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ダイレクトリスティング

お疲れ様です。

甲子園の予選も続々とベスト8くらいまで決まり、女子ソフトボールも昨日は逆転勝ちしてましたね。
選手の皆さんは応援したいですが、世間の関係者に対する不満は高まっているのではないかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

今回はそれほど頻繁に耳にすることはないかと思いますが、『ダイレクトリスティング』について改めて見ていこうと思います。

知っている人も多いと思いますが、
♦︎音楽ストリーミングアプリを運営する『Spotify』
♦︎ビジネスチャットツールを提供する『Slack』
はダイレクトリスティングという方法で上場しました。

そして、2021年4月には暗号資産関連企業のコインベースがダイレクトリスティングで上場しています。

こういったことは何も投資家だけ知っておけば良いことではなく、ビジネスパーソンにとっても必要な知識であると思いますので、改めて見ていきましょう。



1・ダイレクトリスティンング

ダイレクトリスティングとは英語で『Directlisting』で、
日本語だと『直接上場』という意味です。

通常の上場と共通している点は、
『株式を証券取引所で自由に売買可能にすること』ですが、
違ってくるのは、『上場する手順』です。

ダイレクトリスティングの場合は、新株を発行しないで既存の株式だけを売り出すので、手順が大きく変わるとです。

⭐️上場の手順
通常の上場では、企業は投資銀行を雇って新株を引き受けてもらったり(主幹事証券)、ロードショーと呼ばれる投資家への株式お披露目会をして、どの値段で売り出すかを決めたりするなど、複雑な手順があります。

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「上場するのに、凄い時間とお金がかかる」と聞いたことあるかと思います。

一方で、『ダイレクトリスティング』の場合は新株を発行しないので、これらの手順を全部飛ばしていきなり株式を上場することができるとです。

新株を発行しないということは、新株を引き受ける証券会社も必要ありませんし、新株の発行条件を決める必要もないので、直接上場ができるという感じです。

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上場のばりシンプルバージョンだと思えば大丈夫です。



2・メリット

①コストがかからない
②ロックアップ期間が設定されない
③株式の希薄化が起きない

⭐️①コストがかからない
通常、上場する際には引き受け証券会社を決めるため、多額のの手数料がかかってしまいます。
しかし、ダイレクトリスティングでは新株を発行しないため、多額の手数料がかかりません。

⭐️②ロックアップ期間が設定されない
一般的なIPOではロックアップ期間が設定されますが、ダイレクトリスティングではロックアップ期間が設定されません。
(ロックアップ期間とは、大株主が上場後の一定期間株式を売却できないこと)
ロックアップ期間がないことで、多くの株を持っている創業者やベンチャーキャピタル(未上場企業の株式を買ってくれる投資家)は通常の上場よりも早く株式を売り、利益を得ることができます。

⭐️③株式の希薄化が起きない
例えば、株式が既に100万株発行されていて、そのうちの10万株を持っていた場合、あなたは10%の株式を保有していることになります。
しかし、上場に伴い新しく100万株発行した場合、あなたの持ち分は200万株のうちの10万株なので、5%になってしまします。
これを株式の希薄化と言います。
ダイレクトリスティングは新株を発行しないので、希薄化が起こらないのです。



3・デメリット

①資金調達ができない
②流動性が低下する可能性がある

⭐️資金調達ができない
上場とは一般的に『株式を自由に売買できるようにする』という側面と同時に『新しく資金調達をする』という側面もあります。
ですが、ダイレクトリスティングでは新株を発行しないので、新しく資金調達をすることができません。

⭐️流動性が低下する可能性がある
ダイレクトリスティングでは新株を発行しないので、流動性が低下する可能性があります。
上場したとしても、そもそもの株式数が少ない場合は売買が成立しない場合があるからです。



4・なぜそうするのか?

上場を目指す会社は
♦︎資金調達をして新しいビジネスを立ち上げたい
♦︎上場して知名度を上げたい

という会社が多いですが、実はSpotifyはこの2つともクリアしていました。

Spotifyは、上場する前から約2,800億円の資金調達をしていたため、上場時に新たに資金調達する必要がありませんでしたし、音楽ストリーミングアプリの知名度も世界中で高いため、上場による知名度向上も必要ありませんでした。

なので、Spotifyは多額のコストがかかる一般的なIPOをする必要がなかったのです。

「では、なぜIPOをする必要がないのにダイレクトリスティングをしたのか?」となります。

その理由は
『ベンチャーキャピタルなどの既存投資家が株式を売って利益を得るため』ではないかと考えられます。

もちろん、将来資金調達がしやすくなったり、Spotifyを好きな投資家が株式を買えるようになったりするのも目的の1つではありますが、Spotifyのように上場前から多くの投資家がいる企業は、ダイレクトリスティングでも上場することで、既存株主に売る機会を与えることで恩返しをしたのです。まぁ鶴の恩返し的な感じですね。

また、2019年6月にはビジネスチャットツールを提供するSlackもニューヨーク証券取引所に打イレクトリスティングで上場しました。
初日には48.5%も急上昇し、一時は参考価格を6ドル上回る42ドルまで上がりました。
Slackもまた、上場前より既にソフトバンク・ビジョン・ファンド等から十分に資金を調達できていて、2018年のラウンドでは、4億2,700万ドル(約4460億円)を調達しました。
また、知名度も世界的に高くサービス利用者は800万人を超えていたのです。

なので、SlackはSpotifyと同様に一般的なIPOをする必要がなかったのです。

他にも、2020年9月に
タスク管理ツールを提供する『Asana』
データ分析会社の『Palantir』
が同日にニューヨーク証券取引所へダイレクトリスティングで上場しました。

その一方で、日本ではダイレクトリスティングで上場したケースは1999年が唯一となっています。

日本はこれからなのでしょう。

また、他にもダイレクトリスティング以外に、SPAC(特定買収目的会社)を介した上場手法も注目されているので、これはまた明日で。


今日はオリンピック開会式です。
東京の空にブルーインパクトが飛んで、五輪のマークを作るヤツすごいですよね。5機同時に丸を作るのって想像以上に難しそうです。
戦闘機乗りには世の男どもはロマンを感じるのではないでしょうか?

自分の人生にもロマンを感じたいものです。

それでは
4連休残り2日、適当に頑張りましょう。


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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
🐶ここでは『お金』『投資』『マインド』などを書いています。
『お金』は人生の全てに関わってきますので、そこの問題を解決すれば自分も周りの人も自分の望んだ人生が送れると思い、書いています。
気張らず『へぇー』くらいで見て頂けたら幸いです。


🐶今回のイッヌ🐶
ブヒっとしたベルちゃん🐶

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