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とっさの一言で、本質が分かる。

とっさの一言って、人間の本質が分かる気がします。

サッと言った言葉で、なんとなく相手を傷つけてしまったり、相手を怒らせてしまったり、逆に喜ばせたかったり、和ませたりすることもあります。

とっさの一言は、瞬発的に発せられるものなので、その人の考えが如実に現れます。

先日、老人ホームの前を僕が通ったとき、入り口の前で送迎車があって、おばあちゃんがゆっくりと車に乗ろうとしていました。

そのおばあちゃんの後ろ姿を見ながら、避けて歩こうと思っている僕は、気を付けながら歩いていました。

おばあちゃんは僕の姿に気がついてないので、おばあちゃんを後ろから追い越すときは、なるべく離れて歩こうと気を付けていました。

すると、老人ホームの職員の方が、僕を見ながらこう言います。

「おばあちゃん、後ろ、気をつけて!」

後ろというのは、おばあちゃんを後ろから追い越そうとしている僕です。

結局そのまま、ぶつからずに追い越すことはできたのですが、僕としては何だかモヤモヤした気持ちでした。

自分が危険人物扱いされている感じ、なんか嫌だなぁ。

自分がここまで気をつけて歩いているのに、伝わってないの嫌だなぁ。

僕は、イヤホンもしていませんし、車を運転しているわけではないので、その言葉が聞こえています。

その人からすれば、おばあちゃん以外の人は、人間として見えてないのでしょう。おばあちゃんを守りたい一心で、そうなってしまうのでしょう。

だからこそ、このとっさの一言で、おばあちゃんへの愛が伝わってきますし、おばあちゃんが見えていないところを、ちゃんと教える責任感も持っていると理解できます。

そう考えれば、この一言で僕が傷ついている場合ではありません。

他にも、相手をモヤモヤさせる言葉はあります。

それは、断り方においてです。

僕は、断られる時は「その日は○○があるから」などと、理由を言ってほしいです。

別にどんなことがあってもいいので、行けない理由や行きたくない理由を述べることによって、相手の気持ちが分かり、次誘うときの参考になります。

しかし、僕の小学校からの同級生で怠け者の千葉くんは、そんな丁寧な断り方はしません。

最近、僕が何かに誘うたびに言うのは、「見送りで!」という言葉です。

お前は政治家なのか・・・(笑)。

「見送り」とだけ言われたら、理由が分からないので、スケジュール的に厳しい日に誘ってしまっているのか、千葉くんの苦手なことに誘ってしまっているのか、普通に僕のことが嫌いなのか分かりません。

見送りというのは、中止のことなのか延期のことなのかも分かりません。

これは、非常に自分勝手な言葉です。他人への愛を1mmも感じません(笑)。

一回当たりは、そんなに傷つきはしませんが、何回もされると深く傷ついてしまいます。

しかしながら、この二つの発言から確実に学べることがあります。

それは、自分に優しい他人なんて、そうそういないということ。

僕は、他人の何気ないことに傷ついて被害者ヅラしていますが、そもそも自分が気を遣われる立場になんていないのです。

そこまで自分が弱っている人間だと見積もられているわけでもないし、そこまで自分が偉い人間だと思われているわけではない。

老人ホームの職員にとっては障害物だし、千葉くんにとっては面倒な案件なのです。

逆にそれが分かるだけ、ありがたいことなのかもしれません。

相手の気持ちがこもった言葉なんて、僕が年を取ったらもらえなくなるものです。

今のうちに、世間から見た自分へのメッセージを、傷つきながら受け取っていくことで、うぬぼれずに済みそうです。

人間って、残酷なほどに正直ですね(笑)。


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