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原油高騰(エネルギー株の人気化によるロシア・インドネシア・インドに注目)

お疲れ様です。
飲食店の時短営業が11月にも全面解除されそうで、少しですが出口が見えてきた感じで良きです。
『必要回数のワクチン接種完了』のパーセンテージも66.5%を超えてますので、このまま正常化してほしいところです。

さて今回は石油・石炭・天然ガスなどの価格とエネルギーセクターの株に投資妙味が出てきています。
世界はこれから『脱炭素社会』を目指しているのに何故化石燃料の価格が上昇しているのか?をふかぼっていこうと思います。

【ポイント】
♦︎中国が『脱炭素社会』を目指した事で、天然ガスや石炭の需給が逼迫した
♦︎化石燃料価格の上昇で恩恵を受けられるのが『ロシア株』『インドネシア株』
♦︎経済成長が見込まれる『インド株』に注目



1・エネルギー株の人気化

まず、10月第2週までのセクター別騰落率では、S&P500が-3.2%だった一方で、エネルギー・セクターが+16.4%と好調で、市場を支えました。

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エネルギー・セクターが好調な主な要因は世界的に天然ガスと石炭の需給が逼迫していて、価格が急騰したからです。

【実際】
石炭価格:一時269ドル50セント(1年前は48ドル50セント=5倍以上値上がり)
天然ガス価格:一時6ドル31セント(1年前は1ドル44セント=4倍以上値上がり)
する場面がありました。

何故、天然ガスと石炭の需給が逼迫しているのか?というと、
それは中国が国内のエネルギー源を石炭から天然ガスにシフトしているからです。

例えば、中国政府は地球温暖化の原因とされている二酸化炭素の排出を抑制しようと、炭鉱の閉鎖・撤退を進めているんですが、そもそも中国の電力源のおよそ6割が”石炭”と言われていますから、石炭の供給量が減ってしまうと価格が高騰しやすいです。

また、オーストラリア政府が『5Gのネットワーク構築事業』から中国の通信機器大手ファーウェイを締め出したことの報復として、中国政府はオーストラリア産の石炭輸入を制限したことも石炭の需給が逼迫した原因になっています。

そして、中国は石炭に変わるエネルギーとして『天然ガス』にシフトしているんですが、この突然のシフトチェンジで天然ガスの需給が爆増してしまい、その結果、欧州の天然ガスが不足してしまい、価格が急騰しているとですね。

ただし、天然ガス価格が高止まりするかどうかはわかりません。

これは何故かというと、
ロシアのプーチン大統領が「ロシアとドイツを結ぶ新海底パイプライン『ノードストリーム2』を使うことで、大幅に安くガスを供給できる」と供給を増やすことを示唆しているからです。

(ドイツとロシアの結ぶ海底パイプライン『ノードストリーム2』)

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しかし、『ノードストリーム2』の稼働を欧州が許可しない可能性があります。

それは、米国が「ドイツのロシア産天然ガスの依存度を高めれば、欧州の安全問題に深刻な影響が出てくる可能性がある」と強く懸念しているからです。

そもそも米国はロシアに対して経済制裁を加えているんですが、これはロシアが『2020年の大統領選挙に介入』したこと、そして『ウクライナ南部クリミア地域の支配と人権抑圧を継続』していること、さらに『米国のソフトウェア企業のソーラーウィンズへのサイバー攻撃』を仕掛けたことが原因です。
そして、米国はドイツに対して軍事支援をしていますからドイツがロシアに対して巨額のガス収入を与えることは容認できないとですね。

また、欧州でも『ノードストリーム2』の稼働に否定的な国は少なくありません

例えば、既存のガスパイプラインは、ウクライナやスロバキア、チェコを経由してドイツに届けていますから、ロシアが『ノードストリーム2』を稼働すれば、これらの国々の『ガス通過料』を大きく減ってしまうからです。
なので、米国や欧州の一部の国は兼ねてから反対を訴えていて、欧州内で意見が対立しているんです。

では、『EUの盟主ドイツの立場は?』というと、『ノードストリーム2』を稼働させたいと考えています。

これは『ノードストリーム2』は既存のガスパイプラインと比べて”通過料が上乗せされない分”安く輸入することができますし、ドイツは兼ねてより『脱原発』を掲げていますから、安価で安定した天然ガスの供給が不可欠だからです。

また、ロシアからすれば『ノードストリーム2』が稼働すれば、巨額のガス収入を得られるだけでなくて、ドイツのロシア産天然ガスの依存度を高めれば、ウクライナに対してガス供給の停止をチラつかせて、政治的立場を強めることもできるようになります。

ちなみに、ドイツがロシア産天然ガスの依存度を高めない方法として、米国からLNG(液化天然ガス)を輸入するという方法もありますが、これはロシア産天然ガスと比べてかなり割高になってしまいますから、ドイツ企業がコスト増による輸出競争力の低下を招くとして反対しています。

ここまでで考えると、
欧州の天然ガスを巡る問題が複雑化していることを考えると、天然ガス価格が高止まりする可能性が残されているといえます。



2・新興国株に投資妙味あり

上記のような理由でネルギー株が人気化しているんですが、人気化しているのはエネルギー株だけでなくて、化石燃料の輸出国の株価も人気化しています。


〜ロシア株ETF〜

例えば、おそロシア株にまとめて投資ができる『iシェアーズNSCIロシア株ETF(EURS)』は、50日移動平均線をサポートラインに下値を切り上げていて、過去最高値を更新しています。

