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第二ボタンは、誰から貰うものなの?

卒業式といえば、恋愛が盛り上がります。

憧れの先輩のボタンをもらうために、1,2年生は勇気を出して近づきます。早く言わないと、誰かに獲られる可能性があるので、早く決断しないといけません。

もし僕が、女子の立場で先輩のボタンをもらうことを想像すると、かなりの勇気がいるだろうなと思います。多分、先輩が神々しすぎて近づけないと思います。なので僕がボタンを渡すときは、その勇気も称える気でいました。

そんな僕が、中学3年生のころ。ありがたいことに何人かの後輩の女子生徒からボタンをもらって頂きました。僕は、彼女たちに「ありがとう。いくらでもあげるよ!」とか言いながら、なるべく緊張をほぐしました。

そして、その夜にはお礼のメールが届きました。

僕は「良い中学生活だったなぁ」なんて思いながら、そのメールに丁寧に返していました。

その中の一人の女子生徒が、僕にいろんなことを話してきてくれました。

女子生徒「先輩、私、本当に嬉しかったです!」

僕「俺なんかで喜んでもらえたら、良かったよ!」

女子生徒「いやいや、先輩は優しすぎますし、カッコ良すぎます。もう、先輩のボタンもらえたことは一生の誇りです!」

僕「えぇー!嬉しいけど、もう俺、学校にいないからね(笑)。他にカッコいい人見つけたら?」

女子生徒「そうですよね。寂しくなります。あっ、でも私、好きな人いるんです。先輩に言うのは恥ずかしいんですけど・・・」

僕「えぇー!そうなんだ、誰なの?」

女子生徒「これ絶対、他の人には言わないでくださいよ」

僕「うん、言わないよ!」

もう、ここまで来たら、誰だかわかっていますが、僕はそれでも聞きます。学校が離れ離れになって、付き合うことはしようと思っていませんが、その気持ちを伝えるためにメールしたのかもしれません。しっかりと受け止める準備はできています。

その女子生徒は、かなり改行して、こういう風に書いていました。

女子生徒「私の好きな人は・・・・












かーずー♡」

それは、僕のことではありませんでした。

こんなこと自分で言いたくないけど、俺じゃないの? カッコいいとか優しいとか言っていたのは、告白するための前振りじゃないの?(笑)

その女子生徒は、同じ学年の男子生徒のことが好きだそうで、その男子は僕と同じ部活の後輩なので、それを知られるのが恥ずかしかったようなのです。

問題はそこじゃない。

ボタンって、好きな人のヤツをもらうから、ロマンチックなんじゃないの?かっこよくて優しい人って、恋愛対象にならないの?

でも、こんなこと言っている僕は、もうカッコ悪いです(笑)。

僕は、「そうなんだー!頑張ってね!」とテキトーにあしらって、その女子生徒とのメールを終えました。

やっぱり、女心は分かりません(笑)。

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