似る

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pathless woods

pathless woods

心が先に動くとき まだ形を成しえていない感情 口や舌を通さぬ気配
言葉が追いつけない流れの中 思いや波をあたたかなものがさらってゆく

一瞬一瞬のきらめき 愉しかった記憶を転がる音が導く うれしさや喜びが
空間までも解しゆきて 余分のものは外れ 素のあなたが舞い上がる
確かなこの感覚を 魂の呼び声 深い呼吸 背骨を通しつたわる感覚 

言葉を望むとき そうと耳をひらく 雪陰 風 土の中 雨粒 木漏

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樹姿

樹姿

わたしはあなたがだいすき あなたを前に 私の心から余分なものが
はらはらと取りはらわれてゆく 神々しさに伝う涙 余計なものを纏わぬ
裸の心になると ほんとうに求めているものが何か 何をうつくしいと感じ
志向したいのかあらわになる 恐れないで 踏み出してみよう

秋の日をいそがしく駆けるリス くるんと上がった尾 川を渡す木の上を
軽やかに 大すきだったふたつが 目の前にひとつの風景となって現れる

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