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また、EURS(ロシア株ETF)の年初来のパフォーマンスが+37.3%と、S&P500の+16.9%を大きくアウトパフォームしています。
セクター別構成比は『エネルギー:43%』『素材:21%』とコモディティ関連で全体のおよそ6割を占めていますので、大きな恩恵を受けれる可能性があります。
このように、エネルギーや素材の割合が大きいのは、ロシアが資源大国であるわけで、例えばロシアの天然ガスの輸出額は世界1位、石油は世界2位、石炭は世界3位、鉄鉱石は世界8位となっています。
なので、石油や天然ガス・石炭といった化石燃料が高騰する局面では、ロシア株は大きく上昇する傾向がありますので、大きな恩恵を受けれるとですね。


〜インドネシア株〜

また、ロシア株と同じ理由で石炭の輸出額で世界第2位の『インドネシア株』も好調です。
例えば、インドネシア株にまとめて投資できる『iシェアーズMSCIインドネシア株ETF(EIDO)』の日足チャートを見ると、50日・200日移動平均線を上にブレイクアウトしましたから、株価に勢いがついています。

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これは中国政府がオーストラリアからの石炭輸入を制限した一方で、ロシアやモンゴル、インドネシアから輸入を拡大することを表明したからです。

ただし、EIDO(インドネシ株)のポートフォリオに占めるエネルギー株と素材株の割合は実はそれほど大きくはありません。
セクター別構成比を見ると『金融:43%』『通信:16%』『生活必需品:12%』と上位3大セクターでポートフォリオ全体のおよそ7割を占めている一方で、『素材とエネルギーは合計で14%』程度に留まっています。

なので、EIDO(インドネシ株ETF)はERUS(ロシア株ETF)ほど、コモディティ価格上昇の恩恵は受けられないとです。


〜インド株〜

ちなみに石炭価格の上昇を受けて、最近はインド株も好調です。

インド株は資源国のイメージはあまりありませんが、これは人口が多く輸出できるだけの余裕がないだけで、石炭の生産量は世界第2位埋蔵量は世界第5位となっているほか、鉄鉱石の輸出額は世界6位アルミニウムの鉱石であるボーキサイトは世界8位となっています。

インド株にまとめて投資できる『ウィズダムツリー・インド収益株ファンド(EPI)』は、年初来で+30.2%と、S&P500の+16.9%を大きくアウトパフォームしています。
セクター別構成比は『金融:26%』『ハイテク:18%』『素材:15%』『エネルギー:10%』となっていて、コモディティ・セクターが全体のおよそ4分の1を占めるなど、EIDO(インドネシア株ETF)よりも大きくなっていますので、エネルギーセクターの価格上昇は恩恵を受けられます。

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また、インド株が好調な理由は、何も石炭価格が高騰しているからというだけではなくて、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大が収束に向かっていることが要因として挙げられます。
インドの新規感染者(7日移動平均線)のピークは40万人だったのですが、直近では2万人と減少しています。
これはデルタ変異株の震源地となったインドで感染者数が爆発したものの、その結果およそ7割の国民が後退を保有し、集団免疫を獲得した可能性が高いとです。
なので、インドでは経済活動が正常化に向かって、世界から投資マネーを呼び込んでいるんですね。

他にも生産年齢人口の増加経済対策(メイク・イン・インディア、デジタル・インディアetc)なども関係していることが挙げられます。


♦︎インドの生産年齢人口の増加
生産年齢人口の増加が長期的に見込めることも人気化している要因として挙げられます。
例えば、総人口に対する生産年齢人口の割合は、

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(生産年齢人口⇨15歳から64歳までの人口)

2020年では、『日本:59%』『米国:65%』『中国:70%』『インド:67%』となっていますが、
2050年では、『日本:51%』『米国:61%』『中国:60%』『インド:68%』と日本と中国が激減する一方で、インドは堅調に推移することが予想されています。

生産年齢人口のボリュームが大きいと、それだけ消費が活発になることから経済成長しやすいことで知られています。
実際、日本も生産年齢人口の減少とともに経済が衰退しましたから、中国も同じような運命を辿ることが予想されます。


♦︎経済政策(メイク・イン・インディア、デジタル・インディアetc)
インドは経済政策として国内の製造業を活性化するための『メイク・イン・インディア』と、デジタル化を加速させる『デジタル・インディア』、さらに衛生環境の改善を目指す『クリーン・インディア』を掲げていることもインドに対する投資の魅力を高めています。

こういったことから、世界の投資マネーは少しずつ米国株から新興国株にシフトしていく可能性は非常に高いと思います。
世界の投資家の動向は常にチェックですね。

それでは
サザエさんシンドロームになっている方も多いかもしれませんが、明日からも適当に頑張りましょう。

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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
🐶ここでは『お金』『投資』『マインド』などを書いています。
『お金』は人生の全てに関わってきますので、そこの問題を解決すれば自分も周りの人も自分の望んだ人生が送れると思いのもと書いています。
気張らず『へぇー』くらいで見て頂けたら幸いです。

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