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頑張る日々に、ついつい見落としがちなもの


今日は少し視点を変えて、私自身の失敗談も踏まえて、一つものを極めようとした時に陥りがちなことを紹介したいと思います。

ジュニア競技テニスをサポートしていると、とにかく周りの努力が目に入り、あれもしないとこれもしないとという風に焦ってしまうと思います。
強くなる子は、テニスの練習だけでなく、トレーニングもしているし、週末のたびに試合を探して試合経験を積んでいる。

ネット上には、正解がたくさんあり、あれもしてこれもしてと考えていると、1日は24時間では足らなくなり、1週間は7日では足らなくなり、1ヶ月は30日では足らなくなります。

少しでも時間が空けば、ボールを打たないと、ストレッチしないとという感じでスケジュールが埋まっていきます。
頑張れば頑張るほど、その努力の交換価値としての結果がついてくるという、強迫観念も似た考えがベースになっています。

私がスペインに1年3ヶ月のテニス留学をしていた時も、休みである土曜の午後や日曜まで筋トレをしたり、ボールを打ったりしていました。
貯金を全て費やし、大枚叩いて来たのに、1分1秒無駄にできないという思いでした。

でもでも。。。

この行動は、スペインのコーチには、よく怒られていたんです。日本なら褒められませんか?

それなのにスペインでは、「日曜なのに、お前は何をしているんだ!日曜は、No Tennisだ!」なんて怒られていたんです。
当時の私には、その時のコーチの的確なアドバイスを素直に受け入れることができませんでした。それが的確なアドバイスだとは思っていなかったからです。
スペインは、のんびりとしたお国柄だからなぁ〜くらいにしか思っていませんでした。

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それから日本に帰って、15年ほどジュニア育成に携わっていますが、強くなる子のスケジュールには、「空白の時間」があることに気づきました。
わかりやすく言うと、何もしない時間です。

それは、お子様にとって何もしない時間ではなく、保護者の皆様が作るスケジュール上の空白です。
その空白の時間でお子様は、自分の好きな何かをしています。

その時間は、無駄な時間ではなく、極めたいものが浸透していく時間です。
努力に対する交換価値としての結果を、気にしすぎるとこの「浸透していく時間」は「無駄な時間」に感じ取れてしまいます。

・反復練習
・動作作りのトレーニング
・試合経験

どれも、すぐにテニスの上達という良い結果が手に入るものではありません。
でも努力は必ず裏切らずに、結果をもたらしてくれます。

「浸透していく時間」とは、努力で得たことをまずはしっかりと受け取っている時間だと思ってください。

ちょっとスピリチュアルな話っぽくなってしまいましたが、みなさんも、「努力しているのになかなかライバルに追いつかないなぁ」と言う悩みは抱えていると思います。
私の過去のブログでも、目指す選手になるためには時間がかかるし、追いつきやすい年齢が存在すると言うことも書いています。

焦って詰め込みすぎると、良いテニス選手になるための視点が抜け落ちてしまって、本来伸びるである時期にも伸び悩んでしまうと言うことになりがちです。

これは自分自身への戒めでもありますが、頑張る保護者の皆様も、お子様のスケジュールに、努力が浸透していく空白の時間を作ることをお勧めします。

ついつい見落としがちになって井あむのは、埋まってしまったスケジュールにあるべきはずの空白の時間です。

その空白のスケジュールで、他の自分が好きなことをするも良し、友達と遊ぶも良し、昼寝しても良しです。

何かを極めたければ、何もしない時間、空白のスケジュールを加えることをスペイン留学から学んだというお話でした。


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