第一印象で失敗すると、全てが崩れた。

僕ら人間は、どうしても一瞬で全てを知った気になります。

マナーの悪い人がいたら、その人がどんな生き方をしているのかを憶測で判断して、その人を嫌ってしまいます。初めから否定的な口調の人がいれば、自分が否定されたくないので敬遠したくなってしまいます。

その人たちが、自分の憶測とは外れていても、「この人は良くない人」というラベルを貼ってしまって、距離を空けてしまいます。

僕は、あまり見かけで判断しないようにしているつもりですが、それでもその人の仕草や態度から「こいつ、面倒くさそうだなぁー」と、つい判断してしまいます。

やはり、初めの印象は命取りになるわけで、何としてでも良いように見せなくちゃいけません。

しかし、ノーマルぶっても、他の人と差はつかなくなるので、覚えてもらいにくくなります。

ただ優しくてもいけないし、ただ発言すればいいってもんではない。

自分の良さを出しながら、相手にいい印象を与えなくちゃいけません。

そこで僕は、初対面の人には、面白いことしか言わないと決めました。

自分の話したいこと、自分の今考えていることをなるべく優先させず、相手の表情を見て、相手が面白がってくれそうな話題を出すようにします。

「恋愛」の話題が好きそうなら、自分が知っているダサい失恋エピソードを提供しますし、「旅行」が好きそうなら、自分が知っている旅行で損したエピソードを提供します。

そうして笑わせておけば、初対面の人に覚えてもらいやすくなりますし、自分自身も面白いヤツになった気分になれます。

相当なルックスや実績がない限り、そもそも初対面の人に興味を抱く人は少ないので、自分で色を塗りたい放題です。

自分を面白いヤツに見せられるなら、面白い話を徹底していけばいいし、カッコイイヤツに見せられるなら、イケメン俳優にでもなりきればいいんです。

ただ、ネガティブな人や人見知りな人は、「自分なんて・・・」と思うことがあるので、なりきる勇気もありません。

しかも、以前の僕は、自分の長所だけを出すということが悪だと思っていたので、初っ端から仲良くなってくれる人はいませんでした(笑)。

自分の全てをさらけ出しすぎて、引かれることがほとんどで、遊びに誘われることは全くありませんでした。

ただ、この処世術を覚えてからは、多少僕がからみやすくなったという噂が広がったのか、昔の友達からも連絡が来るようになったり、東京で出会った人に誘われるようにもなりました。

自分にとっては使い勝手のいい処世術なのに、なぜ僕は自分の全てをさらけ出そうとしたのでしょうか。

その理由は、他人の成功法則を自分に当てはめたことが原因です。

僕の周りには、第一印象で相手の懐に入るのが上手いヤツらがいます。

特に、高校の同級生で人気者の代々木くんは、国がつくれるレベルで友達がたくさんいます。

高校時代から、代々木くんのコミュニケーション術を研究していた僕は、彼がいかにありのままの姿でぶつかっているかに着目しました。

自分が面白いと思ったことは、周りの雰囲気が白けても言うし、甘えたいと思った時は若干かわい子ぶって、その人間味に惚れる人が多いです。

成功している人を見て、「じゃあ、自分もそうすればいいんだ!」と判断した時、人はだいたい間違った方向に行ってしまいます(笑)。

高校時代、一番友達が増えなかった自信があります(笑)。やはり僕は、表と裏があるタイプなので、相手を使い分けないと逃げられてしまうんです。

なので、ありのままの姿なのに、初めて会った店員を笑わせている代々木くんを見ると、羨ましいなぁと思ってしまいます。

そしてそれは、マネできるものではないんだなぁと敗北感を味わいました。


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